8月11日 |
眠くてたまんないよ~、でも・・・ |
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いつもいつも誰かのそばにいたいヴェル。犬ってそういう生き物らしい。人間が大好きなのだ。
ヴェルは一日中、(他に誰もいないときは、だけど)、私のあとをついてくる。
この間の夜、一緒に寝ていたのだけど、寝苦しさに起きだして、本を読みはじめた。
枕にあごを乗せ、気持ちよさそうにスースー寝入っていたヴェルは、薄目をあけて、ジーっと私の動向をうかがっている。 |
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『眠くて眠くてたまんないよ~、でも、置いてけぼりされないようにしなくちゃ・・・』
ちいさなちいさな頭で、一生懸命考えているに違いない。 |
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8月22日 |
猛暑にバテバテ |
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チワワはメキシコの生まれで、寒さに弱い。暑さには強いのかと思っていたら、そうではないらしい。
そうだよな、全身毛皮に覆われているのだもの・・・
もしかしたら、メキシコよりも日本の夏の方が暑いのかもしれない。 |
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アスファルトの照り返し、車の排熱、エアコンの排気熱。東京はまさにコンクリートジャングル。涼しい木陰など、どこにもない。
自宅は団地の最上階。夜でも34度を越える暑さだ。
ヴェルは、必死になって涼しい場所を探すのだけど、長い舌をダラ~ンと下げて、ハアハアいってる。
熱中症が心配で、ヴェルを家に置いて来れなくなった。
私の部屋にあるおんぼろエアコンは信用できない。霜で凍って、運転ストップすることがあるからだ。
というわけで、ヴェルはいつも私と一緒。どこにでも連れ歩いてる。
今では、みづ鍼灸室のアイドル犬になっているんだよね~。 |
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8月31日 |
前足にガムがくっついた! |
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昨日、お散歩から帰ったあと、ふと、ヴェルの足を見ると、なんだか黒いゴミのようなものがついていた。
治療室の周辺は、今、水道工事のまっさかり。
うっかりして、熱いアスファルトの上を歩かせてしまったのでは?と心配になった。
よ~く観察すると、なんと、前足の肉球に、べったりガムが貼りついていたのだ。誰かが捨てたガムを踏んでしまったらしい。
犬にとっては大迷惑だ。 |
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指と指の間にめり込んで、肉球と毛にベタリと貼りついたガムを取り除くのに、えらい苦労をした。
膝の上にヴェルをのせ、少しずつガムを引っぱりながら、毛ごとガムを切り取る。
最後は、ピンセットまで持ち出しての、根気のいる作業だ。 |
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でも、ヴェルの、トロ~ンとした至福の表情!
ときどき、痛がって手をのけたりしたけれど、ヴェルは半ば目を閉じて、気持ちよさそうに、すやすや寝入っている。
膝に抱かれての、手のひらマッサージのようなものだったのか?
かなりきれいにはなったのだけど、完全に取るのは無理だなあ・・・ |
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9月11日 |
手をかけて、あごのせて・・・ |
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下の写真、手前に写っているジーンズは、ジャズダンスとクラシックバレエを習っている Natsuyo さんの、スレンダーな太もも。
お気に入りの場所に寝そべっていたヴェルは、突然、となりの椅子にすわっている彼女の足に手をかけ、その上にあごをのせて、まったり。 |
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大好きな Natsuyo さんが来て、ヴェルは大喜び。
いつもなら、大騒ぎをして、なつきまくるところだけど、今日はちょっとお疲れの様子。
もう目を開けていられない・・・
携帯を取り出して、写真を撮ろうとする私を横目で見ながら、すやすやと眠りこけてしまった。 |
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その前に、これまた大好きな Reiko さんが来て、さんざん遊んでもらった。そのうえ、お散歩にも連れてってもらえたので、もうグッタリなのだ。
連日の暑さでクーラー病になったのか、ヴェルは、このところ腹具合がいまいちで、体調を崩していた。
でも、すっかり元気になったよ! |
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10月5日 |
やっぱり、言葉がわかる? |
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急に寒くなった今日このごろ。
ヴェルはいつもの椅子の上で、まんまるくなって眠っていた。
寒いときはできるだけ丸くなって、熱を逃がさないようにするらしい。 |
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やっぱりチワワは寒さに弱い。ヴェルの寝姿で、気温がわかる。
この間、実の飼い主一家が遊びに来た。ヴェルは、ぴょんぴょん飛び跳ねて大喜び。ずっとママのそばにはりついていた。
ママのそばには10ヶ月になった珠菜ちゃん。大人たちのまん中にお座りして、おもちゃを手にとっては口に入れて遊んでる。目の前を、ふわふわのヴェルの尻尾が通ると、嬉しそうにキャッキャと笑う。
珠菜ちゃんが、ヴェルの方に手を伸ばした瞬間、ヴェルが、あぐっと口をあけて、手を噛もうとした。また手を伸ばしたら、またまた、あぐっ。
珠菜は気がつかなかったけど、ママはビックリして青ざめた。噛まれたら大変だし、珠菜も犬嫌いになってしまう。
やんちゃな優河君は3歳になって、大分落ち着きが出てきた。もう、以前のように、ヴェルの背中の毛をむしったり、蹴りを入れたり、おもちゃを投げたりのいたずらはしなくなった。
だけど、ヴェルの方は、まだまだ赤ちゃんに警戒心を持っているらしい。
私は、心配するママに、「大丈夫だよ。ヴェルはすごく頭がいいから、ちゃんと話せばわかるんだよ」と言った。
ヴェルに向かって、「ヴェル、珠菜はね、赤ちゃんで女の子で、とても優しくていい子だよ。優河と違って、ヴェルをいじめたりしないから、珠菜のことは絶対噛んじゃダメだよ」と、目を見ながら、静かに言った。
ヴェルは耳をピンと立て、大きな目を見開いて、じっと私の話を聞いていた。
そのあと、ヴェルは、珠菜ちゃんが、頭をなでても、尻尾を触っても知らんふり。何をされても、おとなしくしていた。
本当に言葉が通じた。やっぱり、ヴェルは頭がいいなあ。 |
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10月20日 |
夫婦ゲンカは「犬も食わない」の意味 |
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Reiko さんにお散歩に連れて行ってもらったヴェル。
治療室に戻ってからも、なつきまくり、とうとう彼女の膝の上に、ぴょんととび乗った。 |
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超細身の Reiko さんの膝は、すわり心地が悪そう。転げ落ちまいと粘りに粘って、なんとかお尻を落ち着けた。
かわいいかわいいヴェルの背中・・・
でも、胃袋の中にはとんでもないものが入っている?
実は、昨日の夜、ごきぶりホイホイを食べてしまったのだ! |
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朝、ご飯の前に、いきなりゲェーッと吐いた。灰色のものだった。???おかしいな?腹具合が悪いのかな?
とりあえず、朝ご飯を減らした。
息子が起きてきて、「昨日、ごきぶりホイホイを食っちまったんだよ!」と、衝撃の報告をするまで、知らなかった。
昨日はテニススクールの仲間との飲み会で、久しぶりにヴェルを置いて出かけた。夜中も、いつもどおり元気いっぱいだったのだけど・・・
家に帰ったとき、ヴェルの頭に、ベトベトするカラフルな紙切れがくっついていたのを見て、これは何だろうと不思議に思ったのであった。
その前の晩、ゴキブリを見つけたので、あわてて、去年のごきぶりホイホイを組み立てた。誘引剤が、食べ物の匂いを発するので、ヴェルは興味深げに近寄っていって、クンクン匂いを嗅いでいた。
「ヤバイ!」と思って、ふだんヴェルが入らない洗面所に、こっそり隠しておいたつもりだった。
前にもヴェルは、ティッシュの箱とか広告紙を細かく食い散らかしたことがある。たいていは、お留守番が長時間にわたったときで、たぶん、退屈しのぎにガリガリやるのではないかと思われる。
猛暑のせいで、いつもヴェルを連れ歩くようになってからは、ほとんどひとりになったことがないので、淋しくてたまらなかったのだろう。
食べたわけではなく、食いちぎって遊んでいるうちに、ちょっとばかり飲み込んだだけだと思うのだけど・・・
前の飼い主は、ドッグフードを食べさせていた。うちに来てからは、ほとんど手作りにした。最初の頃は、野菜や魚などはまったく食べなかったのだけど、いつの間にか何でも食べるようになった。
味覚の冒険をつづけて、食の世界が広がったものとばかり思い込んでいたが、実は、犬は何でも食べる生き物だった?
「夫婦喧嘩は犬も食わない」のことわざを思い出した。
「夫婦ゲンカ」の方にばかり注目していたが、これって、「犬は何でも食う」という意味だったことに気がついた!
ことわざの奥深さには、驚嘆を禁じえない。それと、犬の胃袋にも! |
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10月25日 |
かわいいと思うのは? |
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うちでは、まだストーブもホットカーペットも出していない。
あまりの寒さに、座布団を敷きつめ、タオルケットをかけ、足元に電気ストーブを置いて、ポカポカ温まりながら、本を読んでいた。
甘子(アマコ、甘えっ子の略)のヴェルは、お布団に先回りしていたのだけど、のそのそとやって来て、スポンと私の足の間にはまり込んだ。
つぶらな瞳でじっと私を見上げている。 |
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いつものパターンなんだけど、携帯を取り出すのに手間取って、シャッターチャンスを逃してしまう。
なんとかヴェルの気を引こうと、手近なものを、ガサガサ、バリバリ言わせる。
そのうちに、ヴェルの目はこうなる。 |
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「こいつ、何やってるんだろう?騒がしいやつだなあ」とでも言いたげだ。
猫の写真集はよく売れるが、犬の写真集はあまり売れないという話を聞いた。
猫好きの人は、猫のかわいい姿を見るのが好きで、いろんな猫の写真集を、「あら、かわいい!」と言って買ってくれるのだそうだ。
でも犬好きの人は、他の犬の写真を見ると、「やっぱり、うちの犬が一番かわいい!」などと思うので、犬の写真集は、あまり売れないのだそうだ。
たしかにそうだ。ヴェルを預かって以来、他の犬を見ると、「ヴェルが一番かわいい・・・」と思うようになった。家族もみんなそう言ってる。
猫は見た目が大事、犬は関係性が大事???
もちろん、他の犬もかわいいと思うので、お散歩で出会ったワンちゃんたちには、思わず見とれて、話しかけてしまう。ついでに、飼い主にも。
ヴェルの写真を見て、「かわいい!」と思ってくれるのは、身内だけなのかなあ?つまり、ヴェルを直接知っている人、という意味だけど・・・ |
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11月7日 |
聞こえないフリ |
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久しぶりに、ヴェルの大好きなあんずが帰ってきた。
ヴェルはあんずにべったりはりついて、寝室にもついて行ったきり、戻ってこない。
夜中にのぞきに行って、「ヴェル、おいで!」と声をかけたら、一応、やって来た。
頭を撫でると、「ガルルル・・・」と小さく唸った。全身の筋肉を緊張させて、身体をカチンカチンにしているところは、まるでトロイの木馬だ。
昔は、本気で唸られ、噛み付かれたこともある。あんずのことを、恋人と思っているらしいのだ。
今回は、唸り方が遠慮がちだ。
次の日の夜、あんずが帰ったとたん、ヴェルは、いそいそと私の後を追いかけ回す。私がお布団に入って本を読み始めると、ヴェルは、サッと毛布の上に飛び乗った。
「ヴェルは、あんずが好きなんでしょ。あんずとねんこでしょ。あんずちゃんのお部屋に行きな」
私はしつこくイジワルを言った。
そのときのヴェルの目がこれだ。 |
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どこかで見たような目つきだなあ・・・?
自分に都合の悪いことを言われたとたん、急に聞こえないフリをして、「私は耳が遠くてね」などと言っている、どこかのお年寄りのような、とぼけた目!
あんずはよその家の人になったし、ボスを本気で怒らせるとまずいな・・・とか、けっこう、いろいろわかってるみたい。 |
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11月27日 |
まだかな・・・ まだかな・・・ |
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このところずっと、時間が空けば、PCに向かっていた。
ふと、うしろを振り返ると、つまらなそうに私を見ているヴェルと、目が合った。 |
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すやすや眠っているとばかり思っていたのに・・・
患者さんが帰ると、お散歩を期待して尻尾をパタパタ振るけれど、私がパソコンに向かうと、すぐにあきらめておとなしくなる。
みなさんも口をそろえて、「パソコンに夢中になって時間のたつのを忘れてしまう」と言う。犠牲になるのは、物言わぬちいさな生き物?
ヴェルは、私の体調のリズムメーカーの役をしてくれている。ちょっとでも空き時間があると、ヴェルを外に連れ出さなくちゃ、と思うからだ。
お散歩のおかげで、体力がついて、歩くのが苦にならなくなったし。 |
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12月15日 |
待ちぶせ |
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晩ご飯を食べ終わったあとのヴェルの居場所は、ここ、パソコンのキーボードの下だ。 |
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私が、皿洗いなど、その他もろもろが一段落したあとは、かならずパソコンをいじるからだ。
飼い主の動きを観察し、行動パターンを読んで、先回りをしているのだ。
けなげだなあ・・・。
今は治療室。さっき、この文章を打っている私の膝の上に、えいっとばかりに飛び乗って来た。
なので、私は、片手でヴェルを抱き、片手でキーボードを打っている。
ヴェルは、ずり落ちまいと必死。私は腰が痛くなりそう・・・。 |
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○ ○ 追記 ○ ○  |
追記・2 |
カーテンの下からのぞく |
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ヴェルをはじめて治療室に連れてきたのは、2007年1月13日、預かって間もない頃だ。
その頃は、3人家族だったけど、みんな仕事に出かけてしまう。ヴェルは長時間、ひとりでお留守番することになる。
「大丈夫かな・・・」「寒いんじゃないか?」「暑いんじゃないか?」と、遠くであれこれ心配するより、そばにいたほうが安心だ。
愛犬とずっと一緒にいたいというのは、飼い主の心理でもある。
仕事場に連れてくれば、空き時間に散歩もできる。
でも・・・
診療室に犬を入れるのは不衛生である。(待合室だって、いやがる患者さんがいたみたいだったのに)
もしも、治療中に、ヴェルに足元でチョロチョロされたら、危なくて仕事にならない。
ヴェルが診療室に入らないように躾けられるかどうかは、最重要問題である。ダメなら、おうちでお留守番をさせるしかない。
「盲導犬ダイナ」という本にヒントをもらった。
年を取って仕事ができなくなったダイナが、新しい盲導犬のそばでうつ状態になっていたのを、何匹もの犬を飼っている女性が引き取った。
広い敷地の中を自由に走り回らせる。境界には柵がない。でも、犬たちにきちんと教えると、まるで「見えない柵」があるかのように、犬たちはその前でぴたりと止まり、そこから先へは絶対に行かないのだそうだ。
初日、診療室と待合室の間にダンボール箱を置き、進入できないようにした。ヴェルが入りたそうにするたびに、「そっちはメーよ」と声をかけた。
数時間後、ダンボール箱をとり除いた。
「ヴェルはこっち。そっちはメーよ」と、様子を見ながら、何度も声をかけた。
その日も、それ以後も、ヴェルは診療室にはけっして入らなかった。
「見えない柵」づくりは、大成功だったね。
ヴェルの大好きな患者さんが来て、治療しながら楽しそうにおしゃべりをしていると、ときたまのことだけど、カーテンの下からヴェルがのぞく。
その可愛い姿を、残念ながら、1枚も写真にとれなかった。こっちは仕事中だものね。
だから、下の写真は、私の作ったヘタな合成である。 |
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とはいえ、1回だけ、入ったことがあるんだよね。
ヴェルの大好きな患者さんが、着替え中に、「ヴェル、おいで!」と声をかけてしまった。
喜び勇んで、ヴェルは患者さんの足元まで走っていった。
あっという間に、連れ出されたけどね。 |
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updated: 2014/10/7 |
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