9月24日 |
河川敷でお散歩 |
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河川敷の草取りがはじまって、やっと野川に下りることができた。久しぶりに、メルちゃんもやって来た。
そのへんをウロウロしていたヴェルだけど、あとを追いかけて、どんどん行ってしまう。 |
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「ヴェル~! そんなに行ったら、帰れなくなるよ~!」 |
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大声でヴェルを呼び、パチパチと手を叩いたら、なんと、くるりと振り向いて、Uターン。こっちに向かって歩いてきた。
ストレッチをやめて、ヴェルを追いかけはじめたところだった。
素直に言うことを聞いてくれるなんて、なんだか、妙な気分??? |
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枯れた草の茎が土の上をおおっているので、歩きにくそうだね。
ヴェルは慎重に足を運ぶ。 |
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10月1日 |
日向ぼっこの季節がきた |
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日向ぼっこをしているヴェルを発見。ついこの間まで、太陽は敵(?)だった。エアコンなしでいられなかったのに・・・
犬は正直。野性の本能だね。 |
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お散歩のあとだから、疲れているみたい。 |
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シャッターの音に気づいて、顔をあげたヴェル。『眠いよ~』って、言いたそうだね~。 |
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10月9日 |
お風呂もキライ、ハサミもキライ |
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お風呂の前には、ハサミを使う。肉球の間から伸びている毛を切らないと、床の上でツルツル滑る。
ウンチがつかないように、肛門のまわりの毛もきれいにカット。尻尾を上げて歩くと、肛門が丸見えなので、(人間としては)ちょっと恥ずかしいけどね。
その辺をうろうろしていたのに、床の上に新聞紙を広げたとたん、あわてて逃げ出し、テーブルの下に隠れてしまった。
「ヴェル~」と呼んでも出てこない。
テーブルをどかしたら、隣のテーブルの下に、ササッと移動。まるでゴキブリのようである。
手をつっこんだら、ガルルと唸った。これでメゲては、犬にバカにされてしまう。仕方なしに、無理やり引っぱり出した。
全行程、抱っこしたままでカット。噛まれるのはいやだもの。
シャワーのときも、怯えるヴェル。水が嫌いなんだよね。
ドライヤーを当てながら、タオルでゴシゴシ、全身をこすって乾かすのだけど、そのときだけは本当に気持ちよさそうだよ。 |
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翌日のヴェル。真っ白で、ふわふわでしょ。マルセル石けんで洗っているから、きれいだね。それに、とってもいい匂いだよ~。 |
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10月16日 |
あら、へたっちゃった・・・ |
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河川敷で散歩のあと、私は先に階段を上がって、ヴェルを待っていた。
途中でよろめき、階段を踏み外したヴェル。トシのせいで、たしかに足腰が弱っている。心臓が悪いので、鍛えることもできない。
ときどき、そういう日があるんだ。湿度が高いと、調子が悪いみたい。
自力で登るのをあきらめたヴェル。階段の途中で立ち止まって、じっと私のほうを見ている。 |
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飼い主を信じて、待っているところがかわいい。 |
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今日は抱っこで登ろうね~ |
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10月24日 |
指を噛まれた |
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チワワのなかでも、特別にでっかいヴェルの目。流れた涙が目の下にたまり、放っておくと、毛とくっついて塊になってしまう。
ヴェルの目の下をさわってみたら、両目の下にかなり大きな塊がこびりついていた。ヤバイ、取らなくちゃ。
指で取ろうとしたら、ガルルと唸った。痛いらしい。噛まれたらイヤだから、立ち上がって抱っこで取ろうと思いついた。
それが逆効果。怯えたヴェルに、人差し指の爪と肉の間を、ガブリとやられた。「痛~い!」 血が湧き出てくる。
下におりたヴェルは、いそいで、キーボードのテーブルの下にもぐりこんだ。 |
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お風呂の前に逃げた場所もここ。
「ヴェルは噛んだ~~」と、指を近づける。低い声で、プレッシャーをかける。ヴェルは、ガルルと唸る。 |
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「今日は、ヴェルは、1人でねんこだよ」と、ヴェルに言い渡す。噛んだら、その日は、「1人でねんこ」が、いつもの罰である。
居間を閉め切り、私は寝室へ。あとで、こっそりすき間を開けておいたけど、ヴェルは気がつかなかったみたい。
明け方、クウ~ン、クウ~ンと、ふすまの向こうでヴェルの声がする。入れてあげなくちゃと思いつつ、眠くて起きれなかった。
しばらくして、すきまに気づいたヴェルは、いそいそとお布団にもぐりこんできた。
しょうがないね。怖かったんだもんね。犬は口が利けないから。。。
そう思って、許してしまう飼い主である。 |
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10月31日 |
あたりを見回す |
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治療室はひんやりしてる。もう暖房が必要な季節になったね。なかなか、バッグから出ないヴェル。
寒いのかな? |
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しばらくキョロキョロ、あたりを見回していたけど、ゆっくり、ゆっくり、出てきたよ。
まず、左足からね~。 |
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11月9日 |
ダウンジャケットにくるまる |
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「お仕事行くよ~」と、ヴェルをバッグに入れようとしたら、ガルル・・・と唸られた。
日向ぼっこをしていたから、冷たいバッグに入るのがイヤなんだね。 |
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バッグの中にダウンジャケットを入れた。これならバイクも寒くない。 |
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ダウンにくるまっているヴェル。中は、ほっかほかだあ。なかなか出てこないよ~。 |
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11月16日 |
服がいる季節 |
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私の都合で、朝早くお散歩にでた。河川敷にはまだ日がさしていない。 |
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もう服が必要な季節になったね。
ヴェルは大柄なので、チワワサイズの服は小さすぎる。ボタンをはずしたまま着せているんだよ。 |
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『寒いから、もう帰ろうよ~』と、言いたげなヴェル。階段のところで、待っているよ。 |
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11月22日 |
あきらめて寝る |
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テニスの練習中、ぎっくり腰になり、早々と家に帰った私。お風呂が湧くまでの間、お灸を詰めながら、デビスカップを観戦。 |
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ヴェルは、いつもと違うパターンに戸惑っている。ジ~~~と私を見つめてる。
「ごめんね~。これからお灸をするんだよ~」「腰が痛いから、どこにも行かれないよ~」などなど、ヴェルに話しかける。 |
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一生懸命、私の話を聞いていたヴェル。
『なあ~んだ。どこにも行かないのか・・・』と気づき、そのまま、目がとろ~り。寝に入ってしまった。 |
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11月30日 |
ストーブへ直行 |
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お風呂の前の恒例行事。
「ヴェル、噛んだら『一人でねんこ』だからね!」と、低い声で威圧しながら、抱っこで肉球の間の毛を切った。
肛門のまわりは、ヴェルを新聞紙の上に立たせて、尻尾をつかんで、グイッと持ち上げて切る。
イヤがって逃げ出そうとするし、ガルルと唸るしで、ほんとうに大変な作業だ。今回は脅しがきいたのか、噛まれずにすんだ。
洗ったあとは、膝の上に抱っこして、ドライヤーをかけながら、タオルでふく。
「さあ、終わりだよ~」とヴェルを解放したら、一目散にストーブのところへ走って行った。まだ、半濡れだもんね。 |
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いくらなんでも、ストーブに近づきすぎじゃないの?燃えちゃうよ~ |
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○ ○ 追記 ○ ○  |
追記・28 |
チワワの特徴:飼いやすい |
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チワワは、他の犬とは違う個性を持つ、不思議な犬である。ヴェルと仲良しだったチワワのリクちゃんとの共通項から、自分なりに整理してみた。
① |
狩猟本能がない |
ビーグルのモモちゃんは、車庫に鳩が入りこんだとき、捕まえようと躍起になったそうだ。逃げる鳩を追いかけて、棚の上やダンボールの上に駆け上がり、車庫の中がメチャメチャになってしまったんだって。
犬がカラスを追いかけたとか、野良猫にケンカを売ったとか、カエルを食べようとしたとか、困った話をいろいろ聞いた。
野川でウシガエルが大発生したときには、「犬がウシガエルを捕まえようとして、お散歩どころじゃなかった」という話も聞いた。
ヴェルは、鳥にも動物にも虫にも無関心。ウシガエルがいても、まるで石ころをよけるように、普通にまたいで歩いていた。
カラスがいても野良猫がいても、ヴェルにとっては、「モノ」と同じ。目をやろうとすらしなかった。リクちゃんもそうだった。
だから、野川の河川敷でリードをはずしても、安心して放っておけた。
チワワには狩猟本能がないのである。 |
② |
人間からもらうものしか食べない |
カイ君は、お散歩中にカエルの死骸を食べてしまったそうだ。お腹を壊して、ゲーゲー吐いて、大変だったそうだ。
シシマルは、テーブルの上に飛び乗って、人間のご飯、焼肉丼の肉だけをペロリと食べてしまったそうだ。
でもヴェルは、「欲しいよ、ワン!」と催促はするけれど、食べ物を上げるまで、ちゃんと待っていた。
高さ30センチのテーブルの上に、お料理がたくさん並べられてある。ヴェルが届く高さでも、勝手に食べたことは1度もない。
自分のお皿に入れてもらうか、手から直接もらうか、人間があげたものしか食べなかったのである。リクちゃんもそうだって。
チワワには、自分で餌をゲットしようとする本能がない。
もしも迷子になったら、誰かに拾われないかぎり、数日で飢え死にしてしまうそうだ。
狩猟本能がないので、野良チワワにはなれないのである。 |
③ |
いたずらをしない |
犬のいたずらに困らされたという話もたくさんある。
食べ物をあさるだけじゃない。ハンドクリームまで食べちゃったり。イスやテーブルの足をかじる。コンセントやコードをかじる。カーテンに飛びついて遊ぶので、ズタボロになってしまった、とか。
これではおちおち寝てもいられない、留守番もさせられない。
はじめのうちは、お留守番のときはハウスに入れておかないと心配だったけど、まったくいたずらをしないと気づき、家の中で放し飼いにした。たいていは、私の洋服の上で丸くなっていた。
チワワはいたずらをしなのである。これも狩猟本能がないからかもね。 |
④ |
草についた朝露を舐める→結果、他の犬のおしっこを舐める |
野川に出ると、まず、草むらに行って、えんえんと草の葉っぱを舐めつづける。お散歩の途中でも、草むらにはまって、動こうとしない。草についている犬のおしっこに興味があるようだ。
これにはかなり心配した。病気になったらどうしよう・・・
草を舐めるクセをなくそうと、怒ってみたり、グイグイ引っぱってみたり。
患者さんが、テレビで見た「悪いクセを直す」方法を教えてくれた。
ポンプボトルに酢を混ぜた水を入れ、いけないことをした瞬間に、犬の鼻先にシュッシュッとかける。犬は匂いに敏感だから、すごく嫌がって、そのうちやらなくなるのだそうだ。
試してみた。はじめは効果があった。シュッシュッとすると、慌ててまた歩き出した。でも、1週間で、効き目がなくなった。シュッシュッとされても、顔をゆがめて我慢して、草を舐めつづけた。
もう、お手上げだった。
仕事が終るのが夜中なので、私の「朝イチ」は「お昼ごろ」、朝のお散歩は日が高く昇っている時間というパターンだった。
ある日、夜が明けてすぐ、野川にお散歩に出かけたときのことである。河川敷の草に、びっしりと朝露がついているのに気がついた。
ヴェルは大喜びで、一心不乱に朝露を舐めていた。
メキシコの大地は乾燥している。水の豊富な日本と違って、小川や水溜りにはめったに出会えない。動物たちは朝露を舐めて水分を摂っていたのだろう。
「悪いクセ」ではなく、「チワワの本能」だったのだ。
いずれにしろ、おしっこは無菌である。傷口におしっこをかけて洗っていた時代もある。
仕方ない。心配ではあったけど、自由に気の済むまで、草を舐めさせることにした。
真夏は脱水症状が心配だからと、みなさん、お散歩のときに水を持ち歩いていたけど、ヴェルはほとんど飲まなかった。
これも、水の少ない、乾燥したメキシコの風土に順応した結果だろう。ちょこちょこ飲まずに、飲めるときにたっぷり飲んでおくのだ。体内の水タンクにたっぷり貯蔵できる体質なのだと思う。 |
⑤ |
怖いもの知らず |
チワワは自分の小ささを意識していない。巨大な敵にも平然と向かっていく、勇気ある犬なのである。
夜中に団地の中で、男の話し声が響いてくると、「ワン、ワン!」吠えて威嚇する。私が「キャー!」と叫び声を上げると、立ち上がって「ワン!」と吠えて、家中を走り回って外敵を探す。
雷が鳴ると、ワンワン吠える。鳴っている間中、吠えつづける。はじめは、怖がっているのかな?と思った。
ゴールデン・レトリバーを飼っている患者さんと雷の話をしたら、「それ、怖がっているんじゃないですよ。うちの犬なんか、尻尾を丸めてまたの間にはさみ、家具の下に隠れてブルブル震えるんですよ」と言われた。
ヴェルは、大きな音に反応しただけ。雷を外敵と思って、家族を守るために、戦いを挑んでいたのだ。
これも患者さんがテレビで見たエピソードである。野原の真ん中に、ライオンの糞を置いておくと、他の犬は、風に乗って流れてくる匂いだけで、危険な大型動物とわかる。ブルブル震えて遠巻きにして、決して近づかないそうだ。
でも、チワワだけは平気で、ライオンの糞の上におしっこをかけたりしちゃうのだそうだ。だから、ライオンに食べられちゃったりしちゃうんだって。
怖いもの知らず=勇気がある=無謀である。
野生動物は用心深い。臆病は身を守る術なのである。怖いもの知らずのチワワは、野生では生き延びれないだろうと思う。 |
⑥ |
人間をとても愛している |
犬というのは不思議な動物である。同族の犬よりも人間を愛し、家族と思って忠誠を尽くす。
種の保存のために交尾はするけど、生涯のほとんどの時間、犬の目は飼い主とその家族に注がれている。
なかでもチワワは、甘えん坊で人間が大好き。自分も人間と思っている、という説もある。
家族以外の人間にもなつく。(中には、ワンマンドッグと言って、1人の飼い主しか愛さないチワワもいるらしいが・・・)
ヴェルはほんとうに誰にでもなついていた。育ての親から預けられても、あっという間にうちの家族に溶け込んだ。
ある患者さんが、「よその犬に、こんなになつかれたのははじめて。普通はぜいぜい頭を撫でさせてくれるぐらいなのに」と言っていたんだけど、彼女が現れると、興奮しまくった。
尻尾をタケコプターのようにブンブン振り回し、膝の上にのぼり、若い頃は、彼女の足や手にしがみついて、腰を振っていた。
独身の女性を見抜くのも、ヴェルの得意技だった。
若い子はもちろん大好きなのだが、40代以上70歳でも、独身女性には若い女の子に対するのと同じ反応をした。
人間以外の動物で、関心を持ったのは、同族の犬だけ。でも、ほんとうに仲良くできるのは、チワワ同士だけという噂もある。 |
⑦ |
連れ歩くのも楽、長い時間のお留守番もOK |
チワワは甘えん坊で、ちっちゃくて赤ちゃんみたいだから、つい、どこに行くにも連れ歩きたくなってしまう。
懐に入れてもいいし、バッグにもスッポリ入る。バッグの蓋をしめれば、電車の中でもスーパーでも、どこにでも連れて入れる。犬連れとは誰にも気づかれない。
でも、チワワの性格は、見た目のか弱さとは正反対である。気が強くて、勇気があって怖いもの知らず。
だから、長い時間ひとりぼっちでお留守番をしても、ノイローゼにならない。外出がちの家庭には、もってこいの犬である。
誰かが帰ると大喜び。なつかれて甘えられて、飼い主冥利に尽きる。
いまだに携帯の待ち受け画面はヴェルの写真。開くたびにランダムにいろんなヴェルが現れて、「かわいかったなあ」と幸せを味わっている。
もしもまた犬を飼うとしたら、絶対にチワワだけど・・・
患者さんたちには、「ヴェルみたいにいい子はいない」とか、「あんなに頭のいい犬には2度とめぐり合えない」とか、みなさんに言われている。
新しい犬を飼うことは、まだまだとても考えられない。 |
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小さくて度胸があるので、うちではときどきヴェルのことを「ミニ・ライオン」と呼んでいた。
外敵に堂々と立ち向かうのも、飼い主に思いっきり反抗するのも、その性質からきていたんだろうね。 |
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updated: 2016/12/28 |
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