doseiみづ鍼灸室 by 未津良子(ヴェルの思い出) 
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- 出会いから編  -
ヴェルの思い出
2009 ・ 1
1月5日 ちゃっかり、自分スペース
ヴェルが起きるのは私と一緒。お昼頃だ。

ヴェルはお陽さまが大好き。私が朝ごはんを作っている間は、日当たりのいい部屋で、日向ぼっこをするのが日課である。
そこには、お日様の差し込むあたりに、タオルケットが敷いてある。

あれれ? 

いつのまにか、そこにヴェルのぬいぐるみが置いてある??
自分のテリトリーである証拠に、自分のものを置いておく、というのが犬の習性なのだろうか?
ちなみに、おざぶハウスにもぬいぐるみが置いてあるよ。

ときどきは、私のお布団にもヴェルのぬいぐるみが置いてある。。。
1月11日 患者がわかる、犬テレパシー
ヴェルは、利口でおとなしくて、本当にいい子だよ。

最初に連れてきた日に、診療室の入り口に箱を置いて、そこから中へ入ってはいけないと教えた。
それ以来、決して診療室には入らない!

仕事場にいるときは、待合室の椅子の上で、何時間でも寝て待っている。(犬は16時間も眠るらしい)
治療が終わると、むっくりと起き上がり、遊んでもらいたそうに、期待のまなざしをする。

不思議なのは、患者さんには絶対に吠えないことだ。

たとえ、初めてきた人でも、それと分かるらしい。 宅急便やさんや物売りの人には、ワンワン吠えて、番犬をする。
銀行の集金の人は、2年たってもほえられ続けている。
うちの患者さんで、実家がお医者さんの人がいる。
その医院は坂の上に立っていて、車が坂道を登ってくる音がすると、ワンワン吠えたのだそうだ。
でも、患者さんの車だと、たとえ初診の人の場合でも、決して吠えなかったんだって。

どうやら犬には、テレパシーがあるみたいだよ!
1月21日 寒がりチワワ
グァムから帰ってきた。
ヴェルが元気で、ほっと安心。ヴェルもほっと安心したみたい。

東京は本当に寒いね~。
診療室は暖かくしてあるけれど、待合室はけっこう涼しい。
寒いときは、定位置の椅子の上で、丸くなって眠る。私の服をかけてあげると、頭から尻尾まで、スッポリくるまる。

~その姿が笑える~~
写真にとろうと、端っこをちょっとめくってみた。
ヴェルは顔を上げようともせず、目だけあけて面倒くさそうに私を見た。

今日は、朝10時から、家の近所をお散歩して、それから、治療室にやってきた。
だから、ヴェルはお疲れみたい・・・
1月27日 しょぼくれチワワ
私が出かけるしたくをすると、大喜びだったヴェル。私のあとを追いかけまわし、ピョンピョン、ピョンピョンはねまわる。

私の足に前足をかけ、大きな目を見開いて、じっと私の目を見つめる。
「連れてってくれるよね?」というふうに。

でも、旅行で留守にしたあとは、しばらくの間、ヴェルは別人のようになる。

カーペットの上に寝そべったまま、顔はあげても、目は下を向いたまま。まぶたを、半分開けたり、閉じたり、また半分開けたり。

・・・私と目を合わさないのだ・・・
「ヴェルも行く?」と言われてはじめて立ち上がり、尻尾をふって寄ってくる。
喜び勇んで、という感じでもない。ちょっとおどおどしてる。

最近は、テニスに行くようになって、ヴェルを置いて出る機会が増えた。
お留守番のあとは、しょぼくれヴェルになるので、ちょっとかわいそう・・・・
2月3日 くるまってま~す
まだまだ凍えそうな夜もある。そんなときは、厚めのフリースを着せる。
車に乗ったら、とりあえず、毛布でくるんであげるけど、マットも毛布もそうとう冷たい。
まして犬は、凍るような地面の上を、裸足で歩くのだもの。

ヴェルの目は、キラキラと、なにかをしでかしそう・・・
隙をみて、エイッと、私のひざの上に乗り移ろうと、様子を伺っているのだ。

家までは5・6分の距離。ヒーターをかけても、温かい風がでる前に着いてしまう。
この間は、あまりにも寒くて、ヴェルが、ガタガタ、ブルブル、思いっきり震えているので、ひざの上にのせたまま運転してしまった・・・
2月13日 番犬役
ガタンと、洗濯物のかごが洗濯機の上から落ちた。

ホットカーペットの上で、まったりと寝そべっていたヴェルは、突然立ち上がり、ワンワン、ワンワン吠えはじめる。

宙に向かって、ワンと吠え、部屋の中をくるくる回り、ワンワン言いながら、敵を探す。

下の写真は、見えない相手に吠えている顔だ。威嚇しているつもりらしい。ときどき、こうやって番犬役をする。
たいていは、的外れで、ヴェルの勘違い。
実は、ヴェルには、番犬の才能はないんだよね。人間にも聞こえる音にしか反応しないもの。(^-^)~~

治療室では、アパートの門扉を開ける音が、カチャッと聞こえると、ワンと一声吠えて、私の顔を見る。「いかがでしょう?」とでも言いたげに。
患者さんのときには吠えないのが、番犬としての唯一のとりえかな?
2月22日 犬ごはん⑤ ぬか漬け大好き
朝ごはんを食べなかったヴェル・・・
やさしげな瞳でじっとしたまま、お皿のほうに近寄りもしない。前の晩に、「くれ、くれ」とおねだりされ、あげすぎてしまったのかな?
そういうときは、朝ごはんを食べずに、自分で体調をコントロールする。
夜には食べたので、安心していたら、また、次の朝もご飯に見向きもしない。2日もつづけてというのは初めてだ。

2日目の夜、下痢ピーになった。軟便はたまにあるけど、水のようなピーは初めてだ。

なんだか、元気もない気がする。心配だ。とりあえず、ビオフェルミンをチーズに仕込んで食べさせてみた。
すると、効果てきめん。次の日の朝は、ぴょんぴょん跳ねて、「もっと、もっと」とおねだりした。やっぱり、犬はそうじゃないと、ね!

ビオフェルミンは乳酸菌なので、おなかに優しいし、けっこう効果がある。最近、ぬか漬けをさぼり気味だったかもしれないなあ。

うちに来るまでは、ドッグフードで育っていたので、はじめは肉しか食べなかった。野菜も魚も、くんくん匂いをかいでから、「けっこうです」とでも言いたげに向こうに行ってしまった。

匂いをかいでいるうちに、だんだん慣れてくるのかな?
しばらくすると、匂いをかいだあと、パクリと口に入れるようになる。
ちょっとずつ、いろんな食べ物に挑戦するようになり、今では何でも食べる犬になった。

初めて食べたぬか漬けは、セロリだった。それ以来、ぬか漬けが大好きになった。肉並みの喜び方だ。ちょっと大きいのをあげると、いそいそと自分のハウスまで運んで、ゆっくり食べる。

ぬか漬けは、乳酸菌など、身体に有用な細菌類を補給できる。塩分を取りすぎないように、ちょこっとだけね。
2月28日 お散歩コース(冬の野川)
冬の野川は、いろいろな水鳥がいる。この白鷺(シラサギ)も、その一羽だ。
でも、ヴェルは、鳥には興味がないようだ。川のほうを見ようともしない。あっち行ってクンクン、こっち行ってクンクン・・・

ひたすらマイペースに、あちこち匂いを嗅ぎまくり、なかなかスムーズに歩き出してくれない。
その間、私は水鳥たちを眺めている。
白鷺も鴨の親子も、近づこうとすると、バサバサッと大きな羽音を立てて、いっせいに逃げてしまう。

写真に撮るのはむずかしい。見にきてね~!
3月7日 高い、高い
子供も犬も、背の高い男の人に抱っこされるのが好きだ。高い位置から、あちこち見渡せるって、気分いいもんね。
ポプラに抱っこされているヴェルの顔って、なんか、誇らしげでしょ。

つい、赤ちゃんにするみたいに、犬を「高い、高い」したくなっちゃう。
だけど、犬には冗談は通じない。恐怖を味わうだけで、ちっとも楽しくない。「高い、高い」は厳禁だ。

まだ歩けもしない赤ちゃんでも、脳は犬より高機能だ。
高く放り上げられて、「怖い」けど、スリルがあって楽しい。決して、落とされないという、強い信頼関係があってのことだけど。

犬の群れは、ボスが、すべてを見渡せる一番高いところに位置する。外敵の侵入を見張り、群れを支配するためだ。

ペットの犬が、人間の言うことを聞かなくなって、自分がボスと思い込むことを、アルファ・シンドローム(権威症候群)というんだって。
そういう犬をしつけるためには、まず、ソファの上にあがらせないようにすることから始めるらしい。

ヴェルも、待合室のイスの上がお気に入りで、「のせてくれ」とおねだりする。

ヴェルは、ちゃんと自分をわきまえているので、イスの上で寝させてあげる。床の上は、寒いしね~。
3月15日 自己主張パワーアップ
ヴェルとの散歩は、引っぱりあいからはじまる。
外に出ると、まず、自分の行きたい方向に、ぐいっと踏んばる。

身体を低くして、リードを引っぱりながら、ずるずるとバックする。
リードがゆるんだ瞬間にUターンして、大いそぎで、反対方向にスタスタ走る。その速いこと、速いこと。。。

仕事の時間が迫っているときや、急いでいるときは、私がリードをぐいぐい引っぱる。
ヴェルはおっとっと。前足でトントンつんのめる。足の爪をアスファルトに立てて、ブレーキをかけようとする。

(おかげで、爪が削れるので、爪切りの手間がかなりはぶける)
踏んばっているときのヴェルは、こんな顔をしている。すごい集中力でしょ。
小さな頭で一生懸命考えて、小さな体を全身つかって、必死でがんばるんだよね~。

どんどんたくましくなって、パワーアップ。
「遠回りしたい」とか、「帰りたくない」ならわかるけど、理由がわからないことのほうが多い。自分なりに行きたいところがあるらしい。

「匂い」なのかな?
○ ○ 追記 ○ ○
追記・6 「番犬能力」はゼロ
犬の最もありふれたイメージは「番犬」である。

子どものころに飼っていた雑種のトッピーは、それこそ何分も前から、父が帰ってくるのを察知できた。まだ遠くを歩いている父を、クイ~ン、クイ~ンと呼んでいた。
帰宅するなり、まず犬の散歩に行ってあげていたから、父の帰りを待ちわびていたんだろうね。

家族や友人が来れば、シッポを振って喜ぶ。見知らぬ人には警戒して、ワンワン吠える。それも、前もってわかるのだ。
犬というものは、誰にも教えられなくても、躾けられなくても、本能的に番犬役をするのだなと、えらく感心したものだった。

ヴェルが赤ちゃんのとき、その前から飼われていた、ダイナという2歳年上のチワワの男の子がいて、何年か一緒に暮らしていた。

ヴェルがまだ2歳、ダイナが4歳ぐらいの頃と思う。1週間、2匹をうちで預かったことがある。

家族が帰ってくるのをいち早く察知して、シッポをパタパタ振りながら、2匹で玄関にお出迎えに行く。
人間は、カチャカチャと床を歩く犬の爪の音で、「あ、誰かが帰ってくるんだな」と気づく。

「やっぱり犬ってすごいな」と、2匹の番犬ぶりに感心した。

でも、「番犬能力」は、ダイナにだけあったものらしい。ダイナは2年前にすでに亡くなっていたので、うちに来たときは、ヴェル一匹だけだった。

あんずはいつも歌を歌っていた。あんずの歌声が、遊歩道から聞こえてくるので、人間は「あんずが帰ってくるな」と気づく。
・・・でも、ヴェルは気づかない。

団地の階段を3階まで、ドタドタと上がってくるあんずの足音が響いてくる。人間は気づくが、・・・でも、ヴェルは気づかない。

玄関のドアが、バタンとすごい音を立てて開く。
それでも、ヴェルはまだ気づかない。

あんずは玄関に立つやいなや、靴をぬぎながら、「ヴェル~!」と叫ぶ。
その瞬間に、ヴェルはやっとあんずに気づく。ガバッと起き上がって、いそいであんずをお迎えに行く。
いつもいつも、誰のことでも、気づくのは人間よりあとだった。

7歳でまだ耳も遠くなっていないというのにね!
ユーガ君が生まれたあとは、赤ちゃんが泣くと、ワンワン吠えて教えてくれたのだから、「外敵から家族を守る」という発想がなかったのだろう。
お坊ちゃま育ちの箱入り息子だったからなのだと思う。

「番犬本能」はあった。ただ、とろいので、すべてが人間よりあと。
物売りや営業マンが来て、私が気づいて対応をはじめたあとで、あわててワンワン吠えはじめる。
患者さんと、そうでない人の区別はついていたけど、「番犬能力」がゼロだったのである。

「今頃吠えても遅いよ~」、と私。
『ワンワン!』と、ヴェルは吠えている。
「ヴェル、もう遅いんだってば」、と私。
『ワンワンワン!』、とヴェルはまだ吠えつづける。

ヴェルを治療室において、出かけたときのこと。
宅急便屋さんからのメッセージが、携帯の留守電に入っていた。
「電気もついていますし・・・(ワンワン)・・・どうやら・・・(ワンワン)・・・ご在宅のようなのですが・・・(ワンワンワン)・・・」

ヴェルはピンポンの音に反応し、一生懸命吠えていた。
吠え声があんまりかわいいので、ずっと保存してあったのだけど、機種変したときに消えてしまったのが残念である。

治療室に来はじめてから2年ぐらいは、患者さんがドアを開ける前に、誰かわかってお迎えに行くこともあった。

かわいい女の子だと、いそいそとお迎えに出る。おじさんだと、寝たままで動かない。
同じ時間に予約だと、先に来たのが誰なのか、ドアを開ける前にわかったりするので、ヴェルにはテレパシーがあるのかな?
な~んて思ったんだけどね。

年とともに、そういうサーバント的なことはしなくなっちゃた。
人間と同じで、年寄りになると、どんどん偉そうになっていくんだよね~。
平和に眠りをむさぼるヴェル。ハウスと決めた場所に象を置いて
updated: 2014/12/2
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