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ティラの部屋 チワワのティラノ
8ヶ月
#1
2017・ 1
3月11日 2週間で疲れ果てる
子どもの犬は目が離せない。何にでも興味津々で、何でもかじり、何でも食べる。
やっていいことと悪いことを教えるために、部屋を閉め切って、人間の目の届くところで遊ばせることにした。

電気のコードも「ダメ!」、本棚をあさっても「ダメ!」、テーブルの上のものに手を出しても「ダメ!」
一番の問題は拾い食いである。綿ぼこりやゴミまでくわえて、もぐもぐと口を動かす。「ダメ!」と言われてすぐに放さないときには、口をこじ開ける。

・・・そんな調子で、怒られることしかしない。
「自由にさせるっていっても、ティラの場合は、ダメダメと叱られつづけることなんだよね」とポプラが笑う。

トイレシートをあちこちに広げて、シートの上でおしっこやウンチをしたら、大げさにほめちぎる。そのためには、ず~っと見張っていなくちゃならない。

(ちなみに、失敗しても決して怒らない。隠れてするようになると困るからである)
さんざん暴れまくって、さすがに疲れたみたい。堂々たる後姿でしょ。この頃はまだ、休むときでも緊張していたみたいだよ。

気が抜けないので、ティラ以上に、人間のほうが疲れ果ててしまった。
3月7日 13日目 ゲージを買う
ティラをゲージに入れてみたら、あれ?なんだか落ち着いている。ゲージに慣れているのかもね。

ダンボールハウスだと、立ち上がらないと外が見えないけど、柵の間から外が見える。しかも、脱走は無理と知っている?

ゲージのおかげで、人間もちょっと一息。
3日間ぐらいはゲージの中でおしっこをしなかった。
外でおしっこをするのは、野川の河川敷と治療室の前だけ。慣れない場所ではおしっこができないみたい。

ダンボールのトイレ部分をそのまま移動し、ヴェルのトイレスペースに置いた。朝はそこに閉じ込めて、おしっこをしたらほめることにした。

トイレシートをぐちゃぐちゃにしてしまう。大小を組み合わせてみたり、座布団をくるんでみたり、あれこれ工夫したけど、なかなかうまく行かない。
はみ出し攻撃が炸裂だよ~
2月28日 12日目 野川にボチャン!
8ヶ月ではじめて外界に出たティラにとっては、何もかもが初体験。川にも興味津々だった。

ゴーゴーとすごい音を立てて、土管から雨水が流れこんでいる。水しぶきが霧になって舞っている。
まるで「踊る水」のよう?ティラは不思議でならないんだろうね。
ヴェルは橋を怖がって、渡れるようになるまで何ヶ月もかかった。川には絶対に近寄らなかったというのに・・・

ティラは平気で橋を渡る。それどころか、平気で川面をのぞき込む。

大丈夫かなあ・・・ととても心配。
高いところも怖がらない。身を乗り出して野川をのぞき込むので、こっちはハラハラ、ドキドキである。

川までずんずん下りて行って、平気で水辺のそばに立つ。

犬だから本能がある。落ちるなんてことはないだろう・・・と自分に言い聞かせていた。
突然、ボチャン!と音がした。ティラが川に落ちた。

水辺の石は濡れている。つるりと滑って落ちたみたい。ティラのヒザぐらいの浅いところだったので、流されずにすんだ。。ホッ。。

すっぽりとはまったまま、固まっている。じっと私のほうを見ている。『なんで?』と目が点になって、『助けて!』と訴えていた。

いそいで駆け寄って抱き上げた。これに懲りて、川には近寄らなくなってくれるといいなあ。

子犬はなんでも体験して、経験から学ぶんだね。ほんとにティラは目が離せない。用心、用心。
2月22日 11日目 ハウスから脱走
ゲージを買っても、どうせすぐに使わなくなるだろうと思って、ダンボールでティラのハウスを作った。ちょうどいい大きさのが手に入らなかったので、大小をあれこれ組み合わせた。
手前が寝床スペース、奥がトイレである。

はじめはおとなしかったティラも、すぐにハウスで大騒ぎをするようになった。
部屋の中を移動する私を追いかけて、ダンボールハウスの中を行ったり来たり。猛スピードで駆けずりまわった。

私が料理を作りはじめると、耳の毛まで震わせて期待のまなざし。キュンキュン甘え声をだして、催促をするようになったんだよ。
だんだん知恵がついていく。ダンボールの構造の研究に励み、なんとかして脱出しようと、必死で画策するようになった。

ガムテープをガジガジかじり取る。どか~んと体当たりして、ハウスを壊そうとする。ハウスはどんどんボロになっていく。

まわりに(捨てようと思った)パソコン、ディスプレイ、束ねた本など、次々に置いてみるのだが、どんどんやばくなる。ちょっとの隙間でも見つけたら、頭を入れて身体を滑り込ませるのだ。
何度か脱走に成功し、そのたびにあわてて掴まえて、またダンボールを補強しなくちゃならない。

重いもの、重いもの、と家中を探しまわり、ついには漬物石まで動員したけど、ティラの脱走能力は日に日に向上していった。

11日目、テニスから帰ったら、ティラが床の上にいた!

悪いことをしたと知っていたみたいに、恐る恐るこっちを見ている。「ティラ!メでしょ!」と叫びながら、逃げ出しにかかった犬を抱きかかえた。

いつも遊ばせている居間に行ってみたら、すごいことになっていた。
トイレシートの上に、折れたタバコがあった。アラビックヤマト糊(カマヤミニに使う)のお尻があきらかに欠けている。私のスリッパも運ばれて、かじられてあった。
さんざんいたずらをしまくり、食べてはいけないものを食べまくったらしい。座布団の上には大きなおしっこのプールがあった。

あとから言い聞かせても、犬には分からないからしょうがないね。
そのままティラを連れて仕事場に行った。
治療室ではずっとイスの上にねんこして、とってもお利口なんだけどね。

やっぱりゲージがないと無理かもしれない。これではおちおち出かけられないもの。やっと決心がついた。
2月19日 8日目 野川でシケモク拾い
お散歩デビューから1週間がすぎた。
あっちへこっちへ、ジャンプとダッシュをくり返し、ゴムまりのように駆けずり回っていたティラだけど、だんだん落ち着いてきた。
地形の探索が一段落したんだろうね。

この日は野川のゴミ拾いをはじめた。

何にでも興味を持って、何でも口に入れ、何でも食べてしまう子どもの犬は、ほんとうに目が離せない。

ビニール袋とか、プラスチックの蓋とか、遠くからでも目に付くものは、ティラが近づいた瞬間に、「ダメ!」と叱ることができる。
でも、小さいものは、私の目には見えない。

ティラがいきなり立ち止まる。近寄っていって、鼻を近づけ、クンクン匂いを嗅いでるな・・・、と思うと、何かを口にくわえている。
たいていはタバコの吸殻(シケモク)である。「ティラ!ダメ!」と私が叫び声を上げると、慌てて放す。
野川にこんなにも多くの吸殻が落ちていたとは!

くわえるたびに、「ダメ!」と怒る。あわてて放す。それを何十回もくり返した。

ティラのほうも、これはまずいと、だんだん気づいていったみたい。そのうち、私のほうを伺いながら、そっとくわえ、「ダメ!」と言われてから、いそいで放すようになった。
人間の子どもと同じだね。親の顔を見ながら、悪いことをする。(笑)

はじめ、木や葉っぱや鳥の羽とか、無害なものならいいかな・・・と思ったんだけど、犬には「違い」を教えられない。
とにかく、「外では、何であれ、ものを口にしてはいけない」と教えないと、犬には伝わらないよね。

翌日、1回だけシケモクを拾い、「ダメ!」と言われて放したあと、もう何も口にしなくなった。
ティラはどんどん学んでいる。ほんとうに頭のいい子である。
2月18日 7日目 自分でチャックを開けた
治療室へは、でかいリュックサックの中にティラを入れて、バイクで通勤している。ヴェルはスピード狂だったけど、ティラはどうかな?

ヴェルの通勤バッグを捨てきれずに取ってあった。肩掛けバッグなので、走行中は膝の上にのせられる。犬が目に入るので安心だ。
蓋をあければ犬も外を見れる。雨の日やお店の中では、さっと蓋をかければいいので、とても便利だった。

それを使おうと思ったけど、かなり汚れている。中にはヴェルの白い毛がびっしりくっついている。お散歩中にバサバサと毛を払い落としていたら・・・
なんと、紐が取れかかっていたのである。走行中に切れれば、死亡事故につながったかもしれない。冷や汗が出た。
ちょうどいいのが見つかるまでは、でかいリュックサックで我慢しよう。

「お仕事に行くよ」の歌をうたいながらリュックを取り出すと、ティラはわかるみたい。興奮してバタバタ騒ぐ。入れるときには足をつっぱるけど、リュックの底でおとなしくしている。

7日目の朝、出かける直前、鏡の前を通ったときに、ティラの顔が映っているのが目に入った。びっくり仰天、驚いた。ちゃっかり外をのぞいていたのだ。
空気穴にと、上のほうを開けておいたのがまずかった。しっかりチャックを閉めて、仕事場に行った。

帰りにも上までチャックを閉めた・・・、でも用心に鏡をのぞいてみた。
あれあれ、ティラの顔が映っている!

リュックの中から自分でチャックを開けたのである。器用だね~。いつもチャックをかじって遊んでいたから、構造を把握していたのかな。
子どもは遊びから学ぶのである。

リュックの底が深いので、のぞき窓から転落する心配はなさそう。
本にも「チワワは好奇心が旺盛」と書かれてあった。何でも見たがり、何でも試したがる。

ティラも外が見たいんだね。そのうちスピード狂になりそうだね~
2月17日 5日目 抱かれて眠る
4日目から甘え声も『ミー』から『ピィー』に、そして『ピュ~ン』と変化して、だんだん犬らしくなっていった。
自分の気持ちを表現できるようになってきたのである。

5日目の木曜日は休業日。雪予報なので、たぶんテニスは中止だから、ゆっくり寝坊をしようと思っていた。

朝の7時ごろから、ハウスの中で『キュンキュン』『キュ~ン』となきながら、ティラがバタバタ走りまわる音が聞こえてきた。
これではおちおち寝ていられない。仕方がないので起きてティラの様子をのぞきに行った。外を見ると、小雨がパラついて、えらく寒そうだ。

とりあえず、おしっこだけでもと、ティラを連れて外に出た。
やっと遊歩道を歩けるようになったので、家の周りだけにしようと思ったんだけど、ティラはどんどん歩いて行く。

野川の河川敷では元気一杯。あちらこちらをゴムまりのように駆けずり回って、冷たい雨にもぜんぜんめげない。
ヴェルよりずっと毛がふさふさしているので、寒さに強いみたい。洋服を着せずにすみそうである。

そのうち小雨がやんだので、結局、1時間も遊んでしまった。
「おいで!」と呼ぶと、遠くからでも一目散に駆け寄ってくる。「いい子だね~」と撫でまくると、濡れた土の上で転がって喜びまくる。

家の前に着いたら、抵抗してリードを引っぱる。こんなに寒いのに、まだまだ歩きたいらしい。じゃあ、もうひと回り、とお散歩のおまけをした。

さあ帰ろうと抱き上げると、ティラのお腹は泥んこになっていた。
これは洗うしかない。はじめてのシャワーである。お風呂場に入れたら、おとなしく坐っている。

マルセル石けんで泡だらけにした。顔に石けんを塗りたくっても、頭からシャワーをかけても、じっと我慢をしている。
ペットショップでは「売り物」だったから、しょっちゅう洗われていたに違いない。洗われ慣れているんだね。

ドライヤーとタオルできれいに乾かしたら、フワフワでいい匂い。とりあえず、初シャワーは大成功。

休みの日の朝っぱらから、お散歩してシャワーもして、寝るはずの予定が台無しである。
大人2人の気ままな生活が、犬のおかげで一変してしまった。
ハウスの中のティラは、まだちょっと遠慮がちだね。

犬との暮らしは慣れていたはずが、やって来たのは老犬ではなく、落ち着きがなくて何でも食べてしまう、0歳児のような子どもの犬。
トイレのしつけもまだだし、目が離せない。

夜も居間をしめ切ってティラを遊ばせ、とことん疲れてしまった。座椅子に坐って、「おいで」とティラを呼んで、お腹の上にのせた。
これから先が思いやられる・・・。絶望的な気分になって、ふいに、ティラが私のお腹の上でまったりしていることに気がついた。

抱っこされて眠ったのは、それがはじめてだった。かわいい!

知らない家に連れてこられて、今まで不安だったんだね。
こうやって、少しずつお互いに慣れていくんだろうなと、明るい希望が見えて、すこしホッとした。

世話をする、振り回される、疲れ果ててどん底に陥る。寝顔を見ると、気持ちが安らぎ、かわいい!とほのぼのと幸せがやってくる。

人間の子も犬の子も、子育ての本質は同じだね~。
2月15日 3日目 何んでもかんでも珍しがる
2日目のことだが、野川で無事にお散歩デビューを果たしたあと、あんずがダンボールハウスに出口を作り、ティラを外に出して自由に遊ばせた。
家の中ではおしっこもしなかったし、ハウスに入れる必要もないな、好きな場所で眠るだろうと、そのまま自由にさせていた。

ヴェルがうちに来たのは7歳のとき。前からの顔見知りだし、遊びに来たこともあるし、うちらにとても懐いていた。トイレの躾はもちろんのこと、無意味で無駄な動きをしない、中年にさしかかった大人の犬だった。
ヴェルと同じと思って、油断をしたのが失敗の元・・・

ティラは、一晩中、そこら中を駆けずり回っていた。明け方4時半に目が覚めたら、まだカチャカチャ爪の音が聞こえてくる。
抱っこしてお布団に入れたら、腕の中でじっとおとなしくしている。でも身体がピ~ンと緊張していて、安らかに眠りそうな気配がない。

ヴェルと違ってうちらに慣れていないんだね。よその家だから落ち着かないんだろう。なるほど、本に書かれてあったように、はじめは小さなハウス(=自分の居場所)の中にいたほうが、安心できるみたいである。

ティラをダンボールハウスに入れて、半分のスペースを大きな布ですっぽり覆った。はじめはバタバタしていたが、すぐにおとなしくなった。

翌朝、ポプラが起きて出かけたのをきっかけに、ハウスの中でバタバタと騒ぎまくっている。そのときはじめて、ティラの声が聞こえてきた。
か細くて小さな声で、『ミー』、『ミー』と、遠慮がちに二言だけ。声を出してはいけない環境で育っていたんだね。

まだ朝の7時であるが、仕方がないので散歩に行く準備をはじめた。
ティラをハウスから出したのが運のつき。脱兎のごとく走っていって、私のお布団の上に、大きなおしっこのプールを作った。

なんで、私のお布団なの・・・と超悲しくなった。ぬるま湯でおしっこを拭き、ベランダに干して、野川に下りた。
ティラは死に物狂いで喜んで、ゴムまりのように駆けずりまわっていた。たっぷり1時間遊んだあと、遊歩道におろしてみたら、まだ道路は怖いらしい。はいつくばってブルブル震えていた。

リュックに入れて治療室へ。ヴェルの定位置、待合室のイスの上にのせてみたら、ぬいぐるみのようにおとなしい。
患者さんに声をかけられると、ちょっとビビリながら、ゆらゆらと尻尾を振る。(誰にでもなつく性格だから、うちの子にピッタリと思ったのである)

私がパソコンに向かっている間も、ほんとうにおとなしい。振り向くと、いつも顔をあげたまま。私を見て、小首をかしげる。10時間以上もいい子にしていられた。
家に帰ると、すっかりやんちゃな男の子になる。
家事をしている間は、ダンボールハウスの中。私が移動するたびに、すごい勢いで行ったり来たり、ハウスの中を駆けずりまわる。

料理をつくる美味しそうな匂いが部屋中にただようと、耳の毛まで震わせて、期待のまなざしで私を見ている。
お肉と同じノリで、野菜もご飯もホットケーキも、いそいそと平らげる。ベジタリアンに近いうちの料理が大好きのようで、嬉しいね~

ずっとペットショップのゲージの中で育ったから、何もかもが珍しいらしい。タバコの煙を、スイ~と目で追う。また、煙をスイ~と目で追う。
紙が落ちてもビックリして、走っていってガサガサ・・・、爪切りをかじり、カマヤミニをかじり、コードにコンセント、あらゆるものに興味津々である。

ジャンバーのチャックに必死になってかじりつく。ガジガジ、ガジガジ、一心不乱にかじりつづける。
あれ?チャックの山が欠けている。もしかしたら食べちゃったのかな?
プラスチックも欠けている。なんでもかんでも食べちゃうみたい?
ボタンも大好きで、ガジガジ、ガジガジかじりつづける。もしも飲み込んだら、大変なことになる。

あんずがヴェルに買ってあげたダンボが1コ、たんすの上で忘れられていた。とりあえず、ティラのハウスに放り込んだ。
1コじゃ淋しいかなと思って、私のぬいぐるみも上げた。そしたら、鼻をかじりはじめた。一心不乱にかじりつづけ、あれ?抜けそう?

犬用のぬいぐるみをまじまじと見たら、目玉や鼻やボタンなど、取れると危ないものがついてない。ちゃんと考えられているんだね。

人間の赤ちゃんと同じで、子どもの犬は目が離せない。「誤飲に気をつけてください」とペットショップの店長にも言われていたけど、想像以上に大変である。

家の中で遊ばせるときは、部屋を閉め切ることにした。人間の目の届くところだけにして、決して目を離さない。いけないことをしたら「ダメ!」と叱る。ルールを覚えさせなくちゃならないんだね。

ティラに、「ルールを守れない者には、自由はないんだよ」と言い聞かせていたら、患者さんに笑われた。
ティラだけじゃなく、この先のうちらの自由と安泰も、犬にちゃんと教えられるかどうかにかかっている。

ティラはものすごく頭がいい。どんどん吸収している。でも、教え方を間違ったら、悲惨なことになる。家族で話し合って、方針を一定にしなくちゃならないね。

まだまだ、前途多難である。
2月14日 2日目 お散歩デビュー、野川を駆けまわる
家の中でもおしっこをした形跡がなかった。丸一日になる。
あんずが「自然の中に連れて行けば大丈夫だよ。土の上に置けば、すぐに慣れるよ」と言っていたのを思い出し、犬を抱っこして、野川の河川敷に連れて行った。

下におろすと、地面の上にはいつくばって、ブルブル震えている。ほとんど生まれてはじめて味わう外界だから、怖くて怖くてたまらないのだ。
10センチぐらい離れたところから、「おいで!」と呼ぶと、大慌てで、ほふく前進。這いばったままズルズルと私のほうやってくる。

ちょっとずつ距離を伸ばしいった。気長にゆっくりやるのが一番である。
辛抱強くやっていたら、そのうち立ち上がってうろうろしはじめた。草むらにおしっこをかけた。やったね!

だんだん犬らしくなっていき、すっかり元気づいた。ぴょんぴょんジャンプするように、そこら中を走りまわり、ノリノリで遊んでいる。動きがめっちゃ速い。さすが子どもである。
やっぱり勝つのは犬の本能。散歩がなによりも大好きなのである。
ときどき立ち止まっては、私のほうを見る。そばを離れないので楽である。(ヴェルと同じだね)
野川を行ったり来たり走り回り、「おいで!」と呼ぶと、ゴムまりのように一目散に駆けてきて、伏せをして身をよじらせてパタパタと尻尾を振る。

1時間ぐらい走り回っていたら、シェルティのメルちゃんがやって来た。ヴェルのお友だちである。
メルちゃんは、初めての犬には人(犬)見知りということだけど、昔からの友だちみたいにすぐに仲良しになった。
飼い主同士もお喋りになり、なんと2時間も野川で遊んだのである。
まだ尻尾を上げていないから、ビビッてはいるんだろうけど、野川デビューは大成功。
「初日でこの元気さはすごいですね」とメルちゃんのパパも驚いていた。

あんずに来てもらって、入れ違いにテニスに出かけた。まだ名前が決まっていない。ゲーム中もずっとあれこれ犬の名前を考えていて、テニスも上の空だったけど、力が抜けていたおかげか、最初のゲームは6-0で勝った!

いろんな名前を考えたけど、犬の顔を見ると、どうしても「ティラ」と呼んでしまう。色合いがティラミスと似ているんだもの。
「シロ」とか「クロ」とか「チョコ」とか「チャコ」とか、色が名前になるペットは多い。それが自然なのかもね。

動きが、ジュラシックパークの恐竜とそっくり。「ティラノサウルス」みたいに強くなって欲しい。顔がハンサムなので、三銃士の「アラミス」を連想する。
それらを合わせて、名前を「ティラミス」、愛称を「ティラ」にすることにした。やっと決まってやれやれである。

(ポプラはしつこく「ヴェル」と呼んでいるが、それはかわいそうだよね~)
2月12日 1日目 前途多難なスタート
2度と犬は飼わないつもり・・・が、ヴェルに似たチワワの売れ残りに出会ってしまった。そのあと次から次へと不思議な偶然がおこった。神様のお告げか、ヴェルのお願いか、それともヴェルの生まれ変わりかもしれない・・・?
あまりにもかわいいんだもの。どうしてもうちの子にしたくなった。
その顛末は私のブログ「チワワのティラ(8ヶ月の男の子)がいるよ~」に書いたので、読んでね~

ティラが来る前にと思って、ラストスパートをかけて「ヴェルの思い出」を完結させた。自分なりのけじめをつけたのである。

ポプラがお休みの日曜日、ふたりでティラを迎えに行った。ペットショップの人の話によると、朝から変だったそうだ。いつも気まぐれにしか食べないドッグフードを全部食べ、お利口にしていたそうだ。

動物って、そういう予知能力があるんだってね。売られていくのが前もってわかる・・・食べられてしまうのもわかる・・・

前に会いに行ったときと違って、ぜんぜん動かない。抱っこすると、めっちゃ緊張して、腕にしがみついてくる。

ペットショップではトイレの躾をしないのだそうだ。本棚から落ちた「チワワのしつけと飼い方」を読んで、対策を考えた。
ゲージを使わない予定なので、ダンボールでハウスを作った。半分のスペースにマットを敷き、半分にはトイレシートを置いた。

ダンボールハウスの中で、ぜんぜん動かずにじっとしている。ただ囲ってあるだけだから、その気になれば出れるのに、ぜんぜん動こうとしない。犬というより、まるでウサギである。

ショップの人には、家に慣れるまで1週間ぐらいは外に出さないほうがいいと言われたのだけど、ポプラがあまりに役に立たない。
どうせ火曜日には治療室に連れて行かなくちゃならないんだからと、でかいリュックサックにティラを入れた。
リュックをのぞくと、ちんまりとおとなしく、ジーッと私を見ていた。

外の世界に初めて出たティラ。車も初体験。うちも初体験。そのうえバイクで治療室・・・
大慌てで椅子を移動して、ダンボールで囲ったハウスを作った。
やっぱり、ぜんぜん動こうとしない。
緊張してるのがわかるかな?この写真だとあんまりヴェルに似ていないね。ちょっと面長で鼻筋が通って、かなりのハンサムボーイである。

犬だから、外に出せばおしっこをするだろうと軽く考えていたけど、とんでもなかった。地面にはいつくばってブルブル震えて、立つことすらできない。立てなきゃおしっこもできない。

8ヵ月までペットショップ暮らしだった。外に出たことがなかったんだね。新しい家族や家だけじゃなく、外の世界にも慣らさなくちゃならない。想像以上の高いハードルにかなりビビッた。

夜、豚肉とキャベツのリゾットを作った。ペットショップで買ってきたドッグフードを上にパラパラとかけてあげた。
店長の話では食事を食べないときのほうが多かったそうだけど、一応、慣れた食べ物があると安心かなと思ったのである。

食べはじめるまでに5分ぐらいかかったけど、完食。ドッグフードはきれいに残してあった。
毎日同じもので飽き飽きしていたんだろうね。手作りのご飯の美味しさに目覚めてくれるはず・・・と、少しほっとした。
ティラ TOP
      ヴェルの思い出