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6月14日 |
癒し犬 |
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最近、テニス肘がだいぶ良くなり、かなり痛みが和らいできた。(^-^)~~
具合が超悪かった頃は、ヴェルも悪化の原因かと思っていた。
だって、朝起きると、ヴェルが痛いほうの右ひじにあごをのせて眠ってるのだもの。ズシーンといやな痛みで目が覚めると、そこにヴェルがいる、という状態だった。 |
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患者さんたちからは、「あ、治そうとしているのね」などと言われたが、「まさか!ただ単に、右側に寝るのが好きなんだよ」などと答えていた。
この頃は、右肘にヴェルのあたたかさが心地よい。ジンジンと暖かさが伝わって、朝の痛みが和らいでいる。
やっぱり、治そうとしてくれているのかもしれない?
患者さんに聞いた話では、イルカも、誰か具合が悪い人間がいると、左が悪いときはその人の左側に、右が悪いときは右側に、寄り添うように泳ぐそうだ。自閉症の子がいると、その子のそばを泳ぐんだって。
障害のある部位は、気血のめぐりが滞っているので、冷えやすい。寝ている間は、動かないので、ますます冷えてしまう。リウマチや腰痛や五十肩が、朝が一番つらいのは、そういう理由からである。
冷えないように、パジャマの上からレッグウォーマーをはめているのだけど、それでも腕は冷たくなる。
ヴェルの暖かさが救いだよ~。 |
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6月22日 |
まだ帰りたくないよ~~ |
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仕事のあとテニス肘の治療をするので、帰りは夜中。
車のときは、駐車場までお散歩ができたけど、今はバイクなので、ドア・ツー・ドアだ。
あっという間にバッグに入れられ、あっという間に家に着く。バイクをおりると、野川に逃げ出しにかかるヴェルにつきあって、ちょっとだけ歩いて、「おうち帰ろ」と、階段を上る。 |
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ぬぬっ! ヴェルが激しい抵抗。いきなり、階段に腹ばいになった。
グイッとひもを引っぱるが、あきらめない。
階段にへばりついて、体重をかけ、あくまでもがんばる。 |
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ときどき私の顔をちらりと見上げながら、必死の抵抗だ。
その夜以来、ヴェルの腹ばい作戦は続いている。 |
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余裕のあるときは、ヴェルの言い分を聞いて、もう一回りしてあげることもある。
だから、なかなかあきらめないんだよね~。 |
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6月28日 |
かご乗りデビュー |
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お散歩のあと、朝ごはん、というのがたいていのパターン。
そのあと、バタバタと支度をし、荷物を持って出かけるときは仕事に行くと、わかるみたいだ。
リードをつけずに玄関を出て、階段を駆け下りる。私はまっすぐバイクに駆けより、キーをさしたり、荷物をのせたり。
ヴェルは、あちこちでおしっこをしながら、ゆっくりとバイクの方へやって来る、はず・・・?
あれ、ヴェルが来ない?
「ヴェル!」と呼びながら探しに行くと、車のところで待っている!
やっぱり、車のほうが好きなんだなあ。そのほうが快適だもんな。
「おいで!」と呼んでも、がんこに車のそばから動かない。
結局、私のほうからお迎えに行って、抱っこでつれてくる羽目になる。こう暑くなってくると、いくらなんでもバッグの中じゃかわいそう・・・ |
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てなわけで、ためしにカゴにのせてみた。
飛び出さないように、半分だけネットをかけて。 |
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そこまでバカじゃないとは思うけど、やっぱりちょっと心配だ。走っているときは、ついヴェルのことを忘れてしまう。
バックミラーには映らないし。 |
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7月7日 |
人参に、ジャンプ! |
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自分のご飯を食べ終わると、さっそく、おねだりにやってくる。
ヴェルの食べれるようなものがあるときはいいけど、食卓に、ネギやたまねぎの入ったもの、辛いもの、生ものなどしかないときは、ちょっと困る。そんなときでも、ぬか漬けは重宝だ。 |
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これは、人参のぬか漬けに、飛びついているところ。私の足に手をかけ、ジャンプ!
生の野菜も好きだよ。この間は、茹でたサヤインゲンに、夢中になってた。 |
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7月14日 |
ハリー・ポッターに興奮 |
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ハリー・ポッターの「謎のプリンス」と「死の秘宝」を図書館から借りて、二巻つづけて読んだときのこと。
ハリーたちが捕らえられ、ハラハラ、ドキドキの展開になって、心臓がドキドキ、手に汗にぎって、物語に夢中になっていた私。 |
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まったり寝そべっていたヴェルが、いきなり立ち上がった。
私の身体に手をかけて、不思議そうに私を見つめる。
耳をピンと立てて、何が起こったのかを知ろうとしている。 |
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ベランダをのぞき込み、リビングや玄関や、あちらこちら、家中を駆け回る。走り回っては、私のところにやってきて、顔をのぞき込む。
吠えたりはしなかったけど、ハリーが無事に逃げ出すときまで、それはつづいた。
ヴェルは、私の心臓の鼓動を感じたのか? 放出された緊張物質を嗅ぎとったのか?
なにかの異変が起こっていると思ったに違いない。
物語に引き込まれ、夢中になって読んだのは私。でも、興奮したのはふたり一緒。犬との生活はこたえられないよ~。
(^-^)~~ |
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7月22日 |
さっぱりスッキリ夏バージョン |
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あまりの暑さに、参っていたヴェル。
いつも舌が出ているので、暑いときにはすごい長さになる。
目も血走って、ハァハァハァ、まるで鬼神のよう・・・
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気になっていたんだけど、ハサミを使うと、けっこう肘に負担がかかるので、ついつい先延ばしにしていた。
日曜日の夜、思い切って、今年3回目のトリミングをした。根元からごっそりと梳いてあげ、毛も思いっきり短くした。薄手のセーター1枚分ぐらいの毛が取れた。 |
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すっきりとした、涼しげな顔を見てちょうだい!
かわいくなったでしょう~~ |
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8月1日 |
雨の日 |
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ぼそぼそと、雨がしょぼ降る日。ここは駅前のATM。
混んでいたので、外で順番待ちをしていた。 |
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ヴェルは、いまだに、カッパが苦手だ。歩きにくそうだし、シッポを下げて、固まってしまう。しょんぼり雨に打たれていた。
あれれっ???
いきなりスタスタと前に進んだ。ドアの向こうには、これまたカッパ姿の男の子。 |
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ヴェルは実家で2年間、ずっと赤ちゃんのおもりをしていたから、小さな子が大好きなんだ。
おもちゃにされたり、けっこう大変な思いをしたというのに・・・
自分の子供のように思っていたのかもね。 |
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8月15日 |
海で泳いだヴェル |
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ヴェルの赤ちゃんだったユーガ君は、こ~んなに大きくなったよ。もうすぐ5歳だって。 |
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そこで、3人(2人と1匹)で海に遊びに行った。浜辺に日陰をつくったのだけど、ヴェルはちっともそこに落ち着かない。
舌をダラ~ンとのばして、暑さにハアハアあえぎながら、ウロウロウロウロ歩き回ってた。涼しい場所を探していたんだろうね。
こうなったら水で濡らすしかない。ヴェルも海に入れてみた。
お腹を持ってヴェルの足を水に浸すと、その瞬間から、足をぐるぐる、一生懸命に動かしはじめる。
水に放すと、初めてなのにちゃんと泳げた。とても上手。りっぱな犬掻きだ。犬って、本能で泳げるんだよね。
ヴェルは海をちっとも喜ばなくて、スキをみてはスタスタ逃げ出す。濡れそぼって、砂だらけになったけど、ほら、涼しそうになったでしょ。 |
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8月23日 |
治療室での居場所 |
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このごろのヴェルのお気に入りの場所は、机がわりにしているクローゼットの下。本棚とではさまれた狭~いすき間だ。
ずいぶん前から、そこにも座布団をおいてあったんだけど、ずっと見向きもしなかった。
ある日、そこでスースー眠りこけているヴェルを発見した。それ以来、ヴェルはそこを自分の「ハウス」に決めたようだ。 |
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それまでは、待合室のイスの上が、一番のお気に入りの場所だった。「上げてくれ、上げてくれ」と言わんばかりに、つぶらな瞳で私を見上げる。
私が抱き上げるときには、タン!と、両足で床を蹴った。
(ちなみに、バイクに乗せるときは、あまり気がすすまないらしい。ずしりと重い、ぬいぐるみを抱き上げるような感じである)
犬の群れのボスは、いちばん高い場所に陣取るのだそうだ。入り口を見張り、群れのすべてを見渡すためだ。
ヴェルも、ずっと、ボスになろうとあがいていたのかもしれない。
最近になって、患者さんは全員上位で、自分が一番の下っ端であることに、やっと気づいたんだろうな。
ますます筋力がついて、イスの上から、普通にピョンと、跳びおりられるようになったヴェル。そしたら、なぜか、机の下が好きになった。 |
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犬は大昔、穴ぐらで暮らしていたので、狭いところが安心できるらしいのだ。
患者さんが来ると、むっくり起きあがり、隠れ場所から出る。
カチャカチャ(爪の音)歩いて、お出迎えをするよ。 |
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8月29日 |
暑い夜は・・・ |
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まだまだ、残暑がきびしい。エアコンをかけるほどじゃない、蒸し暑い夜は、ヴェルは私と離れて眠る。 たいていは、こんなふうに、アゴだけおふとんにのせて、身体は、ひんやり涼しい竹の敷物に横たえる。 |
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写真をとろうとしたら、目だけ開けて、こっちを見たよ。
お耳もピンと立ってる。 |
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もっと暑いと、ゴロリン、ころがって、おふとんから遠ざかる。
そばにいないと寝息が聞こえないので、ちょっと心配になる。
夜中にときどきお腹に手を当てて、呼吸しているのを確かめたりする。 |
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○ ○ 追記 ○ ○  |
追記・8 |
バイクから落ちたヴェル |
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VTR250を手放して3年後、突然、またバイクに乗りたくなった。
バイクに乗るには筋力が必要だ。その頃の私は、完璧なインドア系オタク人間。肉体的な限界を感じ、もうバイクは無理、と思ったのである。
テニスをはじめて、筋力と体力がついてきて、たぶん、乗れる自信ができたんだろうね。
バイク屋の店長に、「まさか、みづさんが、またバイクに乗りたがるとは思わなかった」と驚かれた。
買ったのは100CCのスクーター、ホンダのスペイシーである。スピードが上がらず、ちょっと物足りないが、年寄りにはちょうどいい。籠もあって、買い物にも便利だし、雨の日も自転車用のレインコートでOKだ。
はじめは、テニスに行くときだけのつもりだった。雨の日はテニスができないから、バイクでもぜんぜん支障がない。
だけど、結局、駐車場を解約して、仕事にもバイクで通うようになった。ドア・ツー・ドアの簡便性もあり、渋滞に巻き込まれないという利点もある。
ヴェルは車のほうが好きだったみたい。2年半は車で通ったので、出かけるときは、すぐに車のそばに行ってしまう。
駐車場への往復は、ヴェルのプチ散歩にもなる。
あの頃は、起きるのが昼ごろだった。行きはいつも遅刻か、遅刻ギリギリだった。そのへんをクンクン嗅ぎまわりたくて、前に進んでくれないヴェルには、ほんとうにてこずった。
いつも無理やりヴェルを引っぱって、急ぎ足で歩くので、虐待していると疑われるんじゃないかと心配になったぐらい。
バイクに乗るときは、ヴェルをバッグの中に入れ、肩からぶら下げて、お腹の前でしっかり抱えて走った。犬と一体になっているほうが安心である。
だけど、季節が夏に突入すると、バッグでは暑すぎるんじゃないか?と思うようになり、うしろの籠にヴェルを入れて走ってみた。
涼しそうだし、景色もよく見えるし、夏場はそのほうがいいと思っていた。
忘れもしない、7月9日のこと。
ヴェルのために、バイクの前方にウィンド・シールドをつけてもらいに、八王子のバイク屋さん(bite)に行くことにした。
テニス肘のせいで、お休みでもテニスに行けない「今がチャンス」と思って。
20キロ以上走るので、ヴェルに風圧はつらいだろうと思ったのが運のつき。わざわざ、籠の周囲にダンボールで風除けを作った。
左のミラーをグイッと曲げて、ヴェルが見えるように工夫して、出発した。
調布から多摩川沿いを走るのだが、いったん、道路は川から離れる。稲城大橋の入り口に近いあたりと思う。信号のところはカーブして、そのあと直線になっている。
バイクというのは、信号待ちで並んでいる車の一番前に出て、青信号になった瞬間に、ロケット・スタートするもの。
アクセル全開。時速70キロぐらいしか出ないのだけど、後続の車をはるかに引き離して、単独トップ走行でビュンビュン走った。
けっこうスピード狂なのである。(笑)
ふいに、ミラーに、白い鳥のようなものが飛んでいくのが映った。
一瞬、『あれ、白い鳥が飛んでいった?』と思ってすぐ、『ヴェルだ!』と気がついた。
うしろを振り返ると、ふわ~んと空を飛んだヴェルが、よろけながらもなんとか四つ足で着地するのが見えた。
いそいで道路わきにバイクを止め、ヴェルを救いに慌てて走った。車に轢かれたら大変だ・・・
お利口にもヴェルは、ゆっくりと歩道に向かって歩いてる。ちょっとよたついてはいたけれど、ちゃんと歩いている。
ヴェルのところにたどり着いた瞬間、車が3台、つながるようにしてやって来た。のろのろとスピードを落として、思いっきり反対車線にはみ出して、ヴェルを大きく迂回している。
犬が落ちたのが見えたんだね。
『彼らの今晩の食卓の話題はこれだな・・・』などと思いながら、ヴェルを抱っこした。
勇敢なヴェルは、ちっとも怖がっていない。
籠のまわりをダンボールで囲んだために、外を見ようとして立ち上がったヴェルが、風に飛ばされてしまったようだ。工夫があだになった。
ヴェルをバッグに入れ、肩からぶら下げて、ひざの上にのせて走った。やっぱりそれが一番安全なライディングだったのである。
こういうときって、あとからジワジワ怖くなる。
もしも、すぐうしろに車がいたら、避ける間もなくヴェルは轢かれてしまったかもしれない・・・
もしも、ミラーに映っていなければ、ヴェルが落ちてしまったことに気づかずに、そのまま走って行っただろう。
八王子あたりで、ヴェルが乗っていないことに気がついたとしたら、長い道中のどこに落ちたか分からずに、捜索困難になっただろう・・・
ヴェルは箱入り息子で、帰巣本能がゼロに近い。あまたの名犬たちと違って、家まで自力で帰るなんてことは不可能だ。
野良犬として生きる知恵はないから、野垂れ死にしてしまう。
口が利けないから、どこの犬とも知られずに、誰かに貰われちゃうかもしれない。
バイク屋さんに着いて、ヴェルを下におろしたら、右の後ろ足を、軽くビッコを引いていた。
店長が、「あんだけのことがあったんだから、何もないってことはないよね」と言った。私の心臓は、まだドキドキしている。
でも、お店の中を嬉しそうにちょこちょこ歩き回っていたので、骨折はしていないようだ。ちょっと安心した。
ウィンド・シールドを装着したあと、すぐ近所に住む、昔の友人の家に遊びに行った。ポメラニアンを2匹飼っている。
3匹でお庭を散歩したりして遊んでいるうちに、ビッコを引かなくなって、普通に歩けるようになった。
筋力を鍛えていてよかったね~。
時速70キロのバイクから飛ばされ、2メートル以上の高さから落下しても、無傷でいられたのは、2年半のお散歩の積み重ねのおかげである。
落下事件をブログに書けなかったのは、子どもたちに反対されたからだ。元の飼い主にブログを読まれたら、ヴェルを取り返しに来ちゃうと心配したのである。
一応、預かっている犬だから、持ち主に対して責任がある。
なにか事件があるたびに、持ち主の顔を思い浮かべ、心配だけではすまない「プレッシャー」を感じていた。
元の飼い主とぜんぜん違う飼い方をして、そのせいでヴェルが早死にしたと思われるのは困る。
でも、心臓が悪かったヴェルが、心臓のせいではなく、犬生を全うし、老衰で亡くなったのだから・・・
元の飼い主に対して、うしろめたい思いをすることなく、ヴェルに幸せをあげられたと、自画自賛することにしよう。 |
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<連れて行ってほしいときは、バッグの上で待ち伏せするようになった> |
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<バッグの中のヴェルを見おろす。冬はダウンにくるまって、まったりと幸せそう> |
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updated: 2014/12/29 |
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ヴェル TOP |
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