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 症例2・顔面神経麻痺(ベル麻痺)
 <ある朝目覚めたら顔のレイアウトが崩れてた!>
おでこに皺が作れなかったら末梢性です
患者はKHさん、35歳の主婦。朝起きたら、右顔面がだらりと垂れ下がり、まぶたが閉じれない、食べ物が口からこぼれる、左半分でしか笑えない、などの症状が。病院で脳のCTなどの検査をしたけれど、異常なしでした。おでこに皺が寄せられないことから、末梢性のベル麻痺と診断されました。うちに来院したのは発症して3日目、2002年10月でした。
発症後どのぐらいから鍼灸治療を開始したかが、どのぐらい治癒するかの分かれ目です。彼女の場合はラッキーでした。
ストレスが原因
交通事故などで、顔面神経が損傷を受けて麻痺したのなら原因がはっきりしてますが、このケースでは、なんの外傷も受けていないのに、顔面神経自らがその機能をストップしたのです。それって、ものすごい事件だと思いません?でも、大半の顔面神経麻痺はストレスが原因の末梢神経障害です。
冷たい風に当たったり、とか、精神的なショックを受けて、などの単純な原因でも起こりますが、彼女の場合は何年も蓄積された仕事、あるいは対人関係のストレスが顔面神経麻痺という形で爆発したと思われます。この症状の裏には、ものすごい疲労の重積があるのです。
顔の神経は2種類です。顔面神経は(味覚の一部をつかさどる以外は)運動神経です。よく「顔面神経痛」などと誤用されますが、顔面の痛みを感じるのは知覚神経である三叉神経(だから顔面が痛いときは三叉神経痛)です。麻痺したりやけいれんしたりするのが顔面神経の症状です。
多彩な愁訴
顔面神経麻痺の他、アトピー性皮膚炎手関節痛腰痛、股関節痛、首肩こり、と多彩な症状を持ってました。最初の2週間は(彼女の判断で)医師に処方されたステロイド等を服用していたのですが、吐き気などの副作用が出たため、薬を止めました。すると、薬で押さえられていたアトピー性皮膚炎が爆発しました。とにかく、毒素を出すだけ出して、体の内側からきれいになろうよ、どうせ、人前に出られない顔だし、と鍼灸治療だけでがんばりました。
彼女自身の努力
適度な運動をして、筋肉を動かすことは健康的な日常生活には不可欠です。病気だからとごろごろしていては、回復も遅れ、社会復帰も困難になります。彼女にはなるべく普通の生活を送るように心がけた方がいいよ、と言いました。自分で鏡を見ながら表情を作って、顔の筋肉をいろいろに動かす訓練をし、結合織マッサージ(皮膚と筋肉の間にある結合織が肥厚していたので、そこをつまむようにマッサージして血行をよくする)を教えて、自分でもやってもらいました。
仕事にも遊びにも、人に対しても自分に対しても、ものすごいがんばりやさんの性格がこの病気の根元にあり、でも、そのおかげで治りが早い!家事に勉強(社会保険労務士を目指してます)、友人と遊んだりと、今生き生きとしています。
症状
初回、顔面の筋肉に鍼を刺しパルスをかけましたが、筋肉の動きが見られませんでした。2回目からは電気に反応し、筋肉がぴくぴくするようになりました。筋肉は神経繊維が伝達する電気的刺激(インパルス)で動きます。なぜか神経繊維が電流を通さなくなっていたのです。それで、脳が筋肉を動かそうと一生懸命信号を送っても、それが顔の筋肉に伝わらなかったのでした。三叉神経も過敏になっていたらしく、右半分だけ鍼を痛がって苦労しました。
治療
顔面に鍼とパルス、跡が残らないようにちっちゃな糸状灸を寸止め(根元を0.5ミリ残して火を止める)し、そのあと結合織マッサージをすると、赤味とむくみが取れます。治療後はわずかに動きがよくなります。耳のつぼ(ノジェ式)に銀粒を貼ると、目ポイントだと目の周りが、顎ポイントだとほっぺの辺りが、というように、またわずかに動きがよくなります。この「その場でちょっと」がけっこう重要なのです。この自然治癒力を引き出す最初のひと押しが、翌日翌々日へ大きなうねりを呼び起こすのです。
(ちなみに、眼輪筋の痙攣の人は耳のつぼに金粒で2週間ぴくぴくし続けていた痙攣が止みました)
その他、いつものような全身の治療もいろいろ駆使しました。週3回もしているせいか、アトピー性皮膚炎もよい状態で、腰痛も改善され、鉄板のようだった背中もだいぶ人間らしくなってきました。
KHさんは、約3ヶ月の治療後、完治して、現在も再発はありません。
 → 運動神経麻痺に関する症例
症例2 顔面神経麻痺(ベル麻痺) 症例53 ふくらはぎ(神経麻痺による萎縮)
症例23 腕が上がらない・改 症例56 足先が上げにくい(脛の神経麻痺)
症例46 手根管症候群
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Updated: 2003/12/13