360度ストレッチ with リカちゃん |
人体には100以上も骨格筋があります。筋肉をひとつひとつイメージしながら、あらゆる方向に伸ばすのが360度ストレッチです。
小刻みに角度を変えながら「動いて」行う、ムーブメント・ストレッチなので、各自で動きを工夫をしましょう。
痛みが出る角度は「要ストレッチ」のポイントです。10秒を目安にこらえましょう。
① |
初級 |
「もうこれ以上は無理かな」というところで、しばらくそのままでいると、またちょっと曲げられます |
② |
中級 |
痛みが出る角度を発見したら、10秒ずつ数えながら、ゆっくり負荷をかけて1分間保持します |
③ |
上級 |
どの角度でも痛みが出なくなったら、モゾモゾ、クネクネ、あちこち身体をよじりましょう |
リカちゃん人形のおかげで視覚化できました。Q24「正しい」歩き方とは?リョコちゃんウォーク もあわせて参考にしてください。
リカちゃんは可動域が狭いので、想像力でおぎなってくださいね! |
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ライフスタイルに合わせて組み込む |
いつやるか、どういう順にやるかは、自分のライフスタイルに合わせて決めてください。
私の場合は、いったん活動を開始すると、もうストレッチをする余裕がなくなるので、「ストレッチが終わるまで、朝ごはんを食べられない」と、自分に縛りをかけてやっています。
朝のまどろみの時間を利用して、まず「おふとんでごろごろ」からはじめています。そのまま床に坐って「真向法」などをつづけることもあります。立位でやるストレッチは犬の散歩中にもやれます。
初心者の方や時間のない方は、3つのパターンを別々に、日替わりでやるのもいいでしょう。 |
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つらいポーズをがんばる |
すいすいとストレッチができる角度は、その筋肉が充分柔らかいということです。痛くて苦しい角度は、その筋肉が硬くなっている証拠です。そこを重点的にストレッチしましょう。
「これ以上は無理かな?」と思っても、そのままの姿勢でじっとしていると、もう少し曲げられます。
痛い角度は1分ぐらいがんばりましょう。苦しいときは、10秒ずつとか小分けにするといいですよ。
あまり無理しない程度に、「ちょっとだけ無理をする」のがコツですが、「やり過ぎ」の心配は無用です。
自分で首を絞めて自分を殺せないように、ゆっくりやれば壊すことはありません。
もし壊しても、鍼灸治療ですぐに治せます。古いコリを一掃するチャンスでもあり、驚くほど身体が軽くなります。 |
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自分の身体を把握する |
自分の身体に張り巡らされている百の骨格筋を、あなたはいくつぐらい認識できているでしょう。
ストレッチをすると、「この角度は楽チンだ」「この角度は苦しい」と、自分の筋肉の状態を知ることができます。
関節に痛みがあったら、そこにつながっている筋肉を探りましょう。
カチンカチンに硬くなっている筋肉があるはずです。
「痛む部位を守ろうとして筋肉が硬くなる→硬くなって縮まって付着部を引っぱる→悪化する」という悪循環がおこっているのです。
筋肉は縮むことで働くので、どういう動作にどの筋肉が使われるのか、収縮を手で触って確認もできます。
そこを重点的にストレッチをしましょう。 |
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ストレッチで患部を治す |
ストレッチの治療効果は、①悪くなる前、②悪くなりはじめ、③治りかけのときに発揮します。
①は日ごろの努力です。つづければ誰でも若返っていきます。
②は痛みが出はじめたタイミングです。痛みをこらえて思いっきり伸ばすと、そのまま治ってしまう場合があります。
③の「治りかけ」のタイミングですが、正確に判断するのはちょっと難しいです。
まだどん底だったら無理は禁物。こじらせる危険性があるからです。
「もうちょっとで治りそう」というときに、痛みをこらえてストレッチをしたらそのまま完治、そういう例はたくさんあります。 |
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筋トレを兼ねる |
年を取って、テニスのフォームが崩れていく、ゴルフで飛距離が伸びなくなる・・・原因のひとつは柔軟性の低下です。筋肉が癒着し、大雑把な動きしかできなくなってしまった結果です。
360度ストレッチは、それぞれの筋肉の走行にしたがって、それぞれ別方向に可動域を広げ、柔軟な身のこなしを手に入れることができます。
同時に筋力を向上させることができます。
立位のストレッチでできる筋トレは「ふんばる」力です。
意識するのは、軸足の安定。片足1本で身体を支える訓練にもなり、テニスやゴルフのときの軸足の安定にもつながります。
ふんばる筋力を鍛えれば、どんな姿勢で着地しても、怪我をしない身体をつくることができます。
身体をそらすときは腹筋、背筋も鍛えられるし、軸足の筋肉、体幹の筋肉などの筋トレも兼ねているという、一石二鳥のストレッチなのです。 |
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ストレッチをつづけた私の変化 |
立位での前屈で、指先が床についたことのなかった私ですが、ストレッチをはじめて半年たったころ、手首が床につくようになりました。1年でスピンサーブが打てるようになりました。
3年たったある日、歩き方が変化し、腰から足が出ていることに気がつきました。まるで外人のようです。
ずっと、かかとをひきずって歩く癖があったのですが、いつの間にかちゃんと歩けるようになっていました。
5年を過ぎてぎっくり腰になったとき、両足をそろえての前傾姿勢だけができませんでした。
盲点に気づき、真向法を追加しました。床に坐っての開脚で、顔が床まであと10センチのところまできていました。( 私のブログ、2016/5/6)
1年後(2017/5/28)、『もしや?』と思って頭を下げてみたら、おでこが床につきました。今年になって(2019/2/22)、床にキッスできるようになりました。 |
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やりすぎて壊したあとは、いきなり若返る |
6年半目、娘と一緒にストレッチをやったときに、どうしてもほぐれなかった硬い筋肉が伸ばせるポーズを発見。
新しいストレッチ(★ムーブメント#18)をはじめました。(私のブログ、2017/8/25)
一気にほぐそうとハードにやり過ぎ、右太ももの内転筋(半腱様筋)を痛め、次いで、すぐとなりの内転筋(薄筋)を壊しました。
そのあと、まるで津波に襲われたような状態になりました。あちこちに不具合が続出。ひどい腰痛に次々に襲われ、身体の重さにも苦しみました。
最後に梨状筋の治療をしてもらったあと、羽が生えたように身体が軽くなりました。(私のブログ、2017/10/7)
2ヶ月間の「集中工事」は終わりを告げ、その後も改良を重ねました。
「おふとんでごろごろ」ストレッチを思いついた(2017/9/3)あと、最近では中上級、ほぼ痛みなくやれるようになりました。
360度ムーブメントストレッチが完成し、現在は信じられないほど快調です。
Q21:「ストレッチの効果は?」を参照してください。 |
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