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 症例11・花粉症 new 1 (2021)
 <耳に金粒、足に銀粒、目と鼻にリップクリーム>
金粒と銀粒
金粒銀粒の実物をお見せしましょう。リカちゃんのホッペに貼り付けてみました。

小さな粒ですが、ツボを選ぶことで大きな効果をもたらします。鍼灸治療のダイナミズムです。
耳ツボ療法にはたいてい銀粒を使うのですが、なぜか花粉症だけは金粒のほうが効果があります。

遠隔治療には銀粒のほうが効きます。バランス療法なので、一度にひとつの症状だけをターゲットにします。あれこれ貼ると効果が相殺されます。
他の局所治療に金粒を使いたいときは、同時進行で、気になるところにいくらでも貼ることができます。
耳のツボに金粒
ピアスの穴を開けるあたり、下が目ポイントで、その上が鼻ポイントです。
34にそれぞれ金粒を貼ります。
1 アレルギーポイント
2 皮膚ポイント
3 鼻ポイント
4 目ポイント

昔はアレルギーポイントも使っていたのですが、へりの内側なので自分で貼るのが難しい耳の人もいます。なくても大丈夫と判明しました。

鏡に向かって耳たぶを持ち、爪楊枝のお尻でグイ~ッと押します。ツボが開いているところは白っぽくなっているのですが、当てずっぽうでもかまいません。「顔がゆがむほど痛いところ(=渋面兆候)」がツボです。自分で自分を痛くするのは勇気がいりますが、がんばってぐいぐい押して、一番痛い場所を探しましょう。
そこに金粒を貼ります。しっかり押すと、それだけで数時間は効果があります。絆創膏がゆるんでくると効果が薄まります。花粉が「来た!」と感じたら、金粒をぐいぐい押して(ちょっと動かして痛くして)ツボをぐいぐい刺激します。
効果がなくなったのを感じたら反対の耳に貼ります。左右の耳を交互に使いましょう。
足の飛陽(鼻づまりの特効穴)に銀粒
風邪治療マニュアル」「蓄膿症(副鼻腔炎)」にも書いたのですが、はじめて飛陽の効果を知ったのは鍼学校の1年生のときでした。風邪のあと鼻づまりがつづいていたとき、たまたま授業で中国の古典に「鼻塞がるときは飛陽に」という記述があると教わりました。
皮内鍼を貼ってみたら、しばらくしたらスーッと鼻が通りました。はがしたとたん、いきなり鼻がつまって苦しくなりました。あまりに劇的な効果でした。銀粒でも効果は同じです。蓄膿症が治った患者さんもいるんですよ。

後から 前から
飛陽(D=ヒヨウ)は膀胱経のツボです。
鼻づまりのひどい場合は、鼻が通るまで数時間~半日ぐらいかかることがあります。

バランス療法なので、ここで銀粒を使うときは、他の部位に銀粒は貼れません。

今年の花粉の時期に、「鼻がつまっていないからいらないかな」と貼らずにいたら、くしゃみ連発になりました。貼ったらとたんに症状が軽減。「飛陽に銀粒」は必須ポイントです。
自分でやるときは、横坐りでツボを取りましょう。私の「飛陽」は膀胱経よりも胆経に近く、足の外側面のほぼ中央に位置しています。

下腿を眺めて、縦からみても、横からみても、ちょうど真ん中あたりです。
そのあたりを人差指で軽く押して、鼻だけでスースー息をしてみます。ちょっとでも鼻の通りがいい部位を見つけたら、爪楊枝のお尻を使ってピンポイントのツボを探し、そこに銀粒を貼ります。
グイグイ押す必要はありません。剥れたら次は右に、また剥れたら次は左と、交互に貼りましょう。
目と鼻に効果のあるリップクリーム
私の花粉症は年々沈静化していますが、まだまだ戦いはつづいています。
去年のある日のこと、テニスのときにくしゃみを連発しました。金粒の位置をずらして押しても、痛いツボに当たりません。ついに絆創膏が伸びて役立たずになりました。
でも、コートの上ですし、貼り直す時間もありません。たまたま鼻の下にリップクリームを塗ったら、あれあれ、くしゃみが止まったのです。
ひんぱんに鼻をかむので、鼻の下がヒリヒリに荒れてしまいます。そこで活躍するのがリップクリームなのですが、花粉にも効くことがわかってビックリしました。

私の愛用しているリップクリームにはユーカリ油が配合されているので、その効能かな?と思いました。はじめて花粉症がバクハツした年、ユーカリオイルの入浴剤の効果に驚いたことがあるのです。ユーカリの芳香が花粉症のつらさをやわらげてくれました。
なので今年、リップクリームだけでどれだけの効果があるものなのか、試してみることにしたのです。途中まではマスクとリップクリームだけで、なんとか持ちこたえていました。
でも2月後半に入って、「耳に金粒」と「飛陽に銀粒」がないと、テニスのときのくしゃみだけでなく、仕事中にも鼻水がジャージャー流れ出ることがはっきりしました。

鼻は大丈夫になりましたが、目の痒みがありました。
パソコンに向かっているときに無意識に掻いてしまったら、目が真っ赤になってどんより濁ってしまいました。

ためしに目頭と目尻にリップクリームを塗ってみたら、目の痒みがなくなって、数時間で赤味も取れました。

鼻の下にリップクリームを塗るとくしゃみが止まる。目に塗ると痒みがなくなる。。。
ユーカリ油は鼻の粘膜だけじゃなく、目の粘膜にも効くらしいのです。

花粉が飛んでいると屋外でタバコが吸えませんでした。クッシャン、クッシャンとくしゃみが連発してしまうのです。リップクリームを併用したら、ぜんぜん平気になりました。
花粉が飛んでいるのは感じます。治療もしなくちゃなりません。でも花粉症の症状と不快感はほとんど消失し、なんだか人生が一段落したような感じです。
私が愛用しているのは石けんのメーカー、太陽油脂のパックスナチュロン・リップクリームです。

何十年も冬には唇がガサガサになって、リップクリームが手放せなかった私ですが、このリップを唇に塗ったら、なんとそれ以来、リップクリーム要らずになったのです。
唇のガサガサとは永久にさよならしました。
花粉の時期はひんぱんに鼻をかみます。ヒリヒリする鼻の下に塗ってみたら、花粉症が軽減した・・・という「副作用」を発見したのでした。

メーカーの太陽油脂は、石けんが巷で売られていない時代に共同購入をして以来、40年以上の付き合いになります。合成界面活性剤などの石油系の化学物質を使っていないので安心です。
身体に悪い製品を売ると、そのせいでますます唇が荒れる。塗れば塗るほど唇が荒れるので、リップクリームが手放せなくなってしまう。
いい製品を作ると、リップクリームを使う必要がなくなる。売れなくなってしまうので商業的には不利になる。。。というのは恒久的なジレンマですね。
薬は対症療法、鍼灸は身体のコーチ
開業してからは半年ごとにテーマを決めて、それぞれの治療法を開発してきました。同じ症状の患者さんが2・3人いると、交互にいろんな治療法を試すことができるのです。花粉症もそのひとつです。
当時は効果的な薬がなかったので、みなさんゴーグルやマスクで必死でしのいでいました。その頃の患者さんは、「金粒銀粒」の自己治療をつづけて、みなさん数年で治ってしまいました。
その後はいろいろな薬が発売されるようになったので、「花粉症を治療してほしい」と訴える患者さんがいなくなりました。

数年前に、ある患者さんから「薬を使っても症状はゼロにはならない」と聞きました。「はじめは効いても、年々効かなくなってしまう」という話も聞きました。そこでふたたび花粉症の話をするようになって、自己治療している患者さんたちがどんどん治っていきました。
「花粉症は発症から5年で沈静化する」と言った医師がいました。でも「30年もつづいている」という人たちもたくさんいて、みなさん薬を愛用しています。薬を使うと、免疫反応が幻惑されて、いつまでたっても学べないのだろうと思います。
鍼灸は「どうやったら治るか」を身体に教える治療法です。コーチに教わっても、はじめはすぐに忘れてしまいます。反復練習を重ねることで、だんだんコツを覚え、自分のものになっていくのです。
ストレスとの関連はあきらか
ストレスとの関連も確実にあります。
まだ花粉症がマイナーだった20代の頃から、花粉の時期にときどき目の痒みを感じていましたが、まだまだ「微妙な段階」でした。
1993年に開業してから、はっきりと花粉を感じるようになりました。いろんな患者さんがやって来て、みなさんを治して帰さなくちゃなりません。ミスが許されない仕事ですし、会話の内容にも神経を使います。ストレスフルな毎日がはじまり、それ以来、「耳に金粒」と「飛陽に銀粒」が欠かせなくなりました。

なんとかしのいでいられたのですが、2005年、役立たずで手のかかる彼氏のせいで、まるで戦火の中のサバイバル生活。年始早々ひどい風邪を引いて、そのまま最悪の花粉症に見舞われることになりました。もう外国に移住したいぐらいで、ここから自分の花粉症との壮絶な戦いがはじまったのです。
2007年に「渋面兆候」に気づいてからは、絶え間ないくしゃみや鼻水などのひどい症状は、1シーズンに数日になりました。そうなると、「ストレス」との関連が明らかになります。

ある日、さんざん私に意地悪をして、のけ者にしたおばさんたちとダブルスをすることになりました。『おとなだし、過去のことは忘れて、人が足りないときは一緒にやってあげよう』と、理性では思っていたのですが、身体が反応しました。
クッシャン、クッシャン、くしゃみの連続です。鼻水がジャージャー流れて、右のポケットにきれいなティッシュを入れ、鼻をかんでは左のポケットに移動。途中で何度もティッシュを交換させてもらい、ほとんど1箱を使ってしまいました。

終わったあとはもう薄暗くなりかかっていたのですが、飲み仲間が私のためにもう1セットやってくれることになりました。親切で気心の知れた人たちとテニスをしているうちに、くしゃみの回数は激減しました。シャワーのあとの飲み会では、くしゃみも鼻水もゼロになったのです。
身体って、こんなにも感情の影響を受けるものなんだ!と、心底驚きました。心に無理をさせない人間関係は、身体にとってとても大切なファクターと学んだのです。
それでもつらいときは頭部を指圧する
「耳に金粒」+「飛陽に銀粒」+「目と鼻にリップクリーム」でほとんど大丈夫・・・と思っていましたが、それでも鼻炎症状に悩まされるときもあります。
室内にいるときなので、ハウスダストとの複合作用かもしれません。掃除もあまりしませんし、洗濯物は外干しですし、洋服や犬についた花粉もそのまま持ち込んでいます。
ユーカリオイルもあまりにしょっちゅうやっていると、はじめの頃の劇的な効き目が弱まっていくような気もします。薬と同じく、連用すると身体が慣れてしまうのでしょうか。。。

そんなときは指圧をやりましょう。人体の正面、正中には「任脈」という経絡が通っています。頭部は「押して痛いところ」がツボなので、探すのは簡単です。そこら中を押してみましょう。

頭のてっぺんから生え際まで、正中ラインにずらりと並ぶツボ()を次から次へと押してみましょう。
鼻がスーッと楽になるポイントがあるはずです。

顔面()は指圧では効果がでにくいですが、患者さんにはときどき鍼を打ってあげています。

花粉の季節には、中国から大気汚染物質が大量に含まれた「黄砂」が飛来します。私の花粉症が暖かい日にはOKで「冷たい風」で悪化するのは、北風が大陸から吹いてくることと関係がありそうです。私は化学物質にはかなり過敏なので、自分の花粉症が「完治」しないのはそのせいもあるのかもしれません。
それでも年々着実に沈静化しています。室内でのティッシュの使用量は多いですが、屋外では鼻をかまなくなりました。毎年テニスコートに箱ティッシュを持って出て、1シーズンで1箱は使っていたのですが、今年はほとんどゼロですもの。
「いつか治る」日を信じて、薬に頼らずにがんばっているんですよ~~
2ページ目へつづく
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Updated: 2021/3/9