5/12(土) |
白馬(八方尾根)で写した |
スキー仲間や患者さんたちから、白馬の話を聞いて、どんなところなんだろうと興味深々だった私。
昔、車でとおった記憶はある。でも、地理にうとい私の頭の中では、もやもやと白い煙のようなイメージがあるだけ。
「このもやもやを形にしたい」という思いから、またまた春スキーに行くことになった。
2連休をとったのに、初日はあいにくの雨で、次の日は、曇りのち晴れの予報。視界が悪いと、目的の山の景色が見えないかもしれない・・・
一種の『賭け』だ。
忙しい人間は、「お天気だから出かけよう」というわけにはいかないものね。 |
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翌日は、雲が風に押し流されて、ラッキーなことに、朝から晴天になった。
宿泊先は八方尾根の旅館、まるいし。お料理がとてもたくさんで、美味しくて、もてなしの心づくしがいっぱい。
目の前の八方スキー場は、下のほうが雪がなくて、初心者には難しいコースだけなんだって。朝一で、歩いてスキー場に行き、ゴンドラに乗って、山頂へ。
たしかに、白馬は、景色がすばらしかった。(4月の写真がやっと届いたの) |
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滑ったのは、近くにある、HAKUBA47というスキー場。
前日に雨が降ったので、雪がぐちゃぐちゃで、滑りにくかった。滑り出しは、まるで、初めてスキーをはいた人のようだった。
だんだんに慣れて、最後はなんとか急斜面を滑り降りることができたけどね。 |
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5/2(水) |
「テニス肘」を書き直した |
手首痛を更新したあと、頭にチクっと、ひっかかるものが・・・?
筋肉の勉強をやりなおしたおかげで、テニス肘のページの間違いに気がついた。
自分のフォアハンドの治療をしたとき、肘を内側にひねる形で痛みが出たので、本を調べて、肘を回内する筋肉「橈側手根屈筋」の障害と思い込んだ。その筋肉は、上腕骨の内側上顆から出る。
(実際に治療したのは、外側上顆の内よりから、親指に向かう筋肉だった)
その後、バックハンドで肘をそらす筋肉を痛めたときは、外側上顆の外よりで、フォアハンドのときとは、あきらかにラインが異なっていた。
それで、『回内筋は、外果の内側=内側上顆、伸筋は、外果の外側=外側上顆』という、おおきな勘違いをしてしまった。
冷や汗ものである。1年間も、間違った記述を公にしていたのかと思うと、本当に恥ずかしい。
手首の筋肉について、表を作ったのも良かった。
橈側手根屈筋が(手首では①、肘では⑫)、手首の内側の中央をとおっていることを知り、私が治療したラインと違うことに気づいた。その筋肉は内側上顆から始まっている。
「あれ?なんか変!」と、自分の間違いにやっと気づいた。
真実は、フォアもバックも伸筋の障害、ということである。
フォアで痛めたのは、肘の回内筋ではなく、「手首を外転する筋肉」、長橈側手根伸筋(手首⑦、肘③)と、短橈側手根伸筋(手首⑧、肘④)である。
「手首をかぶせるように、親指側にひねって」打ったから、肘を痛めてしまったのだ。
鍼灸は、手で、痛いポイントを探して治療をする。
筋肉の動きをたしかめ、痛みのラインを見つけ、それが治療によって改善されれば、そこが障害部位であることがわかる。
ほとんどの病気の治療は、手探りでできるのだけれど、治療が行き詰ってしまうこともあるので、解剖学はありがたいね~。
ただ、連鎖反応的に、いろいろな筋肉に障害が出るので、けっこう、ごっちゃになってしまうことが多い。
治療しながら本を調べても、とうとう何筋かわからないまま治ってしまう、というのがたいていのパターンである。
すでに書き上げたものを手直しするのって、すごい大変だった。随所に間違いがちりばめられている。更新の日付後も、何度もやり直しちゃった。
自分でホームページを作っていると、すぐに直せるのがいいところだね。
というわけで、症状と治療に関しては同じだけど、興味のある人は読んでみてね。しかし、「長い」。しかも「くどい」。
テニス肘には、ほんとうに苦労したからね~。 |
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4/22(日) |
今年初、症例集を更新したよ~~ |
この1ヶ月は、手に痛みのある人がほんとうに多かった。患者さんだけでなく、知人の話、そして自分も。
気温の変動のせいと思う。手は、いつも外気にさらされている。手袋をするほど寒くはないし、暖房して寝るほどでもない。それで手が冷えて、手や指にいろいろな障害が出たのかもしれない。
先週、また丸沼高原にスキーに行った。1月から痛めていた右の手首が、やっと治ってホッとしていたのに、入れ違いに今度は左の手を痛めてしまった。
前の日に雨が降って、ゲレンデはグチャグチャだった。春スキーってそんなものらしい。すっごい滑りにくかった。
そんなコンディションにもめげずスキーに来ていた人は、本物のきちがいらしい。私と同じぐらいにヘタな人は、1人か2人見かけただけで、ものすごく上手な人ばかりだったよ。
私は、いつものように、ひたすらターンの練習。デコボコの上に板がのっかって、何度も転びそうになった。たぶん、子どもの頃からのクセと思うけど、片足1本でターンをしている自分に気がついた。
『片足だと不安定だな~』 『反対足にも2割ぐらいの加重をかけて、両方の板のエッジを雪にかませるといいのかな・・・』、などなど考えながら滑って、大分安定感が出た気がする。。。
転びそうになった瞬間、ストックで身体を支えて、左手に過負荷がかかったのだと思う。手の筋肉を複合的に痛めてしまった。
そのときはたいしたことなかったんだけど、数日たつうちにどんどんひどくなった。左手はツボを取るし、指圧にもつかう。手の筋肉のあちこちに、プスプス、ハリを刺しまくったら、すぐに良くなったけどね。
そんなこんなで、久しぶりに、解剖学の教科書など引っぱりだして、手の勉強をしなおした。
テニスやスキーの勉強ばかりでなく、本業もちゃんとやれよ~、という神様のお告げだったのかな?鍼灸は、手でツボを探すだけで、ほとんどの治療ができるけど、そうはいかないこともある。
久しぶりに症例を書く気持ちになった。症例44「手首痛」だよ。筋肉の走行の表まで作ってしまった。読んでね~。
前々回の手の5人目の患者さんは、手根管症候群だったこともわかった。次の症例にしようと思う。 |
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4/8(日) |
テニスの開眼① サーブ |
最近、やっと、サーブのコツがつかめてきた。フォームの改造に取り組んでから、1年半ちかくもかかったけど。
(テニスに興味のない人は、読み飛ばしてね~)
ワン・ステップ目は、『腕の振り』だ。トスの上げ方から練習し直した。左手でトスを上げると同時に、右手を肩にかつぐ。(バンザイ型というらしい)
その位置から、耳の横をとおって、腕を真上に放り上げるようにして、ボールを打つ。腕の後ろ側にある上腕三頭筋を、伸ばす力で打つのだ。身体全体のバネを利用することができる。
(素人は、力こぶの出る上腕二頭筋を使いたがるのだが、そうすると、腕の力だけで打つことになってしまうので、NGである)
ここまでは、3ヶ月くらいでできるようになった。
京王のSaコーチは、「腰の回転」を主張する。体幹を固定させた方が、安定したサーブが打てるという考えだ。でも、がんばりすぎて、ぎっくり腰になった。
去年、杉山愛が、女子のナンバーワン、ウォズニアッキにインタビューしたとき、「腰の回転はどうしてます?」と聞いていた。
ウォズニアッキは、「腰の回転は使いません。肩越しにボールを見て、こうやって」とストロークのフォームを実演してくれた。
トップの選手ですら、女子は、腰の回転は難しい、ということなんだよね。やっぱり、男子とは身体の構造が違うからね~。
京王のSuコーチは、「サーブで腰の回転は使いません。そのほうが早いボールが打てます」ときっぱり。すごいサーブを打って見せてくれた。
「でも、サーブは、一人一人違っていいんです。なんでもありですから、好きなように打ってください」だって。
この半年間は、テニスクラブの先輩、Mさんにサーブを教わっていた。
「身体が早く開きすぎて、正面を向いて打っている。腰の回転は使わず、横向きのまま打ちなさい」
ボールを打ち終わる、最後の最後に、前方に倒れこむようにして、そこで腰の回転を使うんだって。
つまり、2スッテプ目は身体の動き。『横向きで打つ』だった。
まず、息を大きく吸って止める。トスを上げた左手をそのまま、高く掲げた状態で、「エイッ」と、横向きのままボールを打つ。
私がひとりでサーブ練習をしていたとき、クラブの別の男の人が、教えてくれたことなんだけど、打った直後に左手を胸におきなさい、って。そうすると、身体が流れず、ボールにインパクトが伝わるんだって。野球のピッチャーは、投げ終わる瞬間に、グラブを胸に抱えているでしょ。
なんたって、京王テニスクラブは、素人コーチの宝庫。毎日練習しているテニスきちがいがたくさんいて、あれこれ教えてくれる。
そんなこんなで、1、2、3、と、フォームを分解し、順番にやっていくんだけど、いいサーブが入るときもあれば、めちゃめちゃになってダブルフォルトの連続になってしまうときもある。
3ステップ目は、『ボールをよく見る』だった。フォームにばかり注意が行って、肝心のボールを打つときに注意力散漫になってしまっていることに気がついた。Mさんに、「次はダブルフォルトしそうだなって、遠目で見ても分るんだよね」と言われて、気がついたんだけどね。
そこまでの形は、「できている」と信じて、ボールを打つ瞬間に集中することにした。
4ステップ目は、『手首の形』である。Saコーチには、初心者の頃から、ストロークのときに「手首を90°」と教わりつづけていたのだけれど、どうしてもできなかった。筋力がなかったからなんだよね。ほとんどのおばさんは、手首を伸ばしたまま、遠心力でラケットを振りまわして打っているもの。
最近、特訓で鍛えられているうちに、筋力がついてきて、手首を固定したまま打てるようになってきたんだ。
そこで、先週、開眼した!
ラケットはゆるく握っておいて、「打つ瞬間に、ぐっと握る」と教わっていた。そんな気がしていただけかもしれないけど。
ふっと思いついて、トスを上げるときから、ラケットをギュッと握って打ってみた。そしたら、すごいボールが飛んでいった。
あれあれ?ボールに力が伝わったのがわかった。
それまでは、ファジーなサーブが飛んでいってた。打つ瞬間の握り具合で、すごいサーブにもなるし、当りそこないにもなる。コースなんか選ぶどころの騒ぎじゃなく、ボールがどっちに飛んでいくか、行方を見るまでわからなかった。
5スッテプ目は、『手首を入れる』である。去年、京王のIコーチに「腕の振りはいいですね。あとは、最後に手首を入れるといいですよ」と言われた。
Mさんにはずっと、「サービスラインをオーバーするように、大きくサーブを打ちなさい」と教わってきた。フォルトしても、オーバーだと「ナイス・サーブ!」という具合に。
Mさんに、「なるほど。空に向かって大きくサーブを打って、最後に手首を入れると、コートの中に入るんだね!」と言ったら、「そう」と、にっこり。
今すぐは無理だろうな。サーブの最後に手首を入れるには、相当な筋力が必要だ。無理をすると、また手首を痛めてしまうから、ゆっくり気長に練習することにしよう。
ということで、次は最後のステップ、「コースを狙う」ことに挑戦するつもり。
サーブのフォームの改造は一段落。長~くかかったけど、週に2回しかテニスができないんだから、しょうがないよね。 |
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3/31(土) |
手の病炸裂、そして・・・? |
先週の土曜日は、妙な日だった。手や腕に問題がある人が5人も来たんだよ。日曜日にも1人。合わせて6人で、全員女性。
ぎっくり腰や寝違え、ぎっくり背中の人が多発する日っていうのは、ときどきあるんだけど、それでもせいぜい2・3人で、年に数回ぐらいのもの。
手の病が2日間で6人なんて、前代未聞。ちっぽけな治療室なんだから。
1人目は、もともと腱鞘炎と手湿疹のある人。小さなお子さんがいるので、なかなか治療に来られず、半年ぶりの来院だった。ちなみに、手湿疹は、患部に糸状灸をすると即効性がある。患者さんいわく、
「熱~~い!まるで拷問だぁ~!」「でも、終わった後の、この快感はすごい!」
2人目は、テニス肘。テニスはしていないけれど、真面目な主婦なので、なかなか完治せず、去年から一進一退を繰り返している。
3人目は、ひざ痛が主訴で来ている人なのだが、前日から、手をギュッと握ると、両方の手の平が痛い、とのこと。重いものを持って歩いたせいらしい。簡単な鍼と糸状灸で、すぐに良くなった。
4人目は、これまたメインとは別に、手首(右の小指側)に痛みがあって、どんどんひどくなってしまったとのこと。実は私も同じところを痛めている。自分で自分には、できない治療をした。(羨ましい・・・)
5人目は、指の痛み。来週の予約の人だったが、飛び入りで来た。右の人差し指が、真っ赤になって腫れている。痛くて指を曲げられないうえ、知覚過敏(熱いシャワーがあたると痛い)もある。
親指と中指にも同じ症状があるのだけど、不思議なのは、両方とも、人差し指と隣りあう側に、赤味と腫れがあることだ。
こんな症状ははじめて見た。何の病気なんだろう?鍼をしてみて、お灸をしてみて、邪気も抜いてみて、すごい苦労したけど、かなり曲がるようになった。
次の日にはほとんど良くなったとのこと。
6人目は、3年ぶりに治療に来た古くからの友人。なんと、腕に帯状疱疹が出たのであった。胸や背中の肋間神経や、顔の三叉神経に出るものと思い込んでいたけど、腕に出ることもあるんだね~。
指の腹(正中神経)と、肘から手首にかけて(橈骨神経)に、あちらこちら、赤いブツブツと水疱とカサブタが混在する、「ウィルスのコロニー」(注:私のつけたニックネーム)があった。
帯状疱疹は、鍼灸で劇的に良くなる。
軽くハリをしたあと、透熱灸をした。なかなか熱さを感じないので、何十壮もやった。ビリビリした痛みは消えて、皮膚の盛り上がりも平らになった。ウィルスの活動が沈静化し、コロニーが崩壊し、空き家になった、という感じである。
最初の症状は、「あ、指が痛くて曲げられない」と、「あ、赤く腫れてる」だったそうだ。すぐにやれば、皮膚に痕跡を残さずにすむのだけれど、発症から1週間たっているので、しばらくの間、シミのようなあとが残るのを覚悟しなければならない。
翌日にはほとんど良くなったと連絡が来た。
それと・・・、
不思議な偶然(シンクロニシティ)を感じさせる出来事があった。
6人目の女性の治療から3日後、彼女のお姑さんが亡くなった。
病院で点滴を続けていて、亡くなる前日、右腕がパンパンに腫れていたそうだ。腕のあちこちが内出血していたのだが、その紫色のまだら模様が、嫁の帯状疱疹とそっくりだった。
98歳という高齢で、認知症もあったので、本人が訴えられない痛みを、嫁に伝えようとしたのだろうか・・・、な~んてあれこれ考えてしまった。
(私も大好きだった女性の大往生でした。ご冥福をお祈りしています) |
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