dosei みづ鍼灸室 by 未津良子(レシピ例集)
レシピ1・ぬか漬け
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レシピ2・ぬか漬け
乳酸菌を育てる
自家製のぬか漬けは、ほんとうに美味しいですよね。
糠(ヌカ)には、米粒でもっとも栄養価の高い胚芽の部分が入っています。

ぬか漬けの目的は、「野菜を美味しく食べる」だけではなく、栄養たっぷりの糠床で、細菌類を培養し、乳酸菌など、人間にとって有用な菌を取り入れることです。

浅漬けにすれば、塩分が気になる人でも、生野菜感覚でバリバリ、野菜をたくさん食べることができます。
用意するもの
カメ (土でできた昔ながらのカメがいい)
米ぬか
天然塩
その他、にんにく、赤唐辛子、粉がらし、だし昆布、ビールなどなど、お好みで。
誕生:はじめの準備
米ぬかを炒る。
大きななべや中華なべを弱火にかけて、木べらなどでかき回しながら、炒って香りを出す。
なべ底にくっついていると焦げてしまうので、なべ底をなぞるように、木べらを動かしつづけるのがコツ。

虫の幼虫や卵を殺す目的でもあるので、お風呂だったら入れないぐらいの温度を、5分ぐらい維持するのを目安にする。
なべに水と塩を入れて火にかける。塩が溶けたら、冷ましておく。
手元の本には、「米ぬか2K、塩250g、水10カップ」とあるが、私は水を半分ぐらいにする。
冷ました糠と混ぜる。ぬるいぐらいでいい。全体が湿り、ぼろぼろしたのを丁寧にかき回す。
かための方が失敗が少ない。
古い糠床があれば、加える。ビールも入れる。缶ビール半分~1本ぐらい。水分も補えるし、発酵もすすむ。
粉からし、昆布、鷹の爪、にんにくなどを入れる。
赤ちゃん時代:漬け始めから1・2週間
漬け捨てにする野菜を入れる。大根やカブの葉っぱ、キャベツの外葉などでもいい。毎日、どんどん入れては出し、をくり返すと、野菜から出る水分で、糠床がしっとりしてくる。よくかき回して空気を入れることで、乳酸菌などの発酵が進む。
野菜は捨てなくても食べられる。塩漬けよりマシかな、という味である。最初はかなりしょっぱいから、塩出しが必要だけど、だんだんに、ちょうどいい塩加減になっていく。糠床の中のちぎれた葉っぱなどは、丁寧に取り除く。野菜くずが残っていると、糠床がすっぱくなってしまうので。
野菜から出る水がダシになって、美味しく発酵していく。日に何度もかき回して、空気を入れてあげる。
最初の夏を越えるまで
人間も幼児のうちは、目が離せず、手がかかる。最初が肝心。
夏場は、日に2・3回はかき回そう。生物の活動がさかんな夏は、発酵が進みやすい。

しっかりした乳酸菌のコロニーを作ってしまえば、あとが楽になる。
幼稚園にあがるまでと思って、手をかけよう。
野菜の漬け方
野菜に塩をまぶして、ぬか床に入れる。漬け上がった野菜のしょっぱさで、塩分濃度がわかる。しょっぱかったら、塩をつけずに野菜を入れる。仕上がりの味で、加える塩分を調節するといい。
糠床の表面は、水溜まりができないように平らにならす。カメの側面についたぬかは、手などできれいにこそげ落とす。
野菜をから水が出ると、だんだん糠床が水っぽくゆるくなってくる。その水が美味しさの源だ。ゆるいと手がかかるが、美味である。手抜きをしたくなったら、糠を足す。糠10に塩1の割合だそうだ。糠床の水を抜きたいときは、表面にリードペーパーを置いておくと、水分を吸ってくれる。水を抜きすぎると味が落ちるので要注意。
夏は1日2回以上、春と秋は1回以上はかき回す。暑いとすぐに漬かるし、寒いときは時間がかかる。ちょうど、野菜を漬けるときにかき回し、取り出すときにまたかき回す、というタイミングである。
ぬか床の固さにもよるが、冬は週に1・2回でも大丈夫なので、そのときに、作り手も少し休養ができる。
ぬか漬けのコツ
かわいいと思うこと
ぬか床は生き物である。中には、乳酸菌など、さまざまの細菌類が生息している。ぬか床をかき回す目的は、菌に呼吸をさせること。底のほうからしっかりすくって、空気を入れてあげよう。
一生懸命かわいがると、元気にすくすくと育ってくれる。毎日、心にかけてあげることが大切。植木や花と同じように、声などかけてあげるのもいい。
容器はカメ
昔ながらの、土から作られたカメが一番である。カメにしてからは一度も失敗していない。カメは厚みがあるので、外気温の影響を受けにくく、中味の温度変化が少ない。空気も通すので、菌たちも呼吸が楽だし、人間も楽ができる。菌を育てるための、カメは最適の家なのである。
天然塩を使う
塩は、海水のミネラルをたっぷり含んだ天然塩を使う。いろいろなミネラルが、菌たちの栄養にもなり、食べる私たちのミネラル補給にもなる。塩田(海水)で作られた天然塩がおすすめ。私は、イタリアの塩がお気に入り。
環境は、ぜひ、常温で
菌によって、活発になる温度は違う。冷蔵庫で育てる人もいるが、たいていの菌にとっては、5度というのは冬眠のような温度。乳酸菌は数え切れないほどの種類があるが、暖かいほうが、多くの菌が活躍するので、美味しくできる。それは自然の摂理というものだ。
蓋をあけっぱなしにしない
カメの蓋を開けるときには、私は細心の注意を払う。小バエなどが飛んでいるときには、手で払いながらやる。ちょっとの間でも、蓋は必ず閉め、虫が入らないようにしている。蓋が汚れやすいのが欠点だが、虫が湧くよりまし。蓋を洗うときには、お鍋の蓋などを代わりにのせるといい。
古いヌカをもらう
長年、ぬか漬けを作っている人に、古い糠をもらう。手から手へと、何世代にもわたって受け継がれてきた糠を種にすれば、美味しくて丈夫な糠床が早くできる。私も、お料理上手な先輩から、古い糠をもらって作りはじめた。何百年も糠床に住んでいる乳酸菌たちもの子孫もいるかもしれない。まわりの人に聞いてみよう。
数日以上留守にするときは・・・
冬場なら、1週間ぐらい放っておいても大丈夫だけど、真夏は、2日以上家を留守にするときは、カメから出して、糠を冷蔵庫に入れる。温度が低いと、乳酸菌が不活発になるので、しばらくは味が落ちる気がするが、数日でもとに戻る。
にんにく
「臭い」と言う人と、「美味しい」と言う人がいる。虫除けになるらしいので、1個ぐらい入れておくといいと思う。薄皮をむいて、根っこを切らずに入れる。入れっぱなしにしても大丈夫。
ビール
「ビールを入れると美味しくなる」と言う人と、「ビールを入れるとまずくなる」と言う人と、賛否両論がある。私は、作りたての時にはビールを活用するけれど、その後は入れない。ビールを入れると発酵がすすみ、一時的には美味しくなるけど、すぐに酸っぱくなってしまう。古漬けなど、酸っぱいぬか漬けが好きな人は、ビール賞賛派になるのだろうか?
失敗しても、トライアゲイン!
私も、何度も失敗をした。菌を育てるコツを会得するまでは、失敗はしょうがない。糠を捨て、カメを洗い、しばらく休養。そのうち、また、やる気が出たらはじめればいい。

追記:うちの糠床はついに10年以上持ちこたえ、とても「いいお味」に育っている。
数年前から、糠と野菜と塩だけ。他には何も入れていない。それが最良と思っている。
ぬか漬けの効用
ぬか漬けの本質は、「菌を育てる」ということ。
人間のお腹の中には、いろいろな菌が棲み、消化を助けたり、ビタミンを作ったりして、人類と共存共栄してきた。
どんな民族も、納豆、ヨーグルト、チーズ、酢やお酒など、いろいろな発酵食品を発見し、健康のために活用してきた。

日本人が伝承してきた発酵食品のひとつが、糠漬けである。誰でも簡単に、それぞれの家庭で、手軽に作ることができる。すごい発見だと思う。

糠床の中では、人体に有用な菌がいろいろ繁殖しているが、なかでも乳酸菌類は、毎日食べると健康的。
免疫力も高まるし、下痢にも便秘にも、どちらにも有効だ。
みなさんもぜひ挑戦しよう。
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Updated: 2011/7/19