症例59・蓄膿症(副鼻腔炎)
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<鼻づまりの特効穴で蓄膿症が治った人>
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「飛陽」に銀粒で鼻が通る
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1993年9月に腰痛と肩こりで来院したHさん(当時47歳、男性)は大工の棟梁で鮎釣りが趣味でした。ぎっくり腰、捻挫、五十肩、冷えなどで来院し、「痛みがあったら、まず鍼灸」という、長いおつきあいの患者さんでした。
カルテに記載していないので詳しい年月日は定かではありませんが、あるとき、うちの近所の耳鼻科に寄ってきたという話をききました。年に1回検診に行っているそうです。ずっと蓄膿症を患っていて、「そのうち手術が必要になる」と宣告されているとのことでした。
大昔に蓄膿症の手術をして以来、匂いがまったく分からなくなったという患者さんがいたので、とても心配になりました。
私自身も子どもの頃から「慢性鼻炎」「副鼻腔炎」などと診断され、プールが始まる前には必ず耳鼻科に行かされたものです。
「鼻づまり」には特効穴があります。足の飛陽というツボに銀粒を貼るとスーッと鼻が通り、剥がれたとたんに詰まりはじめるという、劇的な効果があるのです。
Hさんは自分でやってみると、喜んで帰っていきました。 |
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1年ぐらいで鼻茸(膿)が消失した
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やり方を教えてあげたものの、『ほんとにやるかな?』と半信半疑だったのですが、Hさんの会社の大工さんから目撃情報をもらいました。テニス肘のページの「片手バックハンドでおこるテニス肘」に登場したNさんです。
「おやじさんが足に玉を貼っていたよ」と教えてくれ、「これをやると、鼻がすっと通るんだよね」と言いながら銀粒を貼っているのを見たそうです。
1年ぐらいたったときのことです。耳鼻科の帰りだったHさんが、「鼻茸なんかも、自然に治ることがあるんだね~」と感慨深げに言ったのです。
副鼻腔の膿がきれいに消えていたことが分かり、もう検診に行かなくてよくなったそうなのです。
「もしかして、それって銀粒のおかげじゃないの?」ときいたら、「えっ?」とはじめはいぶかしげでしたが、「そういえば・・・」と突然思い出しました。
「鼻がつまらなくなったんですっかり忘れていたけど、なるほど、それで鼻茸が治ったのか!」と驚いていました。
治ったあとは、自分で治療したこともすっかり忘れてしまう・・・、人間というのはそういうものです。 |
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臨床医学は「再現性」が基本
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昔はよく風邪を引き、治ったあといつまでも鼻炎がつづいたものでした。子どもの頃から「鼻づまり」はお友達で、自分の鼻声が嫌いだった私です。
鍼学校の1年生のときでした。鼻づまりに悩まされていたときに、たまたま授業で中国の古典に「鼻塞がるときは飛陽」という記述があることを教わりました。4000年前に書かれた黄帝内経の難経の一説だそうです。
飛陽に皮内鍼を貼ったら鼻がスッと通りました。数日後、車の運転中に『もういいかな』と、信号待ちのときにモソモソと皮内鍼をはがしました。すると、いきなり鼻が詰まりはじめて、鼻で息ができなくなりました。家に帰って慌てて貼り直したら、また鼻が通ったのです。
まさに劇的な体験をしました。銀粒と皮内鍼の効果は同じです。鍼と違って剥がれても安全ですし、貼るのも簡単なので、私は銀粒を愛用しています。
あるツボにある治療をすると一定の効果がある。それを「再現性がある」と評価します。臨床医学である鍼灸治療は「再現性」の積み重ねなのです。
どうやら私も鼻声ではなくなったみたいで、花粉症のときしか飛陽のお世話になることがなくなりました。他にも、金粒と銀粒を使って自力で花粉症を治した患者さんがたくさんいるんですよ。 |
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飛陽の取り方
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飛陽のツボの取り方と銀粒の貼り方は「金粒・銀粒ナビ」の「2・鼻づまりの治療」に詳しく書いてありますが、簡単に紹介します。
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「飛陽」は膀胱経のツボですが、私が使っているのは胆経に近いようです。
ある患者さんの足を見たら、ちょっと違うツボを選んでいました。
「鼻の通り」が目安なので、それでも充分効果があるとのことでした。 |
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自分でツボを取るときは・・・
横坐りして下腿を出します。上下でみても、左右で見ても、ちょうど真ん中あたりにあります。
人差し指でツボを軽く押し、鼻で息を吸ったり吐いたりしましょう。ちょっとでも鼻の通りが良くなるところを見つけたら、次に、爪楊枝のお尻でピンポイントでツボを探し、そこに銀粒を貼ります。 |
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これが金粒と銀粒です。リカちゃんのほっぺに貼りつけてみました。
こちらのページも参考にしてください。
→症例10「風邪」、症例11「花粉症」 |
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