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 FAQ
 <Q26 拘縮予防のROM(関節可動域)訓練
脳障害の訓練は「無理しない」のが鉄則
私が母のリハビリで行ったROMrange of motion =関節可動域)訓練を紹介します。脳障害のリハビリは整形外科とは根本的に異なります。脳が健全なら自分でリハビリができますし、無意識に自分でちょこちょこ身動きができます。
脳に損傷があると微動だにしなくなります。まったく動かさずにいると、関節が固まって拘縮を起こし、ついにはマネキン人形のようになってしまいます。
日常の着替えや食事のときに他動的に身体を動かしてあげることも大切ですが、リハビリでROM訓練を行うと、拘縮を防ぐことができます。
ROM訓練は各関節を10回、週に2回やるだけで予防が可能だそうです。
元気な人が可動域を広げるためにやる「リョコちゃんストレッチ」は、「ちょっとだけ無理をする」のがコツですが、拘縮予防のROMは「決して無理をしない」のが鉄則です
前回のROMと同じレベルにとどめ、関節を壊さないように、今を「維持する」ことだけに専念しましょう。
脳梗塞などで半身麻痺になった患者さんなら、患側だけ行います。うちの母は「レビー小体型認知症」だったので両側の訓練をしました。ベッドの端に寝かせて、手前側は立位で行い、反対側はベッドに坐ってやりました。
 印刷用画面
母のリハビリカルテ」を参考にして、みなさんもトライしてくださいね~ 
仰臥位で、上肢のROM
① 肩関節の前方挙上(屈曲、伸展)
患者を端に寝かせ、ベッドサイドに立つ(左半身を例にしました)
患者の上腕を(下から)左手で支え、右手で(上から)前腕を持つ
拘縮していたら
50%
上げたり下げたりを10回くり返す
② 肩関節の外転、内転
患者の上腕を左手で支え、右手で前腕を持つ
拘縮していたら
50%
上げたり下げたりを10回くり返す
③ 肘関節の屈曲、伸展
患者の肘を立てる。左手で肘を支え、右手で前腕を持つ
拘縮していたら
50%
上げたり下げたりを10回くり返す
④ 肘関節の回旋(回内、回外)
患者の肘を立てる。左手で肘を支え、右手で手首を持って、左右に回す
肘を支点に回旋
左右に回して、10往復
⑤ 手首(屈曲、伸展、橈屈、尺屈)と指の曲げ伸ばし
患者の肘を立てたまま、両手で動かす
手首を前後左右に10回ずつ倒す。次に指を曲げたり伸ばしたり
仰臥位で、下肢のROM
⑥ 股関節の挙上(屈曲、伸展)
患者の太ももを(下から)左手で支え、右手で(上から)足首を持つ
拘縮していたら
50%
上げたり下げたりを10回
⑦ 股関節の外転、内転
患者の太ももを(内側から)左手で支え、右手で(外側から)足首を持つ
拘縮していたら
50%
上下に10回
⑧ 膝関節の曲げ伸ばし(屈曲、伸展)
患者のすねを(上から)左手で持ち、右手で(上から)膝の上を支える
膝を曲げて足を持ち上げる
(お腹にくっつけるように)
膝を曲げてから

しっかりと膝を伸ばす

また曲げる
膝を曲げたり伸ばしたりを10回くり返す
⑨ 足首の屈曲、伸展、外転、内転
患者の足首を両手で持つ
足首を前後左右に10回ずつ倒す
⑩ ハムストリングスを伸ばす
ベッドに上がって、患者の足首を肩に担ぐ
ゆっくりと身体で押して、ハムストリングスを伸ばす
座位でROM訓練
⑪ 肩関節を回す
患者の前腕を(左手で)持って肩を回す (右手で身体を支える)
(ベッドに上がって)
患者の後ろに坐る

車椅子に坐っているときなど
(後ろから、横から)
ちょこちょこやりましょう
後ろ回し(コートを脱ぐ)、10回
前回し(リュックを背負う)、10回
⑫ 背筋を伸ばす
患者の背中に膝を当て、両手で肩をつかんで背中をそらす
10回くり返す
⑬ 首を前後に倒す
患者の後ろに坐り、背中に片膝を当てる
屈曲(前屈)

左手で肩をつかみ、右手で頭を押す
伸展(後屈)

左手で肩をつかみ、右手で頭を後にそらす
10回くり返す
⑭ 首を回す
患者のほっぺ(顎関節)をつかんで、首を左右に回す
首を左右に回す
首だけで振り返る動作を10回くり返す
自分ができる範囲で取り組む
脳障害を起こした患者さんの最大の問題は「関節の拘縮」と「褥痩」です。
母が脳障害で植物人間寸前になってから3ヶ月。歩いたり、喋ったり、笑ったりできるようになったことに一喜一憂していたときに、母の肩関節が回しにくくなったことに気づきました。拘縮がはじまっていたのです。『なるほど!』と、病院でやったROM訓練の重要性をはじめて実感しました。
そこから慌ててROM訓練をスタートしたので、「⑪肩を回す」だけは70%ぐらいの可動域にとどまりました。でも他の関節はすぐのスタートだったので、ほとんどが最後までほぼ100%近くを維持できたんですよ。
母の身体はだんだんに固まっていき、後半は錆付いたバルブをこじ開けるようなものすごい力が必要になりました。でも、あせらずゆっくりがんばると、前回と同じレベルまではなんとか動かすことができました。
プロとしての意地があったので完璧をめざしてがんばったのですが、家族がやる場合にはそこまでがんばる必要はありません。「他動的に動かす」だけで充分です。
着替えをさせる介護の人が仕事をやりやすくなるように、50%の可動域が維持できれば充分だそうです。健常者には当たり前の「車椅子に乗れる」レベルだって、それを維持するのもかなり大変なことなのです。
*「褥痩」は組織の壊死で、同じ部位をえんえんと圧迫することが原因です。頻繁に体位交換をしたり、あちこちにクッションを当てがっていろんな体位で寝かせたりして予防します。(これは聞いた話ですが、看護師さんは「褥痩予防」の体位を重視し、リハビリは「拘縮予防」の体位を重視するので、ときどき揉め事が起こるそうです)
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Updated: 2021/5/21