doseiみづ鍼灸室 by 未津良子(ヴェルの思い出) 
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- 出会いから編  -
ヴェルの思い出
2014 ・ 2
3月23日 病院で爪を切ってもらった
木曜日の夜、ヴェルの爪を切ってもらいに動物病院に行った。
ずっとママ(前の飼い主)に切ってもらっていたのだが、ヴェルは嫌がってモソモソするので、「もう自信がない」って。

病院だと怖がって、超ガタガタ震えるので、心臓に負担がかかるのが心配だったのだけど、「プロは早いよ。パチパチやって、あっという間だよ」と言うので、やっと決心がついた。

コイン・パーキングに車をとめ、そこからヴェルを歩かせた。雨でお散歩ができなかったから、ちょうどいいかなと思って。

ヴェルは病院に行くと気づいたらしく、全然、前に進まない。ノロノロ、ノロノロ、まるで牛歩作戦である。
病院の玄関で待機するヴェル。ドアが開いたら逃げ出す構えである。

かわいいお姉さんに抱っこされ、もう1人が、パチン、パチンと爪を切る。ブルブル震えるヴェルの舌は、見る間に紫色になった。

ほんとにプロは早いね。たしかに、あっという間に、終わった。帰りはるんるんで、急ぎ足で車に戻った。ベロの色も、すぐにピンクに戻ったよ。
3月29日 お友達のメルちゃんと
河川敷でメルちゃんと会った。

メルちゃんは、パパとお散歩のときは、わき目もふらず、さっさか行ってしまうのだけど、ママと一緒のときは別犬のようにのんびり。
とっても穏やかで、フレンドリーで、気立てのいい女の子である。
ちょっとビビリなヴェルだけど、パタパタと尻尾を振って、うれしそうにご挨拶。何をおしゃべりしているのかな?

また会えるといいね~。
4月6日 久しぶりの「連れてけ」アピール
寒い冬の間は、通勤バッグの中に入りたがらなかった。
暖かい部屋で、日向ぼっこをしているヴェル。抱き上げて、バッグに入れようとすると、ガルルと唸って、抵抗してた。ヴェルの体温で、ダウンが温まるまでは、バッグの中は冷たいからね。

ある日、突然の変化が。
私が出かける用意をしていたら、ヴェルがバッグの上で待っていた。
『連れてってね~』
しゃべれないヴェルは、行動でアピールする。

でも、残念だね~。その日は、テニスに行く日だったから、ヴェルはお留守番だったんだよ。
4月13日 久しぶりに、階段を下る
ヴェルは洋服が苦手。着ると、思うように動けなくなってしまう。冬の間は、ずっと抱っこで階段をおりていた。素肌で外出できるようになったので、もしかしたら、下れるかもしれない?

数ヶ月ぶりに、階段の上にヴェルを立たせてみた。
急勾配の段差の前で、ちょっとひるんだヴェル。でも、かるくお尻を足で押してみたら・・・
あれあれ、どんどん下りていくよ。
後ろ足はおぼつかないけど、前足は力強い。小さいから、半ば、ジャンプ・イン。相当な勇気が必要だ。
後ろ足がときどきよろけるんだけど、それでもヴェルは突き進む。

3階から2階へと、どんどん、どんどん、下っていく。

やったね!

さあ、あとちょっとでお外だよ~。
犬って、老犬になると、足腰(股関節?)がだめになるんだってね。
階段の上りは、後ろ足で踏んばらなければならないので、もうできなくなっちゃった。

でも、下りは、前足と胸の筋肉で、グイッと体重を支えられればなんとかなる。腕立て伏せの要領だ。

自力でお散歩に出かけられ、ヴェルは意気揚々である。鍛えておいてよかったね~。
4月22日 下るヴェルを、下から見る
下から撮影してみた。ほら、けっこうな段差でしょ。
3階から1階まで、チワワにとってはかなりの長距離?身体があちこちガタついても、まだまだガッツがあるね~。
人間は、気力が衰えて、守りに入ってしまうお年よりも多い。でも、犬はバッタリ倒れるまであきらめない。

見習いたいものである。
4月30日 押入れハウス
このところヴェルは、夜中になると、ワンワン、ワンワン、大声で吠えてた。
夜中にずっと吠えつづけるので、近所迷惑である。興奮しすぎて次の日はぐったりと疲れてたりするので、肺水腫も心配だ。
「うるさい!」と怒っても、「静かに!」と言っても、全然、だめだった。

その時間帯は、うっかり撫でると、噛まれる。
このところ、「噛んだらぶつ」ことにしていたので、それが裏目にでた。
過去の記憶とあわさって、小さな頭の中に、なにかが間違ってインプットされてしまったのだろうか?

年のせいで脳がやられたのだろか?
人間の年寄りには、昼間は正常だが、夜になると妄想がでてくる、「夜間せん妄」という病気があるらしい。

この3年半、2人で静かに暮らしていた。そこにポプラが加わって、混乱したのだろうか?
それとも、ポプラがいるので、強気になった?

犬には、言葉で説明ができないので、説得がむずかしい。どうやったら、ヴェルにわからせることができるだろう?

あれこれ考えて、吠えたら、ダンボールに入れることを思いついた。
人間が大好きで、いつもべったりくっついていたい甘えん坊のヴェルにとって、一番つらいこととは、ハウスに入れられることだ。

夜中、ポプラがおふとんをしいたら、とたんにヴェルがワンワン吠えはじめた。でも、適当な大きさのダンボールがない。
半間の押入れの上の段が空なのを見て、そこにヴェルを入れた。

押入れの中で、ワンワン吠えながら、歩き回っている音が聞こえてくる。

「吠えるのやめてから出さないと、まずいぜ」とポプラ。静かになったところで、ヴェルを出したら、また吠えたので、また押入れに入れた。

私はそのまま眠ってしまったのだが、静かになったヴェルを、ポプラが押入れから出して連れてきた。
次の夜、また、ヴェルが「ワン、ワン!」と吠えたので、「吠えたら、押入れハウスだよ!」と脅した。
ヴェルは、もごもご、口ごもり、黙った。

それ以来、夜中の無駄吠えはなくなった。「押入れハウス」は、大成功だったね!
5月9日 おなかと足が、ドロドロだぁ~
朝方まで、かなりの雨が降ったらしい。野川の階段の下に、でっかい水溜りができていた。

長々とストレッチをしていたら、ヴェルはあきちゃったみたい。他の犬が通りかかると長居するんだけど、1匹も来なかった。
待ちきれなくなったヴェルは、水溜りの中をチャポチャポ歩いて、さっさと階段を登ってしまった。

でも、2段目で立ち往生。

足が濡れないようにと、抱っこで河川敷に降りたのに、泥だらけになっちゃったよ。
水面にうつる自分に、気づいたかな~?
もう、自力では、逃げ出せなくなっちゃたね。
5月18日 鏡の中のヴェル
ときどき、ヴェルを抱っこして、鏡の前に立つ私。「かわいいね~」「ヴェルは、ほんとにかわいいね~」とか・・・
適当に思いついた歌詞にメロディをつけて、歌いながら、ゆらゆら踊る。ヴェルは嬉しそうである。
鏡の中のヴェル。いつも、自分の顔を、ジーッと見る。

映っているのは自分だって、わかっているかなぁ?
5月28日 「老い」がしのび寄る
形あるものは、必ず壊れる・・・生きとし生けるものは、老いていき、そして、必ず・・・

世の理とはいえ、受け入れるのはつらい。
ついに「老い」が、ヴェルをむしばみ、蹂躙しはじめた。

(奥に転がっているのは、ヴェルのライバル、ミッフィである。私がミッフィーに話しかけると、焼きもちを焼いて、あわてて飛んできた)
先週になって、ヴェルは急に元気がなくなった。丸1日ご飯を食べなかった。
お散歩に行っても、ちっとも喜ばず。抱っこで河川敷まで連れて行き、下におろしたら、立てずに、地面にへたばった。
一日中、ぐったりと横になって、ひたすら眠りこけていた。
怒るときだけは、まだ、眼光鋭いが、すっかり元気がなくなってしまった。
5月31日 床でへたばる
これも先週の写真である。
治療室について、ヴェルの入ったバッグを、床におろした。でも、ヴェルは出てこない。そのまま、へたばっている。
声をかけても反応しない。目がどんより曇っていて、目力もない。しばらく様子をみていたけど、自分から動く気はないらしい。
抱っこして椅子の上にのせた。。。こんな状態がつづいている。。。
○ ○ 追記 ○ ○
追記・31 ついに、肉体が滅びはじめた
なにかで読んだし、人にも聞いた。

野生の動物は、弱ったらすぐに死んでしまう。食べ物は自分で獲らなくちゃならない。ヨタヨタしてたら捕食動物に食べられてしまう。
だから、ぎりぎりのときまで、ありったけの力を振り絞って生きる。
昨日まで元気一杯、ある日突然レベルダウンして、それから1・2週間で死んでしまうのだそうだ。

ヴェルにも、ついにその日がやってきた。
いきなりのレベルダウン。目がビー玉のようになって輝きを失う。立つことすら難しくなる。横たわったまま、ひたすら呼吸をするだけで精一杯になった。

「あと、2週間・・・」と覚悟を決めた。

でもこの2ヶ月は、シャワーもできなかった。ハサミで興奮すると、心臓がバクバクして肺に水がたまる。お風呂場の湿気でも肺に水がたまる。
調子のいい日を見計らっていたのだけど、ついにできずじまいだった。

狂犬病の予防接種もできなかった。予防接種は体内に毒を入れるので、ショック死するかもしれないと思ったから。
獣医さんに聞いたら、「病気なのでできません」という書類を提出するという方法があるらしい。でも、行かずに終わった。

最後の2週間は、病院には連れていかなかった。
犬には前頭葉がないから、注射も点滴も意味が分からず、苦痛でしかない。数日もしくは数週間、よけいに生きたとしても、苦痛を長引かせるだけになる。
もう「死」が迫っているのは分かっていた。犬にとっては、延命治療は「虐待」でしかない、と思っていた。

病院に連れて行けば、ヴェルは興奮する。あっという間に肺に水がたまって呼吸困難になる。酸素ボックスに入れられる。そのまま退院できなくなり、病院で死ぬことになる・・・

愛する家族に見守られながら、安らかな最後を送って欲しかったのだ。
そうして本当によかった。死に行くヴェルを見守りながら、半泣きになって過ごした日々。ほんとうにたったの2週間だった。
ポプラに抱かれてまったりしているときに、「ヴェル!」と声をかけたら・・・
いきなり『ガルル!』と吠えられた。可哀想な私である。
updated: 2017/2/4
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