doseiみづ鍼灸室 by 未津良子(ヴェルの思い出) 
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- 出会いから編  -
ヴェルの思い出
2007 ・ 2
8月11日 眠くてたまんないよ~、でも・・・
いつもいつも誰かのそばにいたいヴェル。犬ってそういう生き物らしい。人間が大好きなのだ。
ヴェルは一日中、(他に誰もいないときは、だけど)、私のあとをついてくる。

この間の夜、一緒に寝ていたのだけど、寝苦しさに起きだして、本を読みはじめた。

枕にあごを乗せ、気持ちよさそうにスースー寝入っていたヴェルは、薄目をあけて、ジーっと私の動向をうかがっている。
『眠くて眠くてたまんないよ~、でも、置いてけぼりされないようにしなくちゃ・・・』

ちいさなちいさな頭で、一生懸命考えているに違いない。
8月22日 猛暑にバテバテ
チワワはメキシコの生まれで、寒さに弱い。暑さには強いのかと思っていたら、そうではないらしい。
そうだよな、全身毛皮に覆われているのだもの・・・

もしかしたら、メキシコよりも日本の夏の方が暑いのかもしれない。
アスファルトの照り返し、車の排熱、エアコンの排気熱。東京はまさにコンクリートジャングル。涼しい木陰など、どこにもない。

自宅は団地の最上階。夜でも34度を越える暑さだ。
ヴェルは、必死になって涼しい場所を探すのだけど、長い舌をダラ~ンと下げて、ハアハアいってる。

熱中症が心配で、ヴェルを家に置いて来れなくなった。
私の部屋にあるおんぼろエアコンは信用できない。霜で凍って、運転ストップすることがあるからだ。

というわけで、ヴェルはいつも私と一緒。どこにでも連れ歩いてる。
今では、みづ鍼灸室のアイドル犬になっているんだよね~。
8月31日 前足にガムがくっついた!
昨日、お散歩から帰ったあと、ふと、ヴェルの足を見ると、なんだか黒いゴミのようなものがついていた。

治療室の周辺は、今、水道工事のまっさかり。
うっかりして、熱いアスファルトの上を歩かせてしまったのでは?と心配になった。

よ~く観察すると、なんと、前足の肉球に、べったりガムが貼りついていたのだ。誰かが捨てたガムを踏んでしまったらしい。
犬にとっては大迷惑だ。
指と指の間にめり込んで、肉球と毛にベタリと貼りついたガムを取り除くのに、えらい苦労をした。

膝の上にヴェルをのせ、少しずつガムを引っぱりながら、毛ごとガムを切り取る。
最後は、ピンセットまで持ち出しての、根気のいる作業だ。
でも、ヴェルの、トロ~ンとした至福の表情!

ときどき、痛がって手をのけたりしたけれど、ヴェルは半ば目を閉じて、気持ちよさそうに、すやすや寝入っている。
膝に抱かれての、手のひらマッサージのようなものだったのか?

かなりきれいにはなったのだけど、完全に取るのは無理だなあ・・・
9月11日 手をかけて、あごのせて・・・
下の写真、手前に写っているジーンズは、ジャズダンスとクラシックバレエを習っている Natsuyo さんの、スレンダーな太もも。

お気に入りの場所に寝そべっていたヴェルは、突然、となりの椅子にすわっている彼女の足に手をかけ、その上にあごをのせて、まったり。
大好きな Natsuyo さんが来て、ヴェルは大喜び。
いつもなら、大騒ぎをして、なつきまくるところだけど、今日はちょっとお疲れの様子。

もう目を開けていられない・・・

携帯を取り出して、写真を撮ろうとする私を横目で見ながら、すやすやと眠りこけてしまった。
その前に、これまた大好きな Reiko さんが来て、さんざん遊んでもらった。そのうえ、お散歩にも連れてってもらえたので、もうグッタリなのだ。

連日の暑さでクーラー病になったのか、ヴェルは、このところ腹具合がいまいちで、体調を崩していた。

でも、すっかり元気になったよ!
10月5日 やっぱり、言葉がわかる?
急に寒くなった今日このごろ。
ヴェルはいつもの椅子の上で、まんまるくなって眠っていた。

寒いときはできるだけ丸くなって、熱を逃がさないようにするらしい。
やっぱりチワワは寒さに弱い。ヴェルの寝姿で、気温がわかる。

この間、実の飼い主一家が遊びに来た。ヴェルは、ぴょんぴょん飛び跳ねて大喜び。ずっとママのそばにはりついていた。

ママのそばには10ヶ月になった珠菜ちゃん。大人たちのまん中にお座りして、おもちゃを手にとっては口に入れて遊んでる。目の前を、ふわふわのヴェルの尻尾が通ると、嬉しそうにキャッキャと笑う。

珠菜ちゃんが、ヴェルの方に手を伸ばした瞬間、ヴェルが、あぐっと口をあけて、手を噛もうとした。また手を伸ばしたら、またまた、あぐっ。
珠菜は気がつかなかったけど、ママはビックリして青ざめた。噛まれたら大変だし、珠菜も犬嫌いになってしまう。

やんちゃな優河君は3歳になって、大分落ち着きが出てきた。もう、以前のように、ヴェルの背中の毛をむしったり、蹴りを入れたり、おもちゃを投げたりのいたずらはしなくなった。
だけど、ヴェルの方は、まだまだ赤ちゃんに警戒心を持っているらしい。

私は、心配するママに、「大丈夫だよ。ヴェルはすごく頭がいいから、ちゃんと話せばわかるんだよ」と言った。

ヴェルに向かって、「ヴェル、珠菜はね、赤ちゃんで女の子で、とても優しくていい子だよ。優河と違って、ヴェルをいじめたりしないから、珠菜のことは絶対噛んじゃダメだよ」と、目を見ながら、静かに言った。

ヴェルは耳をピンと立て、大きな目を見開いて、じっと私の話を聞いていた。

そのあと、ヴェルは、珠菜ちゃんが、頭をなでても、尻尾を触っても知らんふり。何をされても、おとなしくしていた。

本当に言葉が通じた。やっぱり、ヴェルは頭がいいなあ。
10月20日 夫婦ゲンカは「犬も食わない」の意味
Reiko さんにお散歩に連れて行ってもらったヴェル。

治療室に戻ってからも、なつきまくり、とうとう彼女の膝の上に、ぴょんととび乗った。
超細身の Reiko さんの膝は、すわり心地が悪そう。転げ落ちまいと粘りに粘って、なんとかお尻を落ち着けた。

かわいいかわいいヴェルの背中・・・

でも、胃袋の中にはとんでもないものが入っている?
実は、昨日の夜、ごきぶりホイホイを食べてしまったのだ!
朝、ご飯の前に、いきなりゲェーッと吐いた。灰色のものだった。???おかしいな?腹具合が悪いのかな?
とりあえず、朝ご飯を減らした。

息子が起きてきて、「昨日、ごきぶりホイホイを食っちまったんだよ!」と、衝撃の報告をするまで、知らなかった。

昨日はテニススクールの仲間との飲み会で、久しぶりにヴェルを置いて出かけた。夜中も、いつもどおり元気いっぱいだったのだけど・・・

家に帰ったとき、ヴェルの頭に、ベトベトするカラフルな紙切れがくっついていたのを見て、これは何だろうと不思議に思ったのであった。

その前の晩、ゴキブリを見つけたので、あわてて、去年のごきぶりホイホイを組み立てた。誘引剤が、食べ物の匂いを発するので、ヴェルは興味深げに近寄っていって、クンクン匂いを嗅いでいた。
「ヤバイ!」と思って、ふだんヴェルが入らない洗面所に、こっそり隠しておいたつもりだった。

前にもヴェルは、ティッシュの箱とか広告紙を細かく食い散らかしたことがある。たいていは、お留守番が長時間にわたったときで、たぶん、退屈しのぎにガリガリやるのではないかと思われる。

猛暑のせいで、いつもヴェルを連れ歩くようになってからは、ほとんどひとりになったことがないので、淋しくてたまらなかったのだろう。

食べたわけではなく、食いちぎって遊んでいるうちに、ちょっとばかり飲み込んだだけだと思うのだけど・・・

前の飼い主は、ドッグフードを食べさせていた。うちに来てからは、ほとんど手作りにした。最初の頃は、野菜や魚などはまったく食べなかったのだけど、いつの間にか何でも食べるようになった。

味覚の冒険をつづけて、食の世界が広がったものとばかり思い込んでいたが、実は、犬は何でも食べる生き物だった?

「夫婦喧嘩は犬も食わない」のことわざを思い出した。
「夫婦ゲンカ」の方にばかり注目していたが、これって、「犬は何でも食う」という意味だったことに気がついた!

ことわざの奥深さには、驚嘆を禁じえない。それと、犬の胃袋にも!
10月25日 かわいいと思うのは?
うちでは、まだストーブもホットカーペットも出していない。

あまりの寒さに、座布団を敷きつめ、タオルケットをかけ、足元に電気ストーブを置いて、ポカポカ温まりながら、本を読んでいた。

甘子(アマコ、甘えっ子の略)のヴェルは、お布団に先回りしていたのだけど、のそのそとやって来て、スポンと私の足の間にはまり込んだ。

つぶらな瞳でじっと私を見上げている。
いつものパターンなんだけど、携帯を取り出すのに手間取って、シャッターチャンスを逃してしまう。

なんとかヴェルの気を引こうと、手近なものを、ガサガサ、バリバリ言わせる。
そのうちに、ヴェルの目はこうなる。
「こいつ、何やってるんだろう?騒がしいやつだなあ」とでも言いたげだ。

猫の写真集はよく売れるが、犬の写真集はあまり売れないという話を聞いた。

猫好きの人は、猫のかわいい姿を見るのが好きで、いろんな猫の写真集を、「あら、かわいい!」と言って買ってくれるのだそうだ。

でも犬好きの人は、他の犬の写真を見ると、「やっぱり、うちの犬が一番かわいい!」などと思うので、犬の写真集は、あまり売れないのだそうだ。

たしかにそうだ。ヴェルを預かって以来、他の犬を見ると、「ヴェルが一番かわいい・・・」と思うようになった。家族もみんなそう言ってる。

猫は見た目が大事、犬は関係性が大事???

もちろん、他の犬もかわいいと思うので、お散歩で出会ったワンちゃんたちには、思わず見とれて、話しかけてしまう。ついでに、飼い主にも。

ヴェルの写真を見て、「かわいい!」と思ってくれるのは、身内だけなのかなあ?つまり、ヴェルを直接知っている人、という意味だけど・・・
11月7日 聞こえないフリ
久しぶりに、ヴェルの大好きなあんずが帰ってきた。
ヴェルはあんずにべったりはりついて、寝室にもついて行ったきり、戻ってこない。

夜中にのぞきに行って、「ヴェル、おいで!」と声をかけたら、一応、やって来た。
頭を撫でると、「ガル・・・」と小さく唸った。全身の筋肉を緊張させて、身体をカチンカチンにしているところは、まるでトロイの木馬だ。

昔は、本気で唸られ、噛み付かれたこともある。あんずのことを、恋人と思っているらしいのだ。
今回は、唸り方が遠慮がちだ。

次の日の夜、あんずが帰ったとたん、ヴェルは、いそいそと私の後を追いかけ回す。私がお布団に入って本を読み始めると、ヴェルは、サッと毛布の上に飛び乗った。

「ヴェルは、あんずが好きなんでしょ。あんずとねんこでしょ。あんずちゃんのお部屋に行きな」
私はしつこくイジワルを言った。

そのときのヴェルの目がこれだ。
どこかで見たような目つきだなあ・・・?

自分に都合の悪いことを言われたとたん、急に聞こえないフリをして、「私は耳が遠くてね」などと言っている、どこかのお年寄りのような、とぼけた目!

あんずはよその家の人になったし、ボスを本気で怒らせるとまずいな・・・とか、けっこう、いろいろわかってるみたい。
11月27日 まだかな・・・ まだかな・・・
このところずっと、時間が空けば、PCに向かっていた。

ふと、うしろを振り返ると、つまらなそうに私を見ているヴェルと、目が合った。
すやすや眠っているとばかり思っていたのに・・・

患者さんが帰ると、お散歩を期待して尻尾をパタパタ振るけれど、私がパソコンに向かうと、すぐにあきらめておとなしくなる。

みなさんも口をそろえて、「パソコンに夢中になって時間のたつのを忘れてしまう」と言う。犠牲になるのは、物言わぬちいさな生き物?

ヴェルは、私の体調のリズムメーカーの役をしてくれている。ちょっとでも空き時間があると、ヴェルを外に連れ出さなくちゃ、と思うからだ。

お散歩のおかげで、体力がついて、歩くのが苦にならなくなったし。
12月15日 待ちぶせ
晩ご飯を食べ終わったあとのヴェルの居場所は、ここ、パソコンのキーボードの下だ。
私が、皿洗いなど、その他もろもろが一段落したあとは、かならずパソコンをいじるからだ。

飼い主の動きを観察し、行動パターンを読んで、先回りをしているのだ。

けなげだなあ・・・。

今は治療室。さっき、この文章を打っている私の膝の上に、えいっとばかりに飛び乗って来た。
なので、私は、片手でヴェルを抱き、片手でキーボードを打っている。

ヴェルは、ずり落ちまいと必死。私は腰が痛くなりそう・・・。
○ ○ 追記 ○ ○
追記・2 カーテンの下からのぞく
ヴェルをはじめて治療室に連れてきたのは、2007年1月13日、預かって間もない頃だ。
その頃は、3人家族だったけど、みんな仕事に出かけてしまう。ヴェルは長時間、ひとりでお留守番することになる。

「大丈夫かな・・・」「寒いんじゃないか?」「暑いんじゃないか?」と、遠くであれこれ心配するより、そばにいたほうが安心だ。
愛犬とずっと一緒にいたいというのは、飼い主の心理でもある。
仕事場に連れてくれば、空き時間に散歩もできる。

でも・・・
診療室に犬を入れるのは不衛生である。(待合室だって、いやがる患者さんがいたみたいだったのに)
もしも、治療中に、ヴェルに足元でチョロチョロされたら、危なくて仕事にならない。
ヴェルが診療室に入らないように躾けられるかどうかは、最重要問題である。ダメなら、おうちでお留守番をさせるしかない。

「盲導犬ダイナ」という本にヒントをもらった。
年を取って仕事ができなくなったダイナが、新しい盲導犬のそばでうつ状態になっていたのを、何匹もの犬を飼っている女性が引き取った。
広い敷地の中を自由に走り回らせる。境界には柵がない。でも、犬たちにきちんと教えると、まるで「見えない柵」があるかのように、犬たちはその前でぴたりと止まり、そこから先へは絶対に行かないのだそうだ。

初日、診療室と待合室の間にダンボール箱を置き、進入できないようにした。ヴェルが入りたそうにするたびに、「そっちはメーよ」と声をかけた。

数時間後、ダンボール箱をとり除いた。
「ヴェルはこっち。そっちはメーよ」と、様子を見ながら、何度も声をかけた。
その日も、それ以後も、ヴェルは診療室にはけっして入らなかった。

「見えない柵」づくりは、大成功だったね。

ヴェルの大好きな患者さんが来て、治療しながら楽しそうにおしゃべりをしていると、ときたまのことだけど、カーテンの下からヴェルがのぞく。

その可愛い姿を、残念ながら、1枚も写真にとれなかった。こっちは仕事中だものね。

だから、下の写真は、私の作ったヘタな合成である。
とはいえ、1回だけ、入ったことがあるんだよね。
ヴェルの大好きな患者さんが、着替え中に、「ヴェル、おいで!」と声をかけてしまった。

喜び勇んで、ヴェルは患者さんの足元まで走っていった。
あっという間に、連れ出されたけどね。
updated: 2014/10/7
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