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 症例17・腰痛 1・改
 <千差万別の種類がある>
治すためにはツボを選ぶ
腰痛といっても、症状や部位は人それぞれです。ぎっくり腰・改のページで急性&慢性の筋肉性腰痛の治療法を記述してあるので、ここでは、腰痛一般について記述します。
「動くときに痛い」、「坐っていると痛くなる」、「立っていると痛くなる」、「立ち上がるときに痛い」、「腰が重い」、「しゃがみこんでいると腰が固る」など、腰痛にはいろいろなバリエーションがあります。
症状によって、治療法も微妙に異なります。人によっても異なりますし、同じ人でも、時によって異なる、ということもあります。
どんな病気にも言えることですが、鍼灸ではツボの選択が一番重要です。腰痛が治るかどうかは、どこにどういう治療をするかにかかっています。
内臓性腰痛との判別
腰痛で来院する人の多くは、自分の腰痛が「内臓から来ているのではないか?」ということを心配しています。運動器疾患か内臓性かは、痛みの起こるタイミングから、おおよその推測ができます。
日中動いてるときはOKなのに、夜寝ているときにジンジン痛みを感じる場合など、動作と痛みに関連性がない場合は、内臓の病気の可能性を考えます。胃潰瘍なら、その治療もします。
治療をしてみての治り具合で、筋肉性かどうかの判断ができます。治療するごとに楽になっていけば、鍼灸で治るということです。きちんとツボを取っているのに、患部の痛みが「まったく」軽減しないときは要注意です。
大工の棟梁のHさんは、癌の手術から数年後、激しい腰痛に悩まされました。ハリを打ってもお灸をしても、患部の痛みが「まったく」軽減せず、残念ながら、癌が腰椎に転移していたのでした。
間欠性跛行がある場合
歩いているうちに足が痛くなって歩けなくなり、少し休むとまた歩けるようになる、これを間欠性跛行といいます。糖尿病や脊柱管狭窄症の場合に起こります。
糖尿病が進むと、血管の内壁の細胞がパラパラと剥がれ落ち、それが足に下がって、足の末端の血管に詰まります。血流が阻害され、へたをすると壊死し、足を切断することになってしまいます。
Oさん(当時86歳、男性)は、糖尿病からくる足の痛みで、歩くのが困難になりました。鍼灸治療をすると、血管が広がって血流が良くなるせいか、しばらくは楽に歩けるようになります。糖尿の人は感染症に弱いので、やけどの跡を残さないように用心が必要ですが、鍼灸は血糖値を下げる効果もあります。
脊柱管狭窄症は、筋肉の縮みが原因なので、鍼灸が有効です。
脊柱管狭窄症
脊柱は1本の柱ではありません。頚椎は7個、胸椎は12個、腰椎は5個の小さな椎骨が、靭帯と筋肉で支えられて、脊柱を形成しています。
筋肉は縮むことで働きます。筋疲労が蓄積されると、筋肉はどんどん縮んでいきます。メンテしなければ、年齢とともに身長が縮んでいくのです。
脳から出た神経は、脊髄の中を通り、椎骨と椎骨の間から出て、全身にはり巡らされていきます。椎骨には、うしろに棘突起、横に横突起が、鳥の羽のように広がってくっついています。
上下の横突起のすき間が脊柱管で、そこを神経が通り抜けています。筋肉が縮まると、すき間が狭くなります。神経が圧迫されると、脊柱管狭窄症の症状がでます。どの神経が圧迫されているかで、下肢の痺れなどの部位が異なります。
筋肉を緩めると良くなるのですが、神経が病んでいるので、治療開始から痛みが和らぎはじめるまで、2週間~1ヶ月ぐらいの時間差が生じます。
症例39:「脊柱管狭窄症」参照>
椎間板ヘルニア
椎骨と椎骨の間には、椎間板があります。筋肉が縮んで、上下の椎体の間が狭まると、椎間板の内部にある髄核が飛び出すことがあります。それが椎間板ヘルニアです。激しい痛みと痺れが、おもに下肢におこります。
鍼灸治療をすると、一時的に痛みが楽になるのですが、ヘルニアがある間は治りません。治療後3時間ぐらいで、治療前と同じレベルの痛みが戻ったら、ヘルニアなどの器質的疾患を疑います。
とはいえ、重症の腰痛の患者さんでは、翌日に痛みが戻る場合もあるのですが、2回目の治療で効果が出ます。
ヘルニアが自然に消失されるまでは4週間ぐらいかかるそうです。鍼灸の即効性効果は望めませんが、回復を早める効果はあると思います。
回復以後、ヘルニアの再発を予防する効果があります。
症例1:「椎間板ヘルニア」参照>
脳から末梢神経へは一本道
名探偵ポワロの言う「灰色の脳細胞」は、脳の「灰白質」で、身体の各部へ命令を下しています。脳細胞からは神経線維がのびて、「白質」と呼ばれ、両方あわせて「脳」を形成しています。
神経繊維は、はじめは束になっていますが、末梢に行くにつれ分散して、1本ずつの神経線維がそれぞれの目的地へ向かっています。
末梢神経に、痛み、運動麻痺、感覚異常などがおこった場合、脳から末梢までの神経経路の中の、どこで神経が傷害されているかを判断しなければなりません。
症状のでている部位と病態から、おおよその推測はできます。まず鍼灸治療をしてみるという人もいます。病院で検査をしてもらう人もいます。
末梢性なら鍼灸で効果が出ます。脳や脊髄の中枢神経での障害なら、鍼灸治療で完治するのは難しいでしょう。
神経と痺れの関係
神経障害があるかないかは、「痺れ」の有無で判断しています。
たとえば、片側のでん部からハムストリングス、ふくらはぎの痛みを訴えた場合、痺れがあったら坐骨神経痛を疑います。痺れがなかったら、筋肉の障害ということになります。どちらも鍼灸治療が効果的です。
ただ、私が頚椎症になったときは、治るまでの2週間、激しい痛みと知覚過敏があっただけで、痺れはおこりませんでした。すぐに治療をはじめたからだと思います。
痛みがさほどでないのに、痺れだけが強い場合は、痛みが眠っている可能性が高いので、治療はかなり大変です。神経の閾値が下がっていくごとに、眠っている痛みが目覚めるからです。
単純な腰痛でも、足に痺れがおこることがあります。そういう場合は「両ももがなんとなくピリピリする」というふうに、神経の走行経路とは無関係で、痺れ感はすぐに消えます。
2ページ目へつづく
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Updated: 2014/9/21 <初版 2003/6/25