「虚・実」は東洋医学の基本 |
実証、虚証の「証」とは人間のタイプです。漢方薬は、同じ病気でも、虚証か実証かで、違う処方をするのが基本です。
気の状態は虚実という言葉で表します。「虚」とは、気が不足している状態で、「実」とは気が余っている状態です。
だったら、虚より実の方がいいんじゃないかと思うかもしれませんが、東洋医学はバランスの医学。「過ぎたるは及ばざるが如し」の喩えどおり、有り余って重積し、澱んで腐敗することがあります。
1人の人間の身体の各部にも、虚しているところ、実しているところが混在しています。
凝りで硬くなっている場所、炎症の起こっている部位は実している状態なので、瀉(気を抜くこと)さなければなりません。
気が不足してスカスカしているところは虚している状態なので、補(気を補うこと)さなければなりません。
補瀉を使い分け、全身の気の巡りをよくし、バランスを整えるのが鍼灸治療です。 |
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