goホーム
go診療カレンダー
go新着
go症例集
go症例マップ
goトピックの索引
goつぼの取り方
go金粒・銀粒ナビ
goFAQ *よくある質問
go私のブログ
goティラのブログ
go母のリハビリカルテ
goヴェルの思い出
go雑談集
goレシピ
goふろくの話
go本/参考文献
goリンク
goサイトマップ
リカちゃんと・・・
リョコちゃんストレッチ
リョコちゃんウォーク
mailto Ryoko Miz
goSchedule
goUpdates
goCases
goFAQ
goHello!
goTopics
goSitemap
360° Stretch
Ryochan Walk
goCalendario
go¡Hola!
goCasos
goNuevas
goMapa
・・・ 出会いから編 ・・・
ヴェルの思い出
2013 ・ 5
9月24日 河川敷でお散歩
河川敷の草取りがはじまって、やっと野川に下りることができた。久しぶりに、メルちゃんもやって来た。
そのへんをウロウロしていたヴェルだけど、あとを追いかけて、どんどん行ってしまう。
「ヴェル~! そんなに行ったら、帰れなくなるよ~!」
大声でヴェルを呼び、パチパチと手を叩いたら、なんと、くるりと振り向いて、Uターン。こっちに向かって歩いてきた。
ストレッチをやめて、ヴェルを追いかけはじめたところだった。

素直に言うことを聞いてくれるなんて、なんだか、妙な気分???
枯れた草の茎が土の上をおおっているので、歩きにくそうだね。
ヴェルは慎重に足を運ぶ。
10月1日 日向ぼっこの季節がきた
日向ぼっこをしているヴェルを発見。ついこの間まで、太陽は敵(?)だった。エアコンなしでいられなかったのに・・・

犬は正直。野性の本能だね。
お散歩のあとだから、疲れているみたい。
シャッターの音に気づいて、顔をあげたヴェル。『眠いよ~』って、言いたそうだね~。
10月9日 お風呂もキライ、ハサミもキライ
お風呂の前には、ハサミを使う。肉球の間から伸びている毛を切らないと、床の上でツルツル滑る。
ウンチがつかないように、肛門のまわりの毛もきれいにカット。尻尾を上げて歩くと、肛門が丸見えなので、(人間としては)ちょっと恥ずかしいけどね。

その辺をうろうろしていたのに、床の上に新聞紙を広げたとたん、あわてて逃げ出し、テーブルの下に隠れてしまった。
「ヴェル~」と呼んでも出てこない。

テーブルをどかしたら、隣のテーブルの下に、ササッと移動。まるでゴキブリのようである。
手をつっこんだら、ガルルと唸った。これでメゲては、犬にバカにされてしまう。仕方なしに、無理やり引っぱり出した。

全行程、抱っこしたままでカット。噛まれるのはいやだもの。

シャワーのときも、怯えるヴェル。水が嫌いなんだよね。

ドライヤーを当てながら、タオルでゴシゴシ、全身をこすって乾かすのだけど、そのときだけは本当に気持ちよさそうだよ。
翌日のヴェル。真っ白で、ふわふわでしょ。マルセル石けんで洗っているから、きれいだね。それに、とってもいい匂いだよ~。
10月16日 あら、へたっちゃった・・・
河川敷で散歩のあと、私は先に階段を上がって、ヴェルを待っていた。
途中でよろめき、階段を踏み外したヴェル。トシのせいで、たしかに足腰が弱っている。心臓が悪いので、鍛えることもできない。

ときどき、そういう日があるんだ。湿度が高いと、調子が悪いみたい。

自力で登るのをあきらめたヴェル。階段の途中で立ち止まって、じっと私のほうを見ている。
飼い主を信じて、待っているところがかわいい。
今日は抱っこで登ろうね~
10月24日 指を噛まれた
チワワのなかでも、特別にでっかいヴェルの目。流れた涙が目の下にたまり、放っておくと、毛とくっついて塊になってしまう。
ヴェルの目の下をさわってみたら、両目の下にかなり大きな塊がこびりついていた。ヤバイ、取らなくちゃ。

指で取ろうとしたら、ガルルと唸った。痛いらしい。噛まれたらイヤだから、立ち上がって抱っこで取ろうと思いついた。
それが逆効果。怯えたヴェルに、人差し指の爪と肉の間を、ガブリとやられた。「痛~い!」 血が湧き出てくる。

下におりたヴェルは、いそいで、キーボードのテーブルの下にもぐりこんだ。
お風呂の前に逃げた場所もここ。

「ヴェルは噛んだ~~」と、指を近づける。低い声で、プレッシャーをかける。ヴェルは、ガルルと唸る。
「今日は、ヴェルは、1人でねんこだよ」と、ヴェルに言い渡す。噛んだら、その日は、「1人でねんこ」が、いつもの罰である。

居間を閉め切り、私は寝室へ。あとで、こっそりすき間を開けておいたけど、ヴェルは気がつかなかったみたい。

明け方、クウ~ン、クウ~ンと、ふすまの向こうでヴェルの声がする。入れてあげなくちゃと思いつつ、眠くて起きれなかった。

しばらくして、すきまに気づいたヴェルは、いそいそとお布団にもぐりこんできた。

しょうがないね。怖かったんだもんね。犬は口が利けないから。。。
そう思って、許してしまう飼い主である。
10月31日 あたりを見回す
治療室はひんやりしてる。もう暖房が必要な季節になったね。

なかなか、バッグから出ないヴェル。

寒いのかな?
しばらく、キョロキョロ、あたりを見回していたけど。

ゆっくり、ゆっくり、出てきたよ。

まず、左足からね~。
11月9日 ダウンジャケットにくるまる
「お仕事行くよ~」と、ヴェルをバッグに入れようとしたら、ガルル・・・と唸られた。
日向ぼっこをしていたから、冷たいバッグに入るのがイヤなんだね。
バッグの中にダウンジャケットを入れた。これならバイクも寒くない。
ダウンにくるまっているヴェル。中は、ほっかほかだあ。なかなか出てこないよ~。
11月16日 服がいる季節
私の都合で、朝早くお散歩にでた。河川敷にはまだ日がさしていない。
もう服が必要な季節になったね。
ヴェルは大柄なので、チワワサイズの服は小さすぎる。ボタンをはずしたまま着せているんだよ。
『寒いから、もう帰ろうよ~』と、言いたげなヴェル。階段のところで、待っているよ。
11月22日 あきらめて寝る
テニスの練習中、ぎっくり腰になり、早々と家に帰った私。お風呂が湧くまでの間、お灸を詰めながら、デビスカップを観戦。
ヴェルは、いつもと違うパターンに戸惑っている。ジ~~~と私を見つめてる。

「ごめんね~。これからお灸をするんだよ~」「腰が痛いから、どこにも行かれないよ~」などなど、ヴェルに話しかける。
一生懸命、私の話を聞いていたヴェル。
『なあ~んだ。どこにも行かないのか・・・』と気づき、そのまま、目がとろ~り。寝に入ってしまった。
11月30日 ストーブへ直行
お風呂の前の恒例行事。
「ヴェル、噛んだら『一人でねんこ』だからね!」と、低い声で威圧しながら、抱っこで肉球の間の毛を切った。

肛門のまわりは、ヴェルを新聞紙の上に立たせて、尻尾をつかんで、グイッと持ち上げて切る。
イヤがって逃げ出そうとするし、ガルルと唸るしで、ほんとうに大変な作業だ。今回は脅しがきいたのか、噛まれずにすんだ。

洗ったあとは、膝の上に抱っこして、ドライヤーをかけながら、タオルでふく。
「さあ、終わりだよ~」とヴェルを解放したら、一目散にストーブのところへ走って行った。まだ、半濡れだもんね。
いくらなんでも、ストーブに近づきすぎじゃないの?燃えちゃうよ~
○ ○ 追記 ○ ○
追記・28 チワワの特徴:飼いやすい
チワワは、他の犬とは違う個性を持つ、不思議な犬である。ヴェルと仲良しだったチワワのリクちゃんとの共通項から、自分なりに整理してみた。

狩猟本能がない
ビーグルのモモちゃんは、車庫に鳩が入りこんだとき、捕まえようと躍起になったそうだ。逃げる鳩を追いかけて、棚の上やダンボールの上に駆け上がり、車庫の中がメチャメチャになってしまったんだって。

犬がカラスを追いかけたとか、野良猫にケンカを売ったとか、カエルを食べようとしたとか、困った話をいろいろ聞いた。
野川でウシガエルが大発生したときには、「犬がウシガエルを捕まえようとして、お散歩どころじゃなかった」という話も聞いた。

ヴェルは、鳥にも動物にも虫にも無関心。ウシガエルがいても、まるで石ころをよけるように、普通にまたいで歩いていた。
カラスがいても野良猫がいても、ヴェルにとっては、「モノ」と同じ。目をやろうとすらしなかった。リクちゃんもそうだった。
だから、野川の河川敷でリードをはずしても、安心して放っておけた。
チワワには狩猟本能がないのである。

人間からもらうものしか食べない
カイ君は、お散歩中にカエルの死骸を食べてしまったそうだ。お腹を壊して、ゲーゲー吐いて、大変だったそうだ。
シシマルは、テーブルの上に飛び乗って、人間のご飯、焼肉丼の肉だけをペロリと食べてしまったそうだ。

でもヴェルは、「欲しいよ、ワン!」と催促はするけれど、食べ物を上げるまで、ちゃんと待っていた。
高さ30センチのテーブルの上に、お料理がたくさん並べられてある。ヴェルが届く高さでも、勝手に食べたことは1度もない。

自分のお皿に入れてもらうか、手から直接もらうか、人間があげたものしか食べなかったのである。リクちゃんもそうだって。

チワワには、自分で餌をゲットしようとする本能がない。
もしも迷子になったら、誰かに拾われないかぎり、数日で飢え死にしてしまうそうだ。
狩猟本能がないので、野良チワワにはなれないのである。

いたずらをしない
犬のいたずらに困らされたという話もたくさんある。
食べ物をあさるだけじゃない。ハンドクリームまで食べちゃったり。イスやテーブルの足をかじる。コンセントやコードをかじる。カーテンに飛びついて遊ぶので、ズタボロになってしまった、とか。
これではおちおち寝てもいられない、留守番もさせられない。

はじめのうちは、お留守番のときはハウスに入れておかないと心配だったけど、まったくいたずらをしないと気づき、家の中で放し飼いにした。たいていは、私の洋服の上で丸くなっていた。

チワワはいたずらをしなのである。これも狩猟本能がないからかもね。

草についた朝露を舐める→結果、他の犬のおしっこを舐める
野川に出ると、まず、草むらに行って、えんえんと草の葉っぱを舐めつづける。お散歩の途中でも、草むらにはまって、動こうとしない。草についている犬のおしっこに興味があるようだ。

これにはかなり心配した。病気になったらどうしよう・・・
草を舐めるクセをなくそうと、怒ってみたり、グイグイ引っぱってみたり。

患者さんが、テレビで見た「悪いクセを直す」方法を教えてくれた。
ポンプボトルに酢を混ぜた水を入れ、いけないことをした瞬間に、犬の鼻先にシュッシュッとかける。犬は匂いに敏感だから、すごく嫌がって、そのうちやらなくなるのだそうだ。

試してみた。はじめは効果があった。シュッシュッとすると、慌ててまた歩き出した。でも、1週間で、効き目がなくなった。シュッシュッとされても、顔をゆがめて我慢して、草を舐めつづけた。
もう、お手上げだった。

仕事が終るのが夜中なので、私の「朝イチ」は「お昼ごろ」、朝のお散歩は日が高く昇っている時間というパターンだった。
ある日、夜が明けてすぐ、野川にお散歩に出かけたときのことである。河川敷の草に、びっしりと朝露がついているのに気がついた。
ヴェルは大喜びで、一心不乱に朝露を舐めていた。

メキシコの大地は乾燥している。水の豊富な日本と違って、小川や水溜りにはめったに出会えない。動物たちは朝露を舐めて水分を摂っていたのだろう。
「悪いクセ」ではなく、「チワワの本能」だったのだ。

いずれにしろ、おしっこは無菌である。傷口におしっこをかけて洗っていた時代もある。
仕方ない。心配ではあったけど、自由に気の済むまで、草を舐めさせることにした。

真夏は脱水症状が心配だからと、みなさん、お散歩のときに水を持ち歩いていたけど、ヴェルはほとんど飲まなかった。

これも、水の少ない、乾燥したメキシコの風土に順応した結果だろう。ちょこちょこ飲まずに、飲めるときにたっぷり飲んでおくのだ。体内の水タンクにたっぷり貯蔵できる体質なのだと思う。

怖いもの知らず
チワワは自分の小ささを意識していない。巨大な敵にも平然と向かっていく、勇気ある犬なのである。

夜中に団地の中で、男の話し声が響いてくると、「ワン、ワン!」吠えて威嚇する。私が「キャー!」と叫び声を上げると、立ち上がって「ワン!」と吠えて、家中を走り回って外敵を探す。

雷が鳴ると、ワンワン吠える。鳴っている間中、吠えつづける。はじめは、怖がっているのかな?と思った。

ゴールデン・レトリバーを飼っている患者さんと雷の話をしたら、「それ、怖がっているんじゃないですよ。うちの犬なんか、尻尾を丸めてまたの間にはさみ、家具の下に隠れてブルブル震えるんですよ」と言われた。

ヴェルは、大きな音に反応しただけ。雷を外敵と思って、家族を守るために、戦いを挑んでいたのだ。

これも患者さんがテレビで見たエピソードである。野原の真ん中に、ライオンの糞を置いておくと、他の犬は、風に乗って流れてくる匂いだけで、危険な大型動物とわかる。ブルブル震えて遠巻きにして、決して近づかないそうだ。
でも、チワワだけは平気で、ライオンの糞の上におしっこをかけたりしちゃうのだそうだ。だから、ライオンに食べられちゃったりしちゃうんだって。

怖いもの知らず=勇気がある=無謀である。
野生動物は用心深い。臆病は身を守る術なのである。怖いもの知らずのチワワは、野生では生き延びれないだろうと思う。

人間をとても愛している
犬というのは不思議な動物である。同族の犬よりも人間を愛し、家族と思って忠誠を尽くす。
種の保存のために交尾はするけど、生涯のほとんどの時間、犬の目は飼い主とその家族に注がれている。

なかでもチワワは、甘えん坊で人間が大好き。自分も人間と思っている、という説もある。
家族以外の人間にもなつく。(中には、ワンマンドッグと言って、1人の飼い主しか愛さないチワワもいるらしいが・・・)

ヴェルはほんとうに誰にでもなついていた。育ての親から預けられても、あっという間にうちの家族に溶け込んだ。

ある患者さんが、「よその犬に、こんなになつかれたのははじめて。普通はぜいぜい頭を撫でさせてくれるぐらいなのに」と言っていたんだけど、彼女が現れると、興奮しまくった。
尻尾をタケコプターのようにブンブン振り回し、膝の上にのぼり、若い頃は、彼女の足や手にしがみついて、腰を振っていた。

独身の女性を見抜くのも、ヴェルの得意技だった。
若い子はもちろん大好きなのだが、40代以上70歳でも、独身女性には若い女の子に対するのと同じ反応をした。

人間以外の動物で、関心を持ったのは、同族の犬だけ。でも、ほんとうに仲良くできるのは、チワワ同士だけという噂もある。

連れ歩くのも楽、長い時間のお留守番もOK
チワワは甘えん坊で、ちっちゃくて赤ちゃんみたいだから、つい、どこに行くにも連れ歩きたくなってしまう。
懐に入れてもいいし、バッグにもスッポリ入る。バッグの蓋をしめれば、電車の中でもスーパーでも、どこにでも連れて入れる。犬連れとは誰にも気づかれない。

でも、チワワの性格は、見た目のか弱さとは正反対である。気が強くて、勇気があって怖いもの知らず。
だから、長い時間ひとりぼっちでお留守番をしても、ノイローゼにならない。外出がちの家庭には、もってこいの犬である。

誰かが帰ると大喜び。なつかれて甘えられて、飼い主冥利に尽きる。

いまだに携帯の待ち受け画面はヴェルの写真。開くたびにランダムにいろんなヴェルが現れて、「かわいかったなあ」と幸せを味わっている。

もしもまた犬を飼うとしたら、絶対にチワワだけど・・・

患者さんたちには、「ヴェルみたいにいい子はいない」とか、「あんなに頭のいい犬には2度とめぐり合えない」とか、みなさんに言われている。

新しい犬を飼うことは、まだまだとても考えられない。
小さくて度胸があるので、うちではときどきヴェルのことを「ミニ・ライオン」と呼んでいた。

外敵に堂々と立ち向かうのも、飼い主に思いっきり反抗するのも、その性質からきていたんだろうね。
updated: 2016/12/28
ヴェル TOP
次へ