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 症例25・関節リウマチ
 <完全主義的性格がリウマチを悪化させる>
西洋医学的に見ると・・・
リウマチは膠原病の一種で、自己免疫疾患、つまり、身体を守るための免疫システムが、逆に身体を破壊する病気と言われています。血液検査でリウマチかどうかを調べる方法がありますが、検査で分かるのは70%くらいです。急性の血液性のリウマチは死にいたる事が多いですが、関節性のリウマチは命にかかわらない代わりに、慢性化することがあります。
ある日突然に、関節が真っ赤に腫れ、痛みと熱を持ち、関節が変形を起こしてから沈静化します。慢性化すると全身の関節が次々に侵されて、激しい痛みに苦しみ、関節の変形で日常動作も困難になることもあります。朝の数時間、関節がこわばり動きにくいという「朝のこわばり」も特徴です。寝ている間に血液の流れが悪くなるせいだと思います。
リウマチ性格は完ぺき主義者?
リウマチチの人を見ていると、ほとんどの人が完璧主義者なのに驚きます。専業主婦の人だったら、どんなことがあっても朝の9時前には洗濯物を干さないと気がすまないとか、ドアノブまでピカピカに磨くほどのきれい好きだったり。近所づきあいも子育ても完璧にとがんばります。働いてる女性なら、仕事も完璧にこなし、なおかつ家事にも手抜きはしないという、恐れ多いほどの働き者の女性です。
関節リウマチは、男性より女性の方が圧倒的に多いそうです。男の人の仕事は家に帰れば終わりだけど、家庭の仕事には「これで終わり」という区切りがありません。強迫観念的とも言える「完璧にしなければ!」のこだわりを、頭が一方的に身体に押し付ける。これでもか、これでもかと身体を酷使して働かせる。ついに身体が音を上げて「もうたまらん」と、自分で自分を壊し始める。免疫機構が、身体を壊すことで身体を守ろうとする、それが自己免疫疾患と言われる所以なのかも・・・そんな風に私には思えます。
リウマチ体質は遺伝的要素が強いようです。(それとも、完全主義的性格が遺伝する?)リウマチ体質を持っていても、発病しない人、軽く済む人には、どこかで自分に折り合いをつけてる、完ぺき主義的傾向の少ない人のように思えます。AA
リウマチが起こると、関節が真っ赤にはれて熱を持ちます。お灸をたくさんして、暖めると熱が引きます。西洋医学的には、熱を持ったところは冷やさなければなりません。暖めると炎症が悪化するからです。
東洋思想には「陰極まれば陽となる」という言葉があります。どんな権力も、極まれば必ず衰退が始まる。夜が明け、日が昇っても、必ず沈む時が来るというように、万物、森羅万象すべて自然の摂理に従って動いています。人間も自然の一部なのだから、心も身体も社会生活も自然の摂理に従うのです。
雪遊びをしたことがありますか?冷たい雪に触っていると、最初冷たかった手がだんだん火照ってきて、かんかんに熱を持ちます。リウマチの熱は冷えすぎて生じる熱なのです。だから冷やしても治まらず、暖めると治まるのです。鍼灸は臨床医学です。まず、現象があって、そこから理論が生まれます。
普通の場合の発赤、発熱には、糸状灸をすることで、熱を取り去り炎症を抑えるという方法がありますが、リウマチの場合には、間接灸や透熱灸を使って、暖めるためのお灸をします。
リウマチの症状
1993年9月に来院したYさん(当時45歳の女性)は、まさにエニアグラムでタイプ1の「完全でありたい人」です。飲食業を営む彼女は、10年以上もリウマチを患っていて、手足の関節は変形、朝の5時ごろ痛みで目が覚め、朝のこわばりのせいで、何時間も「タバコを吸うしかない」痛みに耐えながら、身体が動き始めるのをじっと待つ、という状態でした。それでも、お店を隅から隅までピカピカに磨き上げ、痛みをこらえて美味しい料理を作る人でした。
両手、両膝、両足の関節に変形と痛みがあり、特に右の膝から指の先までは、ぼってりと厚ぼったくなっていて、「重くて痛い」ということでした。血流が悪いため、結合識(皮膚と筋肉の間にある組織)が分厚くなったのです。肩や背中も結合識が肥厚し、触覚も鈍くなり、壁の向こうから触られているような感じだそうです。触っている側の私にとっても、皮一枚余分についているような感触がします。
アトピー性皮膚炎/アトピーの人も結合識が肥厚します
リウマチの鍼灸治療
週に一回、ハリと灸での全身治療のほか、痛むところ、分厚くなっているところを丹念に治療しました。痛みのサインを出す古い血液を一掃し、暖かい新しい血液を送り込むことで症状が緩和されます。今まさに炎症が起こって発赤・発熱しているところには間接灸をしました。リウマチ以外にも、肩こり腰痛など様々な病気が出現しました。
痛くなかった週と、痛かった週が交互に繰り返されたりしながら、朝のこわばりも次第に改善されていきました。夜ぐっすり眠れて、朝は元気に起きて活動を始められる日の方が普通になり、仕事のほかに遊びに行く元気も出始めました。痛みとストレスにはどうやら相関関係があるようでした。
完璧をめざして・・・
治療開始から2年目、右手首の痛みだけ残して症状の大半が改善されたのですが、何年ぶりかで病院に行ってレントゲンを撮ってもらったYさんは、「全身の関節の変形が進んでいる。治療に来ないと大変な目に会う」と医師に言われ、相当なショックを受けたようです。
その直後、急性の胃潰瘍で入院した際、C型肝炎が発見されました。完全に治したいからとインターフェロンの治療を受け、週に3回の注射と、その副作用のひどさに鍼灸どころではなくなりました。インターフェロンを半年、副作用から回復するのに4年かかったのですが、現在、彼女は痛み止めとリウマチの薬を飲みつづけながら、元気に働いています。今でも、たまに治療に来ます。
私としては、すでに変形してしまった関節は元には戻らないとあきらめて、「なんかの拍子に右手首が痛い」という症状と気長に付き合いながら、鍼灸で全身状態を整えていたらいいのに・・・と思ったのですが、選ぶのは患者さん自身です。
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Updated: 2004/4/21