dosei みづ鍼灸室 by 未津良子(症例集)
症例48・ぎっくり背中
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症例48・ぎっくり背中
ぎっくり腰の背中版
筋肉に「寒」が入る
ぎっくり腰」は誰でも知っていますよね。西洋医学的には「筋炎」もしくは「筋膜炎」とのことです。
ですので、筋肉のあるところ、体中のどこにでもおこります。

ぎっくり首は「寝違え」と呼ばれます。背中におこると「ぎっくり背中」、お尻におこれば「ぎっくり尻」です。
(背中から胸に波及する「ぎっくり肋間筋」も追加しました。2016/4/13)

東洋医学的には、筋肉に「寒」が入るとなる、とされています。
筋疲労が溜まってくると、筋肉の内部の血流が止まり、冷えていきます。
そこに冷気が入り込んで起こる病です。

気圧の変動や、真夏のエアコンなどによっても誘発されます。
肩甲間部のぎっくり背中
16年以上前のことですが、私もひどいぎっくり背中になったことがあります。
キャベツを切っているとき、右の肩甲骨の内側が、いきなりギクッとなりました。

そのとたん、息も吸えない、身動きもできない、という状態になりました。
料理のつづきを娘に任せ、そろりそろりと椅子に移動し、手足に応急処置をしました。
患部に手が届かなくても、経絡の調整をすると、動けるぐらいにはなります。

首を動かそうとしても背中が痛み、体幹も動かせません。
肩甲骨は腕の動きに連動するので、腕を動かすときにも痛みが出ました。
深部の筋は呼吸のときにも使うので、息もしにくくなります。

何人かに治療をしてもらったのですが、背中の鈍痛は長くつづき、治るのに2ヶ月ぐらいかかってしまいました。
急性のぎっくり背中
同じ症状の患者さんがはじめて来たのは、1998年7月のことです。

ITさん(当時27歳、男性)は大工さんで、朝、大きなテーブルを動かした拍子に、背中がギクッとなったそうです。
前日に材料をたくさん運んだので、その疲れがあったのかもしれないと言ってました。

首も含めて上半身がまったく動かせず、できるのはそろりそろりと歩くことぐらい。腕も動かせない、呼吸をするのも苦しいとのことで、私のときとまったく同じ症状でした。

仕事を休んで治療に来たのですが、ぎっくり腰と違って、人に理解されにくいというつらさもあったそうです。
「お灸で治るのではないか?」という、自分の考えを試してみるチャンス到来です。
昔は糸状灸で治療
ぎっくり背中は、脊柱と肩甲骨の内側におこります。
かなり深いところにある筋肉におこるので、患者本人は、体内感覚としてどこが痛いかは分かるけど、背中を押しても、「そこ」という明確な答えがありません。

昔のカルテを見ると、今とはちょっと治療のやり方が違っています。

IHさんには、患部を囲む糸状灸をし、溜まった邪気を抜く治療をしました。
体表から部位を探るのは難しいので、痛みが軽くなるまで、糸状灸をくり返しました。右胸にも透熱灸をし、金粒を貼りました。
もちろん、経絡治療などで全身の調整もしました。

年齢を重ねると古いこりがあちこちにあるので、けっこうやっかいですが、若い男性なので、1回の治療で治りました。
現在の治療法
ぎっくり背中が主訴で来院する患者さんはあまりいません。
他のことで治療にきていて、「今日は背中も」ということが多いです。

今では患部に単刺(1本のハリで、刺しては抜きをくり返す手技)で、あらかたのこりを取りってから、患部に灸点紙をしいて、透熱灸をしています。

ベテランになると、簡単にツボが取れるようになるので、たいていの場合、それで治ってしまいます。

それでもダメなら、患部の裏側、胸に透熱灸をします。
背中は「陽」です。病が長引くと「陰」にもぐりこむので、胸のツボのお灸を加えます。

それでもダメなら、反対側治療として、手足のツボを探して銀粒を貼ります。
磁石を使っての背骨の矯正をすることもあります。
肩甲骨下方のぎっくり背中
肩甲骨と腰の中間の筋肉が、ぎっくり背中になることもあります。
脊柱から離れた部位におこります。

「動けない」ほどの状態にはならず、違和感がある程度です。
単刺での治療をしてみて、それで取れなかったらお灸をします。
症状によって、糸状灸、透熱灸、あるいはカマヤミニでも治ることがあります。

バイクの事故で背中を痛めて、身動きもままならなかった男の子がいましたが、急性だったので、患部の糸状灸だけで治りました。
Updated: 2014/9/5