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久しぶりに身動きもままならないぎっくり腰を起こし、土日を臨時休業にさせてもらった。
1日目、土曜日の午後イチの患者さんを治療中のことである。
振り向こうとした瞬間に、腰にピキッと、縫い針ぐらいの亀裂が走った。
地震のときに「プレートがずれる」と言うけど、まさにそんな感じ。 |
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「これはヤバイ」と、とりあえずパルスのスイッチを入れて様子を見ているうちに・・・
中央の断層(■)が水平に広がって、骨盤(腸骨稜)の上方に菜箸のような横棒( )が出現した。
腰を回転させる筋肉の多重硬直が原因と分かった。
身動きもままならなくなったので、治療を中断させてもらった。
ドミノ倒しみたいに他の筋肉に硬直が連鎖していくと厄介である。初発で退治しようと、なんとかベッドによじ登って、鍼を打つことにした。 |
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まずは横向きで治療。
たぶん外腹斜筋(■)と思う。 腸腰筋(■)もからんでいた。
骨盤の内側にめり込んでいる筋肉の硬直を、ひとつひとつ丹念に取りのぞいた。
次にうつ伏せになって、Tゾーン( )にも念入りに鍼を打った。
立ったままなら動けるようになったので、とりあえずティラのお散歩に出かけた。
昔だったら仕事をしたけど、気力が出ない。心身ともに疲れ果てていたので臨時休業にさせてもらった。
ちょっと迷ったけど、ベッドの上でフルコースで鍼を打つことにした。
中殿筋はばっちりメンテナンスをしてあったので、今回は問題なしだった。
<中殿筋が元凶の横棒( )は腸骨稜の下に現れる> |
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終わったあとは「打ち過ぎ」の感があったけど、万が一痛みが増悪しても、結果的には治ってくれる。
あちこちギシギシしたけど、家事はできた。「動いて治す」のが早道なのである。
2日目、何かにつかまらないと立ち上がれない状態ではあったけど、立ったままなら普通に動ける。
昔の患者さんにお灸に来てもらった。なんと半年ぶりだったんだよ。とんでもなく硬直してる!と驚かれた。 |
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自分では手の届かない背部や肩甲間部だけでなく、4時間近くかけて、あらゆる硬直(■)にカマヤミニをしてくれた。
盲点だった左でん部の硬直(■)も見つけてくれたのである。
あとで数えたら、腰背部だけで92個。カマヤミニだけで治療するのは大変なのだ。
3日目、月曜日は定休日である。
グーグー眠りこけ、ノロノロと家事をしたあと、お腹に透熱灸をすることにした。女性のぎっくり腰はお腹の冷えと関連がある場合が多いのだ。
ターゲットは腸腰筋(■)だ。 |
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「名探偵ポワロ」を見ながら、一度に5か所ずつを何回もくり返し、何十壮もの多壮灸をした。4時間近くかかったんだよ。
4日目、おふとんからヒョイと起き上がれ、スイスイ動けるようになっていた。ストレッチも普段通りにやれる。中腰での仕事も問題なくこなし、夜ベッドで全身治療をした。
5日目、朝はちょっと違和感が残っていたけど、立ちっぱなしで仕事をしているうちに、あれあれ?スッキリ消えてしまった。
6日目、木曜日、腰の違和感ゼロだったので、1週間ぶりにテニスをした。
ショートラリー、ボレー&ボレーの練習をしたあと、ミックスダブルスを1セット。5-6で負けたけど、腰は大丈夫だった。用心にそこで終わりにした。
自己治療が上達して、患者さんへの治療レベルに近づいている。メインの患部が毎回ちょっとずつ違うので、とても勉強になる。
2年半前のぎっくり腰は、両足そろえての前屈が進化して、筋肉バランスが変化したのが原因だった。<→2023/3/29>
そのときは完全復活まで2週間かかった。<→2023/4/6>
1年前のぎっくり腰は軽度で、3日で治った。<→2023/9/10>
ぎっくり腰はジャンプアップのチャンスでもある。
硬直した筋肉がほつれると、隠れていた硬直が表に現れてくれる。そこを治療すると可動域が広がって、パフォーマンスが向上するんだよ。
分刻みのスケジュールをこなしてきた。暑さに疲れ、エアコンで冷える。雨が降らないので空き時間はテニスに行ってしまう。疲れているので長時間眠ってしまう。朝起きれないのでストレッチをはしょったり、自分で打つ鍼も適当になったりと、悪条件が重なった。
しかもシングルスをやる機会が増えた。ビュンビュン走って、ガンガン打って、すごい楽しかったんだけど・・・
絶好調には落とし穴があるんだよね~~(笑) |
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