doseiみづ鍼灸室 by 未津良子(ヴェルの思い出) 
PC
ホーム
スマホ
ホーム
症例集
目次
新着
ブログ
カレンダー
金・銀
ナビ
症例
マップ
FAQ
質問
ティラの部屋
予約
トピック
ふろくの話
母の
カルテ
ヴェルの部屋
料金
ツボの取り方
雑談集
本&参考文献
お料理レシピ
当院の方針
プロフィール
鍼治療とは?
サイトマップ
アクセス
リョコちゃん
ストレッチ
リョコちゃん
ウォーク
Español
English
- 出会いから編  -
ヴェルの思い出
2013 ・ 6
12月6日 朝の日差しをさがして
テニスの朝練の日は、7時半ごろにお散歩をする。
朝早いので、ご飯をおねだりに来なかったヴェル。のぞきに行くと、かよわい朝の日差しをさがして、日向ぼっこをしていた。

そういう日は、非常食のドッグフード(心臓サポートⅡ)をお皿に入れて出かける。食べなくても腐る心配がないからね。
たまにだと、ドッグフードに大喜び。2回つづくと見向きもしないから、あげるタイミングを見計らう必要があるけど。

人間もたまには、カップラーメンとか、ジャンク・フードを食べたくなるときがあるものね。それと同じかな?
「テニスに行ってくるからね~」と、一応、声をかけてから。

起こすのはかわいそうだけど・・・、知っといた方がいいものね。
12月8日 シッシだけだよ~
患者さんがいなくなると、「外に出せ」と、騒ぐヴェル。「シッシだけね~」と言い聞かせて、ヴェルを外に出す。
まず、行く場所はここ。アパートの入り口の左側。

でも、最近は、なかなかおしっこをしない。終わったら、すぐに部屋に入れられちゃうからね。
おしっこをしないまま、次に右側に移動。ここでも、クンクン・・・、長々と匂いをかいでる。

なかなかしないなあ。

おしっこしてないフリをすることもある。足を上げずに、歩きながらしちゃったりして。

学習しているね~。
12月13日 あくまでもマイペース
野川でヴェルは草を舐めるのに夢中。

通りかかったワンちゃんは、まだ1歳。一生懸命に、ヴェルのまわりを飛びまわり、クンクン匂いをかぐ。
犬なつっこい子なんだって。
あくまでもヴェルはマイペース。ひたすら草を舐めつづける。
相手が子どもだって分るらしいね。何をされても、おおらかに構えている。
ときどき、尻尾をパタパタ振って、歓迎の意を表していたよ。
12月15日 今日から14歳
今日はヴェルのお誕生日。14歳になったんだよ。
この写真は、通勤バッグに入れられ、私の肩からぶら下げられているところ。まったりと、幸せそうでしょ。(黄色いのは私のおなか)

耳は遠くなったし、足腰は弱ったけれど、去年より元気な気がする。1年間、健康に細心の注意を払ってきたからね。

雨で、ちょっとでも湿度が高いかなと思う日は、除湿機をかけた。
夏場は、「大丈夫かな?」と思う日でも、ばっちりエアコンをかけた。
電気代よりも、病院代のほうが高いのだもの。

お散歩はすべてヴェル任せ。ヴェルが歩くと私も歩き、ヴェルが止まると私も止まる。買い物につきあわせるのはヤメにした。
心臓病もちの老人としては、かなりの健康体と言える。

元気で、長生きしてね~
12月18日 雪の予報の朝
今夜は雪がふるという予報。朝から極寒。古傷が痛み出す気温である。それでも、ヴェルは、お散歩に出かけたがる。
寒そうに背中を丸めている。ブルブル、小刻みに震えている。
「寒いから、もう帰ろうか?」ヴェルに声をかけた。『寒くても平気だよ』、そう言いたげな表情で私を見る。

あちらこちらを、クンクン、ペロペロ。いつも通り、たっぷりお散歩したんだよ。
12月22日 外に出たいよ~
テニスができないと、あっという間に夜型人間になってしまう。えんえんと、朝寝坊をしている私。
ヴェルは、待ちきれずに、あちらこちらをウロウロ。落ち着かなげに歩き回っている。日向を探しているのかな?
カーテンをめくろうとして、あきらめた。
『まあだ?』と、何度も言いに来る。

私が具合の悪いときは、お散歩のおねだりはしなかったんだよ。

ヴェルは空気が読めるね~。
12月24日 セミの抜け殻を見つけた
河川敷でストレッチ中、桜の落ち葉に、セミの抜け殻がくっついているのを見つけた。真夏に脱ぎ捨てられた抜け殻が、よくもここまで形を保っていたものだ。

感心した。風雨にさらされ、川の増水にもめげず、葉っぱにしがみついていたのだもの。
「運」「粘り」「辛抱強さ」の象徴として、お守りにしようかと思ったけど、飾っておくには気味が悪いので、そのまま置いといた。

次の日には、踏まれて、形が少し変形していた。
(踏んだのは、私かな?)
ヴェルはいつも通り、どこ吹く風である。
12月27日 寒さなんかに負けないぞ
ヴェルは洋服が嫌い。
お散歩を期待して、カチャカチャと走ってくる。
洋服を見ると、あわててUターン。
胴輪を見せると、いそいでやって来て、服を見せるとUターン。

毎朝の恒例行事である。

でも、今日は素直に服を着た。『エイッ』と、勇気をふりしぼって、自分から服に頭を突っこんだ。
まるで、清水の舞台から飛び降りるような、思い切りのよさだった。
ついに、洋服に慣れたのか?それとも、着ないとお散歩に出られないことに、やっと気づいたのか?
ヴェルはプルプル、小刻みに震えている。動画じゃないとわからないね~。
寒くたって、震えてたって、それでも外が大好き。
いろんな匂いを嗅いで、想像世界を広げているんだろうね。
12月29日 「いらっしゃいませ」とご挨拶
ヴェルの居場所は、待合室のイスの上。犬用のホットマットが敷いてある。患者さんが来ても、最近は耳が遠いので、なかなか気づかないこともある。
やっと気がついて、喜んでいるよ!

45歳以上の男性には、ワンワン、吠えてのお出迎えのこともある。
女・子どもには吠えないんだけどね~
12月30日 帰りは、寝たフリ
患者さんが来たときは、愛想のいいヴェル。でも、帰るときには知らん顔。ぐっすりと眠りこけている。
「バイバイ、ヴェルちゃん」 「来年ね~」と言われ、薄目を開けた。
○ ○ 追記 ○ ○
追記・29 命の危機事件&病歴
とうとう14歳のお誕生日を迎えられた。ヴェルが7歳でうちに来てから、ちょうど7年。元気一杯だったのに、あっという間に老犬になってしまった。
楽しい時間の背中には羽が生えていて、ビュンビュン飛び去っていくのである。

愛するものがいると、一番恐ろしいのが「喪失」である。
いつも腕の中で眠るヴェルが、夏になるとおふとんの外で眠る。夜中にふいに目覚めて、ヴェルの呼吸音が聞こえないと、『もしかして・・・?』と、一気に不安になる。

『冷静に』と自分に言い聞かせて、ヴェルの呼吸を確認しようと思うのだけど、パニクっているので、つい「ヴェル~!」と大声を出してしまう。眠そうな顔で目を開けて、ヴェルは不思議そうに私を見る。
そんな夜が何度もあった。

でも本当にやばいときがあった。あとから思い出しては、あらためてぞっとするような、本物の「生命の危機」事件。それらを乗り越えてきたんだよ。

時速70キロのバイクから吹き飛ばされたこと
9歳のときである。(→2009/6:追記8
八王子のバイク屋さんに行く途中、風避けにと、うしろのカゴにダンボールを入れたのが運のつき。景色を見ようと立ち上がったヴェルが、風にあおられて飛ばされた。

ヴェルが見えるように左のミラーを曲げていたのだけど、白い鳥が飛んでいくのが映った。「鳥?違う、ヴェルだ!」と気づき、あわててバイクを止めた。ヴェルはなんとか四足で着地。よたよたと歩道のほうへ歩いて行くのが見えた。えらかったね~!

単独トップ走行で、うしろの車とはかなりの車間距離があったので、轢かれずにすんだ。4台連なった車が、ヴェルに気づいて、大きく迂回してのろのろ運転をしてくれた。

毎日のお散歩でかなりの筋力がつていたおかげで、怪我なく着地できた。落ちて無事だったこともラッキーだったけど、落ちたことに気づけてよかった。調布から八王子は20キロ以上ある。気づいて戻ってから探し出すことは不可能に近いのだから。
箱入り息子で育ったヴェルには、「帰巣本能」がないんだもの。

それ以来、ヴェルをカゴに入れるのはやめて、バッグに入れて肩からぶら下げて走るようにした。私と一体のほうが安全だものね~

真冬の夜中に行方不明になったこと
10歳になったばかりの頃(→2010/1/19追記10)、夜中にゴミを出すついでに、ヴェルにおしっこをさせようと連れ出した。
ほんの一瞬、目を放したすきに、ヴェルはいなくなってしまった。真冬の夜中の12時である。大声で呼ぶこともできない。

一瞬で、世界が崩壊。走りに走って探し回った。
チワワは寒さに弱い。数時間も外にいたら凍死してしまう。見つけるまでは決して諦めない、力尽きるまで探しつづけようと決意をした。

1時間以上も走り回り、草の葉っぱの裏まで覗き込んだけど、ヴェルはどこにもいない。
真夜中でも、たまに歩いている人がいる。「チワワ、見ませんでしたか?」と声をかけると、「いや~、見ませんでしたね」と、判で押したような答えが返ってくる。

もしかしたら、道路に迷い出て、車に轢かれてしまったかもしれない。死体でもいいから連れ帰ろうと、バイクに乗って探すことにした。

団地を基点に走っては戻るをくり返していたら、団地の入り口に男の人が立っているのが見えた。大事そうに何かを抱えている。近づいてみると、「これですか?」と、抱っこしているヴェルを見せてくれた。

なんと、最後に声をかけた人が、隣の階段の3階の住人だった。家の前で震えていたヴェルを見つけたのだそうだ。外に立って待っていてくれたのである。優しい人に見つけてもらえ、ほんとうに運が良かった。

同じ造りの階段だらけの団地だから、人間の子どもなら、あらゆる階段をのぼってみただろう。
まさか、犬が階段を間違えるなんて夢にも思わなかった。毎日出口におしっこをかけてマーキングしていたし、匂いで家が分かるはずと思い込んでいた。
7歳までほとんど外に出たことがなかったので、正しい道を匂いで探すという本能が育っていなかったんだと思う。

すでに夜中の2時。2時間の失踪からヴェルは無事に帰還。幸せが戻ってきて、世界はまたバラ色になった。

胃潰瘍になって血を吐いた
10歳の夏の夜中(→2010/7追記11))のことである。晩ごはんを前にして、悲しそうな顔をしている。数ヶ月前から食欲がなくなっていて、いつものこととあまり気にしなかった。
とりあえずお腹(中肝)にお灸をし、背中(身柱)にハリを1本打った。

5分ぐらいしたら、ゴボゴボッと音がして、ヴェルが紫色っぽい液体を大量に吐いた。血の匂いがした。
ハリを刺しっぱなしにしていたおかげか、吐いたあとは落ち着いて、ヴェルはすやすや眠った。
人間のほうは眠るどころじゃない。犬の代わりに前頭葉を使わなくちゃならない。

何十年つづいた私の胃の不調は、ウーロン茶が原因だったんだけど、ヴェルの場合は缶コーヒーだった。食事は大切だね。

缶コーヒーのせいで胃を壊し、食欲がなくなり、ついに胃潰瘍になってしまったヴェル。吐血するまでそのことに気づかなかった。
自然食にこだわりつづけ、ヴェルにもほとんど手作りの食事を与えてきたというのに、とんだ大ばか者である。

穀物や野菜などの繊維質の多い食事にもどし、数週間したらヴェルはすっかり元気になった。
薬も飲ませずに、ハリと食事療法だけで治したんだよ。

荒野で暮らすオオカミは、いつ獲物にありつけるかわからないので、食いだめをする習性がある。
そのDNAを受け継いでいる犬も、でかい胃袋を持っている。目の前に食べ物があると、食べられるだけ食べてしまう。
本能がそうさせるから犬は、胃炎とはお友だちなのだ。

ハリは胃の調子を整えるのにも役に立つ。
お皿を前に悲しそうにしていても、背中にハリを1本打つと、5分ぐらいでガツガツと食べはじめることもあるんだよ~。

僧房弁閉鎖不全で肺水腫に
11歳の夏(→2011/8追記15)、夜中にヴェルの呼吸がハ、ハ、ハ、と、短く、速くなっていることに気がついた。翌朝も同じ。
いつものようにお散歩も行ったけど、呼吸はやっぱり短く速い。

前日、トリマーの仕事をしたことのある患者さんが来た。10歳のときに、心雑音があると指摘された話をしたら、「心雑音?ああ、僧房弁閉鎖不全ですね」と教えてくれた。
そのときは普通に元気で、家に帰ってあと呼吸が速くなったのだ。

耳に残った病名を、犬の医学の本で調べてみた。僧房弁閉鎖不全があると、肺水腫になるのだそうだ。肺に水がたまって呼吸困難になる病気である。

動物病院に連れて行って、レントゲンを撮ったら、肺のほとんどが白い霧におおわれていて、呼吸をするスペースが縮小していた。それでがんばって呼吸をしていたんだね。
抗生物質とステロイドの注射を打たれた。

それまでけっこう元気に歩き回っていたんだけど、診察の恐怖で興奮し、ますます呼吸が荒くなった。興奮して動機が速くなると、肺に水がたまるらしい。
ベロを見たらチアノーゼになっていた。血液中の酸素濃度が低下して、やばい状態になった。

酸素ボックスに入れられたヴェルは、しょんぼりとおとなしい。ボックスにお坐りして、私のほうをじーっと見ている。
獣医師さんが、入院させるより家のほうが落ち着けると判断してくれて、ヴェルを家に連れて帰った。

いつものように、とりあえず背中にハリを1本打って、様子を見た。注射は即効性があるみたい。2時間ぐらいしたら呼吸が落ち着き、ヴェルはスースー、安らかに眠っていた。

お薬を飲ませたくない私だけど、それ以来毎日、エナカルドとラシックスを飲ませつづけた。
湿度が大敵なので、エアコンと除湿機で湿度の管理をした。
呼吸が苦しそうなときは、背中にハリを打った。ハリも効くんだよ。肺の中の水を排泄してくれる。
ヴェルもハリの効果を知っていた。夜中に呼吸が苦しくなると、私の腕の上に、ドシンドシンとお尻を乗っけて、寝ている私を起こした。

湿度の高い夏場は調子が悪くなくなるけど、秋冬にはまた元気を取り戻す。最後は心臓のせいじゃなく、老衰で亡くなった。病気をかかえながら、3年間もがんばってくれたんだよ。

耳の下の腫れ
13歳の夏(→2013/7)、暑いときにはおふとんから離れて眠るヴェルが、私の腕の中にもぐりこんできた。寒そうに震えていたので、抱っこして全身をあんましてあげた。
『なんだか、耳の下がポッコリしているなあ・・・』という気がしたけど、朝見たらあきらかに腫れている。

犬の医学の本を読んだら、「耳の下のリンパ節の腫れは悪性リンパ腫の可能性がある」と書かれてあった。
がん治療はやりたくないから、このまま静かに死なせてやろう・・・などと考えて、治療室に連れて行った。

患者さんたちに言われて、とりあえず、病院に連れて行った。抗生物質の注射を打たれたあと、みるみる腫れが引きはじめた。

数週間前からずっと元気がなくなっていたヴェル。
単なる感染症だったんだね。抗生物質の注射はヴェルの生涯で2回だけだけど、獣医さんはプロだね~。
耳の下は2度と腫がることはなく、ヴェルはすっかり元気になった。
病院が大嫌いだったヴェル。
誰かがドアを開けたらすぐに逃げ出そうと、出口で待ち構えている。
updated: 2017/2/3
次のページへ
ヴェル TOP
ティラ の部屋