7/15(土) |
阿寒湖~摩周湖~知床へ |
北海道へは、ネットで調べて、レンタカー付のフリープランで行った。JALのマイルを、と思っていたのに、契約した後で、マイルの貯まらないツアーだと気がついた。格安だったものなあ。
格安チケットの怖いところは、予定の飛行機に乗り遅れたら、自力で現地まで行かなければならないという点だ。悪天候で飛行機が欠航になった場合でも、チャラになってしまうんだって。
「台風が来ませんように・・・」と、祈るしかない。
釧路空港でレンタカーを借り、まず、阿寒湖へ。最悪だった。
マリモで有名になって、北海道で一番初めに観光地化された?
湖もきれいじゃないし、なんだか悪臭が?
老舗風の蕎麦屋に入ったら、とにかくまずいし。早々に、出発した。
次は摩周湖へ。
近づくにつれ、空の色がどんどん美しくなる。絵葉書でしか見たことがないような美しい色の空と山々を見ながら、えんえんと車を走らせ、摩周湖に着いた。
有料の第1展望台は避けて、第3展望台の道路わきに車を停めた。遠くから眺めるしかないらしい。
また、その摩周湖の美しいこと!山の真ん中に、ぽっかりと浮かんだような湖。晴天の青空の下で、深い青と緑の湖が、静かにたたずんでいる。
人も車もいっさい近づけないから、自然の美しさを保っていられるんだなあ。空の色、湖の色、山や木々の色。青から緑へ、緑から青へ。「あお」という色が、こんなにもバリエーションにとんだ色だったなんて、私ははじめて知った。
そして知床半島へ向かった。
下調べもせず、知床半島に行けば世界遺産が見れる、とか、単純に考えていた私たちは、そこで途方にくれた。「これが世界遺産です」とか、看板にでも書かれているかのような気になっていたのだ。
とりあえず、ウトロに着いて、「世界遺産て、どれですか?」などと聞いたりしたが、聞かれた地元の女の子も??? 首をかしげられてしまった。
スペイン旅行を思い出し、観光案内所に行ってみた。とっても親切だった。地図をくれ、「この範囲が世界遺産です」と、印をつけてくれた。
知床半島の半分以上を占めている。半島の先端まで行く道はない。ヒグマの生息する、厳しい自然そのものが、世界遺産だったのだ。 |
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7/12(水) |
ナダルとフェデラー |
ちっとも上達しないまま、「筋力をつけるため」とテニススクールに通っている私。イメージトレーニングのために、テニスの試合は見ることにしている。女子の方が勉強にはなるのだろうけど、男子の方が断然面白い。
22人が入り乱れるサッカーとかは、誰が誰かの識別が難しいので、見ない。1対1のテニスの方が、じっくり見れて好きなんだ。しかも今回はナダルがいた。スペインのマジョルカ島の出身らしい。
誰かのファンになると、試合の観戦にも熱が入る。
今年のウィンブルドンでは、フェデラーとナダルの試合を楽しみにしていた。それが実現!急いで仕事を終わらせ、必死になって家に帰った。こんなふうに、待ち望んでいた対戦を見れることは、なかなかないことだ。しかも、決勝戦で。
去年は3回戦で敗退した、芝が苦手なナダルが、決勝まで進んだのだ。
ちょっと前に、全仏の試合があって、男子シングルスの決勝で、ナダル対フェデラーを見たばかり。いつも相手を翻弄し、悠々と圧勝するフェデラーが、ナダルとの決勝では、思うように点が取れず苦しんでいた。眉根を寄せる苦しげな顔のフェデラーをはじめて見た。
ナダルは20歳になったばかり。黙々と、一生懸命プレーする姿に感動した。髪が長くてかわいいし。そのときは、ナダルが全仏で優勝し、クレーコート(土のコート)では、60連勝と記録を更新した。
決してあきらめず、一心に、勝利に向かって身をささげるナダル。私も見習いたいものだ。フェデラーは、スピードとコースに変化をつけ、すばらしいラケットさばきで、淡々と相手を圧倒する。これも見習いたい。
どちらも、レシーブ力がすごい。どこに打たれても取りに行き、その球を、すごいところに返してくる。そんで、それをまた、取りに行って、また返して・・・まるで、神業。
私は、髪をなびかせて走るナダルと、悩めるフェデラーを見たかったのだ。フェデラーも好きだが、悩むところを見たい。
フェデラーは、ウィンブルドンでナダルに勝って、芝のコートの連勝記録が48だ。
全仏で決勝を戦った2人が、ウィンブルドンの決勝でも戦った、というのは、なんと54年ぶりだって。コートの特性が違うと、球のバウンドが異なるので、いろんな種類のコートで勝つのは大変なことなんだって。
私は、まだ、球をコートに入れるだけでも苦労しているというのに・・・。
でも、これからは、ただ球を拾うだけでなく、次に打つ球を計算できるプレーヤーを目指そう。そうだ、五目並べやオセロの要領でやればいいのか?
とうとうウィンブルドンが終わってしまった。ジャンキーのように、夜な夜な見ていたので、すっかり気が抜けてしまった。あ~あ・・・ |
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6/28(水) |
スペイン旅行記⑦バルセロナの最後の夜 |
フラメンコの本場は南のアンダルシア地方だ。
「え~、バルセロナでフラメンコ!?」と、向こうに住んでる女の子にあきれられたけど、前回そう思って見なかったのをちょっぴり後悔していたので、今回は、素直に観光客をやることにした。
彼女が予約をしてくれたのは、スペイン村にある「カルメン」だった。ガイドブックに載っている有名な店は、料理が美味しくないそうだ。
フラメンコは夜12時過ぎてから盛り上がる、と聞いていたのに、それは本場の話らしい。お客も観光客ばっかりだったし。やっぱ、イマイチだった。でも、たしかに料理は美味しかった。
お料理食べ終わるのと同時くらいに、あっさり終わったので、そのあと、彼女の行きつけのバルで二次会をした。朝早くからの強行軍で疲れ果てていた私は、ビール1杯ですっかり酔っ払ってしまった。
最後の夜は、なごやかに、にぎやかに更けていった・・・。
次の朝、小雨がぱらつく中を、トランクをガラガラ押して駅まで歩く。バルセロナの雰囲気がすっかり板につき、ちっとも怖くなんかない。
(とはいえ、初日から、なぜか、観光客に道を聞かれまくっていた私だけど・・・)
バルセロナに出発する直前、たまたま「エロイカより愛をこめて」を読んでいたら、ちょうど18巻の巻末に、作者の青池保子のスペイン旅行の話が載っていた。
のんびりとした田舎の旅を終え、最後のバルセロナで引ったくりにあい、バッグを死守したものの、傷だらけになったそうだ。
宿泊先のホテルの主人に話したら、彼の奥さんも2回も襲われたと憤慨していた、というエピソードが書かれてあった。
他の人からも、バルセロナは危ないとさんざん脅かされていたので、女の人3人連れて行って何かあったら大変と、かなり恐れていたのだけど、親切な人たちに巡り会って、安全かつ楽しい冒険ができた。
とはいえ、私の最初の海外旅行は、小林愛子に連れて行ってもらったグァテマラ旅行。彼女に、荷物の持ち方からなにから、とことん教え込まれたからなあ。
安全に旅をするコツは、とにかく用心すること。泥棒に「取りにくそう」、「狙いにくい奴」と思わせることだと思う。
今回の旅行記はこれで終わりだけど、スペインには、まだまだ行ってないところがたくさんある。またいつか行きたいなあ! |
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6/19(月) |
スペイン旅行記⑥カダケス&フィゲーラス |
次の朝、カダケスは快晴だった。
大きな大きな青い空、青く輝く海、美しく静かに佇む白い町並み・・・どうして、スペインの町並みはどこもかしこも美しいのだろう?
物知りの患者さんが教えてくれた。「人間は、その国で、一番簡単に手に入る、どこにでもある素材を使って家を造るんですよね」
山と森林の(ついでに地震も多い)日本では、木でできた家。大きな岩盤でできたイベリア半島では、岩を切り取って家を建てる。
スペイン語で「階」を piso と言うのだけれど、それは同時に「家」と言う意味でもある。岩で造られた高層アパートの一室、何百年も前に建てられた建物にだって、今でも平気で人が暮らしている。
家を建てるときに、「この家、この町には何百年も人が住む」という精神だから、美しい町並みを残そうという風になるのかもしれない。
何と言っても、視覚的美的感覚が、ものすごくすぐれた国民だから、ということもあるのかもしれない。
ダリとガラが暮らした愛の巣、「卵の家」の前に船着場があって、そこに「ガラの船」がある。かつて二人が舟をこいだ、美しい入り江がある。
今度は、ちゃんと電話で予約ができ、さあ走れ、と船着場に急ぐ。前日のうちに町の中を歩き回ったので、地理はバッチリ。船は4人以上集まらないと出航しない。私たちはちょうど4人。「タクシーも4人乗りだし、4人はいい数だね」と、あらためて言い合う。
シーズンオフのヒマな時期、船頭さんは、お客にありついて喜んでる。約1時間の地中海(カダケス湾)クルーズ。
ゴツゴツの岩石の塊でできあがっている岸壁は、人を寄せつけない厳しさだ。この岩の、薄く剥がれる性質を生かすのが、最近の建築物の流行らしい。険しい海岸線は、コスタ・ブラバ(荒々しい海岸)と呼ばれ、頑固で雄大だ。
海の美しさは言うまでもない。
『ここからフランスが見える?』と聞いたら、沖に出てから、『あそこに見えるのがフランスだよ』と教えてくれた。
『私はフランスが大好きだ』とか、『フランスに愛しいだんなが待ってるんだろう』とか、なんとかかんとかいろいろ言うので、???
どうやら、すっかり、私たちをフランス人と勘違いしていたらしい。日本人だと言ったら、えらく驚いてた。
たぶん、ガラの船に乗る日本人なんていないのかもな。ガイドブックに載っていなかったもの。
卵の家は、チケットを買うと、そこに時間が書いてある。昨日まで、震えるほど寒かったのに、今日の日差しは焼けつくようだ。ほんの数十分ほどで、長袖の袖口から出ていた手の甲の半分と、指先が日に焼けた。
でも、空気が乾燥しているので、タンクトップでもジージャンでもOKの、さわやかな気候だ。日本では、1年のうち数日しか味わえないようなさわやかさ、なのだ。
一度に数人しか入館できないので、入ってしまえばゆっくりできる。王と王妃の隠れ家のようなゴージャスさ、そして様々な工夫に、ガラを愛するダリの心が現われているようで、けっこう感動した。
なんだか、映画「シャイン」の天才ピアニスト、ディヴィッド・ヘルフゴッドを思い出した。イッちゃってる天才の、純粋で一途な愛。そういうのに(知的な?)女は弱いんだよね。
お昼のバスでフィゲーラスへ。ダリ美術館に行った。先にカダケスに行っておいてよかった。絵の題材になっている風景を、この目で見てきたあとだもの。「やっぱ、ダリって、あっちの方へイッちゃってたんだね。ピカソがまともな人に思えてくるね」と、美大出の友達が言った。
ついでに言うけど、バルセロナのピカソ美術館はよかったよ。
結局、ジローナへ寄る時間はなくなった。次回の楽しみに取っておこう。一度に何もかも見てしまうと、次に行くときの楽しみがなくなるもの。
その日の夜は、バルセロナのフラメンコ・ディナーショーの予約をしてあったので、まっしぐらにバルセロナへ帰った。もちろん急行で・・・ |
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6/18(日) |
スペイン旅行記⑤カダケスまでの道のり |
カダケスに行く日は、あいにくの曇り空。地中海で泳ごうと予定していたのに、寒くて寒くて、長袖を2枚重ね着してもまだ寒かった。でも、あさっては帰国の日。1泊するには今日出かけるしかない。
もしかしたら、カダケスは晴れているかもしれないじゃないか?今年になって、バルセロナでは一滴の雨も降っていないということだった。
スペインの天気予報はえらくいいかげんらしい。ずっと「曇り時々雨」の予報だったのに、毎日が晴天。その日は予報では「晴天」のはずなのに、なぜか重い雲が垂れ込めている・・・。
そういえば、前に行った時も、日本で調べたときは、毎日「雷雨」の予報だったのに、実際には快晴続きだった。
カダケスへは、まずフィゲーラスまで電車で行き、そこからバスで行く。
予定としては、カダケスに直行し、海岸で泳いで1泊し、次の日は朝イチでフィゲーラスに向かい、ダリ美術館などを見て、ーースペインでは途中下車はできないそうだがーー、途中にあるジローナへも寄れたら・・・
でも、そんな計画は、私のような行き当たりばったりの無計画人間とっては、絵に描いた餅だった。
サンツ駅に行って、i に並んで時刻表をもらう。今回はしっかり急行を待つことにした。1時間待っても、向こうに着く時間は30分しか違わない。
ベンチに座って、ガイドブックを開いた。
フィゲーラス~カダケスのバスは、昼ごろに2本。その次は夕方7時だ。昼のバスには間に合わない。
「どうする?」と相談したら、多分4人で割れば、タクシーで行ってもそう高くはないはず。とにかく行っちまおう、ということになった。
ゆっく~りと起きて、ゆっく~りと朝食をとり、のろのろとリュックに荷物を詰めたのだもの。実は、とっくに準備完了の同行者たちに取り囲まれて、「まったく~」とせかされたのだけど。
結局、スペイン好きの私は、スペイン人並みにアバウトというか、いいかげんというか、おおらかというか・・・それは相手の受け取り方によるのだけど。
その私が、通訳兼ツアコンだから、「のんびりできる幸せ」を楽しむか、「時間を無駄にしている」とイライラするか、それも相手の受けとめ方しだい。
フィゲーラスに着いて、バス乗り場へ行ってみた。ひとりが「あれ、途中の
roses までは、1時間に1本バスが出ているよ」と気づいた。そこでタクシーを拾って(実は呼んで)カダケスまで行ける。
えんえんとバスを待つ。たしか、7番で待て、と言われたのに、8番にバスが着き、人々が次々と乗り込んでいる。
「もしや?」と思って、走って行って切符を見せると、そのバスだった。そこらへんにいた外人観光客たちも、あわてて駆け寄ってきた。
バスの中では、大音響で音楽が流れる。「いいのかな?」と、まじめな日本人の血が騒ぐ。
でも、バスは安心だ。閉鎖された空間。泥棒がいても逃げ道がない。なんだか、ふう~っと気が緩む。終点だから、居眠りしてもOKだ。
停留所では、バスの横っ腹が開いて、そこから自分の荷物を取っているみたい。運転手はハンドルを握ったまま、ボタンを操作するだけ。降りて確認しようともしない。盗まれる心配とかしないのかな?
ここは、バルセロナと違って、のどかな田舎町なのだ。
バスの終点で降りて、タクシー乗り場を探すが、そんなものはありそうもない。切符売り場のお姉さんに聞いたら、電話番号の書かれたカードを渡してくれた。
自信たっぷりで電話をしたら、やっぱり『どこ?』と何度も聞かれる。仕方なく、乗ってきたバスの、超ハンサムな運転手さんに電話をかけてもらうことにした。
携帯電話を見せられて、怪訝な顔をした彼も、『自分がどこにいるかわからないので、タクシーを呼べないの』と説明したら、にっこり笑って、電話してくれた。
30分ぐらい待ったかも。大きなバンがやって来た。メーターもない。今では、高級リゾート地となったカダケスも、シーズンオフは閑散としている。たぶん、普段は違う仕事をしているんだろうな。
料金は、30€きっかり。騙されているかも?の不安は無視した。
カダケスに着いたのは、もう夕方。どんより曇って、えらく寒い。あちこち探索したが、どこももう閉まっていた。次の朝早く発つつもりだったけど、明日もし晴れていたら、予定を変更しようということになった。
オスタル(民宿)で教わったレストラン(bar La Cala)は、本当に美味しかった。
スペインの食事はすべて最高で、(前回の旅行でうっかり入った、駅のファーストフードの店は最悪だったけど)、地元の人が行く店を選んだら、ただのひとつもハズレがなかったよ。 |
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