doseiみづ鍼灸室 by 未津良子(ヴェルの思い出) 
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- 出会いから編  -
ヴェルの思い出
2011 ・ 2
3月27日 最近はひとりぼっち
原発の事故のせいか、野川をお散歩する犬が激減したような気がする。まだ、あわてるには早いと思うんだけど・・・

せっかく犬慣れしたのに、またまたひとりぼっち。
昨日お風呂に入ったから、フワフワおでぶのヴェルだよ~。
4月1日 暑いのは久しぶり
テニスに行っても、前のように機敏に動けない私。地震のあと、まる2週間テニスを休んだし、このところお散歩も少なめだった。
地震・津波・原発事故のせいで、精神的な疲れがどっと出て、朝起きれなくなっちゃった。いくらでも眠れるんだよね~。

気合を入れ直して、体力作りのやり直しだ。とりあえず、お散歩と壁打ちから始めよう。やっぱり、毎日1時間は歩かないとなあ。。。

今日はとても暑い日。ヴェルは久しぶりに、ベロを長~く伸ばし、ハアハア、暑がってる。
それにしても、野川は、人も犬も少なくなったままだ。桜の花もちらちら咲き始めているよ~。

みんな、戻っておいで~~!
4月5日 うっ、やばい → → → とぼける
いつものように、私のそばでまったりしていたヴェル。

「そういえばさ~」と、ヴェルに話しかけた。「この間の地震でさ~、みんながうちに避難して来たとき、ヴェル、ユウちゃんとねんこしたよね~~」

いきなり、ヴェルはひるんだ。
両耳をピンと立て、私の話に集中している。『うっ、ヤバイ、まずいこと言われてる!!!』、という表情。

ユウちゃんは高校生のかわいい女の子。
私はもちろん、大好きなあんずも捨てて、一番若い子のおふとんにもぐりこんで寝たんだよ。

「ヴェルはさ~、そんなにユウちゃんが好きなら、ユウちゃんのところに行ったら~?」と、1ヶ月前の話を蒸し返して、しつこくたたみかけた。

いきなり、ヴェルは聞こえないフリ。
都合の悪い話になると、「私は耳が遠くてね」と、いきなりとぼけるお年寄り・・・表情がそっくり同じだね!

またまた、ヴェルをからかっちゃった。ごめんね~
4月12日 しばらくバッグの中で・・・
寒い間は、タイマーをセットして、あらかじめ治療室を暖めておく。

そろそろ暖かくなってきたので、タイマーはなし。着いてすぐは、部屋の中が寒々としてる日もある。
今日は、バッグの中から、あたりをキョロキョロ。しばらく出てこなかった。ヴェルはほんとに寒がりだなあ・・・
4月20日 トリミングした
暑い日がつづいたので、今年のトリミング、第一弾をやった。
梳きバサミで全体を短くした。セーター1枚分ぐらいの毛を切ったよ。毛を切ったあとは、ひとまわり小さくなる。

これで少しは、すっきり細めに見えるかな?すこし若返ったような気もする。
せっかく涼しげになったのに、また急に寒い日があったりすると、ヴェルはいつのまにか、ストーブの前に陣取っている。
「ストーブをつけて!」と言っているみたい。
つぶらな瞳でお願いされると、言うこと聞いてあげたくなっちゃう。

はかなげになったような感じで、ますます赤ちゃん扱いしてしまいそう。
4月26日 通勤バッグで待ち伏せ
仕事に出かける時間になって、「あれ?」、ヴェルがいない。

「ヴェル、ヴェル?」
家中を探し回ったら、なんと通勤バッグの上に陣取っていた。昨日は休診日。テニスのあと、母のお見舞い。
そのまま買い物に行って、ヴェルは長々とお留守番だった。

今日は置いてきぼりにされまいと、通勤バッグの上で待ちかまえていたんだね。
「一緒に行きたいから待ってたの~?」と聞くと、ヴェルは目をそらして、オドオド。
お留守番がそうとうこたえたらしい・・・
5月6日 桜の花と菜の花
桜が満開の頃の野川。ヴェルの毛は、モコモコだった
今は、菜の花でいっぱい。
トリミングのあとの写真だよ。
5月17日 早く寝ようよ~
ふと気がつくと、ヴェルがおふとんから身をのり出していた。アゴを床にのせて、ジーッと私を見ている。
『つまらないな・・・』って顔をしてる。
いつまでたっても寝る気配のない私に、淋しい思いをしていたみたい。
このところずっと、スペイン語のページを書くのにはまっていた。
辞書を引き引き、パソコンに向かっていると、あっという間に時間がたってしまう。

ヴェルは待ちぼうけ。
「ヴェル、ごめんね~~」と言うと、『別に、いいよ~』と、にっこり笑った。
(みたいでしょ?)
5月25日 ただ今、ダイエット中
狂犬病とフィラリアの予防薬のために、動物病院に行った。体重を量ったら、なんと、4.26キロもあった。おととしより400グラムも増えていた。

お腹がタプンとしているのは中年だからと思っていたが、やっぱり太っていたのであった。(実家にいた頃の体重にもどった、とも言えるんだけど・・・)

心臓に雑音があるので、太るのはやばいんだって。

お薬は飲ませないことにした。
絶対的な効果があるわけじゃないし、飲ませた人の話によると、下痢をしやすくなるらしいし。

健康食と運動で、自然に年を重ねていかせてあげたい。
とにかく、ダイエットはしなくちゃね~。

最近、「食べさせすぎだな」とは思っていた。ヴェルはお好みホットケーキが大好きだ。
玉子と小麦粉を水で溶き、数種類の野菜のみじん切りに、トリひき肉をちょっぴり入れて、バターで焼く。一度に20枚ぐらい焼いておいて、冷凍しておくと便利なのである。

大きいお玉で、でかくて分厚いホットケーキを作っていたのだけど、お玉を小さくした。小さくて薄いケーキになった。

ヴェルは、ペロリと平らげ、『もっとくれ、もっとくれ』とせがむ。無視してると、『ワン!』と吠える。
食卓のテーブルの下から、私を見上げる物欲しげな目つき。

でも、あげないよ~。かわいそうだけど、ヴェルのためなんだよ~~

ヴェルは、しょぼ~ん・・・
6月4日 ダイエット成功、しかも・・・
かなり、ほっそりしたヴェル。

「ダイエット成功してうらやましい!」と、みんながみんな、同じセリフを言うんだよね。

しかも、夏に向けて、思いっきりトリミング。セーター1枚分ぐらいの毛を刈った。
あれあれ・・・、ヴェルって、こんなにやせてたっけ?
かわいそうなぐらいの細さだね。これで長生きできるといいね!
○ ○ 追記 ○ ○
追記・14 おしゃべりになったヴェル
前にも書いたけど、7歳まで暮らしていた家では、外にお散歩に出ることもなく、ずっと家の中で育った。
しかも、ヴェルはほとんどの時間をゲージの中で暮らしていた。飼い主が遊びたいときだけ出してもらい、食事もドッグフードを「ハウス」で食べる。夜は居間のハウスで1人で眠る。

生活のリズムはすべて飼い主が決める。ヴェルにはほとんど自己主張の機会がなかった。
要求しても、叶えられないことを悟ると、要求をしなくなる。
こういう育ち方をすると、施設で育った子どものように、「言葉を発しない」犬になるのである。

うちに来てからも、しばらくの間は、めったに吠えない犬だった。
一応、番犬役は心得ていて、宅急便やセールスマンなどの業者が来ると、ワンワン吠える。
たとえ新患でも、患者さんには決して吠えなかった。初対面でも、ドアを開ける前から、お客さんだとわかっていた。
ヴェルにはテレパシーがあるのかね?なんて、みんなで感心していた。

「あなた、犬でしょ。たまには『ワン』とか、言ってみたら?」などと、患者さんにからかわれるぐらい、無口な犬だった。

そのうち、特定の患者さんに、ワンワン吠えるようになった。
犬好きのおばさんたちに、である。
なんで?と不思議だったが、全員が保母さんや小学校の先生など、子ども好きの人であることに気がついた。

入ってくるなり、「ヴェルちゃん、こんにちは!」と、必ず話しかけてくれる。
ヴェルが『ワン!』と吠えると、「なあに?」と聞いてくれる。
ヴェルはまた、『ワン、ワン!』と返事をする。

ヴェルはおしゃべりをするようになったのである。

治療中はたいてい患者さんとお喋りをしている。待合室のイスの上で、ヴェルはときどき聞き耳をたてていた。
自分が関係する話題が出ると、待合室から、『ワォン!』とヴェルの声が聞こえてくる。自分も意見があるらしい。
「ヴェルがなんか言ってるね~。会話に参加しているんだよ」と、私。

「ヴェルもおしゃべりしてるんだ~」と声をかけると、待合室から、『ワォン!』と返事が聞こえてくる。一声、二声で気が済むらしく、そのまま黙って寝てしまう。

ヴェルの声をきいて、待合室をのぞくこともある。イスの上にお坐りして、お耳をピンと立てて、こっちを振り向いていた。
「ヴェルたん、なあに?何か言いたいの?」と聞くと、ヴェルは、『ワォン!』と答える。
ヴェルは声を出しただけで満足してたけど、犬語なので、何を言いたいのかはもちろん、さっぱりわからなかった。

2年ぐらいたつと、男性の患者さんを、吠えてお出迎えをするようになった。ヴェルをかわいがってくれる人にも、犬好きの人にも、である。
よくよく観察すると、吠えられるのは45歳以上の男だけで、20代、30代の若い男には吠えないのである。

ヴェルの年齢を人間に換算すると、45歳以上の壮年である。赤ちゃんのようでも、ヴェルも立派な大人の男なのだ。
「女・子ども」には吠えないが、同じ年齢ぐらいかそれ以上の男性には、「男同士」という対抗意識を持ったのだろうか?

尻尾をパタパタ振りながら、ワンワン吠えて、玄関まで走っていく。あるいは、イスの上でワンワン吠える。
番犬役のときの吠え声と同じ太い声なので、人間には区別がつかない。ちょっと、怖い。大丈夫かな・・・?と心配になる。

大人になってから言葉を覚えたので、使い方がよくわかっていなかったんだね。人間のほうも、どう教えていいかがわからない。

いつのまにか、「おじさんには、吠えてお出迎え」が、お約束のようになってしまった。誰もヴェルを怖がらなかった。
シッポを振りながらだったし、吠えながらもあきらかに歓迎していた。頭を撫でてもらうと、吠えるのをやめて、嬉しそうになつきまくる。

そういえば、夜中に団地の中で、男の太い声が聞こえてくると、ヴェルはワンワン吠えて威嚇していた。女の声だと静かなのに。
人間の男と女を区別していたんだね。

食べ物のおねだりは、うちに来てすぐからはじまった。
自分のお皿を食べ終わると、いそいそと人間の足元にやってくる。はじめは無言でパフォーマンスするだけだった。
後ろ足で立って、人間のひざに手をかける。キラキラとつぶらな瞳を輝かせ、期待でプルプル震えている。
あまりの可愛さに、とても抵抗できない。

でも、あまり食べさせすぎると、おでぶになっちゃう・・・

そう思って上げるのを控えると、『ワン!』と叫ぶようになった。
『ワン、ワン、ワン!』と、だんだん、ヴェルの声のトーンが上がる。

理性では、吠えられて上げるのはいけない、と思う。「吠えれば、自分の思い通りになる」と、犬が思い込んでしまったら困るものね。

でも、『ワン!』と言われると、反射的に上げてしまう。「くれくれコール」が日常になってしまった。
子どもや犬を、言いたい放題にしてしまうのが、私の習性らしい。

自己主張をするようになったとはいえ、ヴェルは人間に寄り添い、人間に合わせて生きる犬だった。
寝ているときに起こされたことはないし、仕事中はぬいぐるみのようにおとなしく、12時間でも寝て待っていた。

私は夜更かしが日課だった。はじめは私のそばに寝そべっているんだけど、いつの間にか、お布団に先回り。
ワンとも騒がず、私が行くまで、えんえんと寝て待っていたんだよ。
<ひたすら寝て待つ>
updated: 2015/5/22
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