12/27(土) |
[映]ストレート・ストーリー |
この間の木曜日、今年最後のテニスの練習をした。暖かい日だったとはいえ、真冬の夕方に半袖でコートの中を走り回り、汗だくになるんだもん。。。
ヴェルも連れて行って、多摩川の散歩もできたし、爽快な気分だったよ~。
練習が終わってから、肩のテーピングのことをすっかり忘れていたことに気がついた。「忘れる」ということは、「調子がいい」ということだ。
今のところは二人だけなので、マンツーマンで教えてもらっている状態。最近、ラケットとボールが仲良しになってきた感じがする。腕だけでなく、体全体のバネを使って打つコツも、だんだん飲み込めてきた。
来年に期待しよう!
映画「ストレート・ストーリー」は、73歳のおじいさんが、時速8キロの芝刈り用のトラクターで、500キロも離れたところに住む兄に会いに行く、というお話だ。新聞に投稿されたエピソードを元に、作られた映画なのだそうだ。
監督はデヴィッド・リンチ。
アルヴィン・ストレート(リチャード・ファーンズワース)は、ちょっと障害のある娘(シシー・スペイセク)と二人暮しだ。10年前にケンカをし、それっきり会っていなかった兄が、脳梗塞で倒れたと聞いて、会いに行こうと思い立つ。
腰が悪くて、両手に杖を持たないと歩けないアルヴィン。体にガタのきた老人が、ガタぼろのトラクターに、リヤカーを大きくしたような、ガタぼろのトレーラーをつないで、1ヶ月以上もの間、野宿をしながら旅をするのだ。
まわり中の人が反対する。車で送っていってあげるという申し出も断る。「頑固といわれるかもしれないが、いったん決めたことは、最後までやり抜きたい」と、アルヴィンは、静かだけれど強い決意を貫き通す。
物語は、ものすごくゆっくりと、たんたんと進む。途中でいろいろな人と出会うのだけど、それもあっさりしたもので、すごい事件が起こるわけでもなく、すばらしい出会いがあるわけでもない。
それなのに、なぜか、時間のたつのを忘れて映画に見入ってしまう。おじいさんに目が釘づけだ。終わったあとも、そのまま見続けていたいような衝動に駆られる。
現実って、そう。そんなものなんだよな、と思う。そういう意味では、ものすごくリアルな映画だった。普通の人々が、普通に生きている、普通の世界。
おじいさんの、おじいさんとしての存在感とでも言おうか。困難に耐えて生き抜いてきた人の存在感がある。
おじいさんってそういうものだよな。ドラマティックともいえる体験も、たくさんしているのだけれど、多くを語らない。何気なく話す言葉から、こっちが想像力を働かせなくてはならない。逆に、だからこそ、物語に深みと奥行きをあたえるのだろう。
過去に起こったさまざまのことが、おじいさんの中で、まろやかに馴染み、同居している。まるで長い時間煮込まれたカレーのようだ。ひとつひとつの素材が、形や味や香りを少しずつ残したまま、まろやかに一体化している。
人生の楽しかったことも苦しかったことも、すべてがおじいさん色に染められて、なんともいえない調和をかもしだしている。
見ている私たちが、映画であることも、役者が演技をしているということも忘れてしまうという、なんとも不思議な映画なのである。 |
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12/22(月) |
狛江のユニディ |
お風呂の部品が壊れてしまった。
うちのお風呂は、バランス釜というタイプ。シャワーと給湯を切り替えるスイッチが、パカンと割れてしまったのだ。ちっぽけな部品でも、修理となると大ごとになってしまう。けっこう高くつくかもしれない。
なんとかならないかと思って、壊れた部品を持って、日曜大工のお店に行ってみた。最初の店では、「ありません」と、けんもほろろの冷たい返事。
やっぱり、東京ガスに行かないとダメなのかなあ・・・
最近、ときどき徘徊している店のひとつに、狛江のユニディ(Unidy)がある。ペットカートに犬を入れて買い物ができるので、ヴェルと一緒に、店内をうろうろ、うろうろ、うろうろ・・・
(ヴェルを見かけたら、それは私です)
パンジーを買いに行ったついでに、工具売り場のおじさんに、ダメもとで聞いてみた。すると、「メーカーはノーリツですか?」と聞かれた。うちの風呂釜には、東京ガスのステッカーが貼ってあるだけ。メーカーまではわからない。
「東京ガスに電話するんだったら、値段をよ~く聞いたほうがいいですよ」「値段をよ~く聞いたほうがいいですよ」と、おじさんは繰り返す。
よく壊れる部品らしく、ノーリツのスイッチは、280円で売られていた。うちのは、ねじの部分が、それよりちょっと大きいようだ。
おじさんは、「リンナイですかね?」と言いながら、展示してある風呂釜から、スイッチをポンと抜き、ふたつを見比べた。
「このスイッチ、合いそうだなあ。これ、持っていっていいですよ。お宅の風呂にはめてみて、合ったら、280円払いに来てくれればいいですよ」
え~っ、そんなに親切でいいの???
サイズを間違って失敗した経験は数知れない。「いいんですか?」と展示品を指さすと、「また取り寄せますから、大丈夫ですよ」と、おじさんはにっこり笑った。
うちに帰って、スイッチをはめてみたら、ストーン、パチンで、問題は解決した。
網戸の張替えをしたときも、ユニディで材料を仕入れた。壊れた網戸の、ねじや蝶番の相談にのってくれたおじさんも、親切だったなあ。花を買うときに相談したおばさんも、丁寧に説明してくれたし。
親切なだけじゃなく、商品について詳しい人ばかりだった。
ところで、豆知識。
ユニディのおじさんが、「どうして、こんな壊れやすいところに、プラスチックを使うのかなあ?」と言っていた。困っている人が多いのだろう。
ある患者さんに聞いたら、それは、わざとそうしてるんだって。
圧力のかかるスイッチを、あえて壊れやすく作ることで、本体の中にある大事な部品を守るのだそうだ。
モノを作る人は、そこまで考えているのだ。何ごとも奥が深いなあ。さすがはプロフェッショナルだ。 |
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12/14(日) |
抗ヒスタミン剤のリバウンド |
3年前に右肩をこわして以来、テニスの時には、テーピングをしている。三角筋の前と後に、1本ずつキネシオを貼るという、簡単テーピングだ。
テニスの前に貼って、終わるとすぐにはがすようにしているのだけど、さすがに3年も同じところにテーピングをしていると、だんだん痒みを感じるようになってくる。
「またかよ~」と、皮膚が悲鳴をあげはじめるのかもしれない。
痒みの元はヒスタミンという物質らしい。だから、痒み止めには、抗ヒスタミン軟膏がオーソドックスだ。私の記憶では、ちっとも効き目がないという印象しかなかったので、何十年も使ったことがなかった。
でも、先々週、あまりの痒さに、富山の薬の箱の中から、抗ヒスタミン軟膏を見つけて、ためしに塗ってみた。
すると、驚きの効果。塗った瞬間に、スカーッとさわやかな一陣の風。一気に痒みが消え、皮膚全体がすっきりして、とてつもなくいい気持ちがつづく。そのまま1週間、痒みはおさまったままだった。
「こんなに効くものだったのか!」と、心底驚いた。西洋医学ってすごい。捨てたもんじゃないな、と敬服した。
次の週。あれさえ塗れば、痒みとはおさらばできる。テープをはがして、お風呂に入ったあと、いそいそとミラクル・クリームを肩に塗った。
あれ、あれ???
あの、ミラクルなさわやかさは、もうない。その上、数時間後に、また痒みがぶり返した。痒みに耐えられず、また塗った。
でも、痒みはおさまるどころか、ますますひどくなり、寝てもいられないほどの痒みに一晩中悩まされた。
ずっと薬と無縁だったせいか、最初の効き目はすごかった。でも、2回目はさほどの気持ちよさもなく、すぐに痒みがぶり返し、痒みの度合いがどんどんエスカレートしていった。なるほど、これがリバウンドというものか。
皮膚としても、何か理由があってヒスタミンを産出しているのだろう。「ここに異常があるよ」と、教えてくれているのかもしれない。薬でヒスタミンを抑えたことで、逆に、もっともっと出さなきゃと、皮膚ががんばったのかもしれない。
とにかく、もう、薬を塗るのはやめた。リバウンドの痒さを思えば、ありのままの痒さのほうは、まだまだ我慢できる範囲だ。
最近は、プロトピックのリバウンドに悩まされている、アトピー性皮膚炎の女の子の治療をしている。
リバウンド現象は不思議だ。
薬によって、リバウンドの起こり方は異なるらしい。プロトピックのリバウンドは、薬をやめて何年たっても、断続的にでるみたいだし。
彼女は、まだ完治とはいえないけど、かなり良くなってきた。治ったら、症例集で詳しく紹介するつもり。楽しみに待っててね~!
・・・とはいえ、書きかけの症例集が、まだまだ山とあるんだけどね。 |
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