dosei みづ鍼灸室 by 未津良子(症例集)
症例60・外耳炎
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症例60・外耳炎
耳のまわりの鍼で血行を良くして治療
耳がグチャグチャして、不快感バクハツ
15年ぐらい前のことですが、左耳の外耳炎に悩まされた経験があります。
学生の頃は勉強をしながら耳かきをするのが趣味でした。しょっちゅうやっていると皮膚が丈夫になって刺激に対する抵抗力が高まります。たまにしか刺激しなくなると、皮膚が薄くなって傷つきやすくなるのだと思います。

久しぶりに耳かきをやったときのことです。コロン、コロンと大きな塊が取れるのが面白くて、もっともっとと、えんえんとやってしまいました。そのあと左耳の穴に違和感が生じて、なんだかモワーンとしはじめました。

翌日には耳の穴が水っぽくなりました。炎症反応で浸出液が出たのでしょう。ビショビショする浸出液が固まって、カサブタのようになって耳の穴に貼りつき、耳かきでは取れなくなりました。
痛いとか痒いとかはないのですが、耳がグチャグチャする「不快感」に悩まされ、気分が悪いことこのうえなしです。
*関連ページ
<細菌やウィルスによる皮膚の感染症>
いぼ ウィルス性のいぼはお灸でポロリ
水虫 お灸の熱で細菌が死ぬ
傷、おでき、ヒョウ疸、褥痩、しもやけ 感染予防も
帯状疱疹 鍼で血行促進、お灸でコロニーを撲滅
虫刺され(→とびひ) 痒み止め&細菌退治
外耳炎 耳まわりの鍼で血行を促進
抗生物質をやめたら再発
怖い話をたくさん聞いたので、『中耳炎になったら困る』と恐れおののきました。
自然食をはじめたのが「中耳炎をくり返して苦しんだ」ことが理由だったという人の苦労話をきいたことがあります。
マレーシア旅行中に突然亡くなった男性がいました。彼は長年中耳炎を患っていたそうで、友人たちの間では「中耳炎の膿が脳に入ったのが原因」と言われていました。(向こうの死亡診断書には"tumor"とあったそうなので、事実は脳腫瘍だったのかもしれません)

『中耳炎にならないように、外耳炎のうちに治療をしてもらおう』と思って耳鼻科に行きました。
抗生物質もきっちり1週間飲んで、いったん「治りました」と言われたのですが、すぐに再発してしまいました。
今度はもっと悪化して、グチャグチャするかさぶたが耳介にまで広がってしまいました。
外耳炎から中耳炎になることはないらしい
また耳鼻科に行って、抗生物質を飲むように言われました。
飲むつもりだったのですが、「下痢をするんですけどね」と言っとたんに、「だったら何故すぐに止めて、内科に行かなかったんですか!」と怒られました。

耳介を指さして「ここもぐちゃぐちゃするんですけど」と言ったら、「そこは皮膚科で治療してもらってください」とそっけなく断られました。

「繁殖している菌は何なんですか?」ときいたら、「皮膚の上にはそこら中にいろんな菌が常在しているんですよ!自分の身体にいる菌が傷口で繁殖したんです!」と、また怒られました。

ついでに「中耳炎になるんじゃないかと心配で」と言ったら、「外耳炎から中耳炎になることはありません。外耳と中耳は鼓膜で仕切られているし、まったく別の病気です!」と、またまた怒られました。

・・・それを聞いてちょっと一安心しました。
鍼を打ったら、外耳道に膿が排出された
お母さんは怖いので、優しい娘さんの診療日を選んで通うことにしました。
抗生物質はなしで、耳の中のお掃除する治療だけをすることになりました。彼女には「自分で綿棒にオキシフルとかつけて、耳の穴を掃除したりしないように」と言われました。

左耳がモヤモヤしているような感じで、「不快感」がつづいていました。
抗生物質を飲んだとしても全身に回るだけです。細かく入り組んだ耳の周辺の血管まで到達しないのかもしれないと思いました。
耳まわりのツボに鍼を打って血流を促したらどうだろう・・・と試してみることにしました。

夜中に左耳のまわりに数本の鍼を打って置鍼したら、耳全体がポカポカと温まっていって、とても気持ちがいいのです。そのまま眠ってしまいました。

明け方の5時に目が覚めて鍼を抜きました。しばらくボーッとしていたら、突然「ピチャッ」という音が聞こえ、そのあと何も聞こえなくなってしまいました。
死ぬほど驚いて、子どもたちを起こしに行きました。

ヨーコが耳をのぞいて「耳の穴に何かがあるよ」と、綿棒で取ってくれたのは黄色い膿でした。膿が耳の穴をふさいでいたのです。
鍼で耳まわりの血行が良くなったおかげで、溜まっていた膿が外耳道に吐き出されたのだと思います。
「不快感」も消えてくれた
膿が出たあと左耳はスッキリして、「不快感」がきれいに消えてくれました。でも耳介のガサガサは残っています。
耳鼻科に行っても綿棒でお薬を塗るだけなので、自分でやってみようと思いました。「中耳炎に移行することはない」というのは朗報です。

子どもの頃によく使ったオロナイン軟膏のことを思い出しました。成分を見てみたら、抗生物質もステロイドも使われていません。抗生物質は耐性菌ができてしまう可能性がありますし、ステロイドには怖い副作用があります。

含まれているのは殺菌剤だけです。オキシフルはダメと言われたけど、どっちにしろ液体なので効果は瞬間的です。軟膏にくるまれた殺菌剤が皮膚にからみついてくれ、殺菌効果が持続しそうです。

試しに綿棒にオロナイン軟膏をたっぷりつけて、耳の穴にベタベタに塗りたくってみました。なんとなく効きそうです。耳介にも塗ってみたら、数日後には耳全体がスッキリきれいになってくれました。
生き残りの菌が繁殖のチャンスを狙っていた?
外耳炎が治ったあとも、耳の穴に水が入ると、なんとなくモヤモヤがはじまります。菌の巣がまだ残っていて、生き残った菌が繁殖のチャンスを狙っているように思いました。

年に数回のことでしたが、『ちょっと変だな』と思ったらすぐにオロナイン軟膏を塗りたくることにしました。手軽で簡単で便利です。温泉旅行のときにも鍼灸道具と一緒に持ち歩きました。

数年後、救急箱の中のオロナイン軟膏を見かけてビックリ。いつの間にかその存在すら忘れてしまっていました。
その頃にはシャワーも温泉も海も怖くなくなっていました。海で仰向けになってプカプカ浮いて、耳の穴に海水が入ってもぜんぜん大丈夫です。
しつこく巣食っていた菌はパワーを失い、左耳が強く頑丈になって、外耳炎とすっかり縁が切れたのです。
Updated: 2023/2/28