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 症例58・虫刺され
 <蚊、ダニ、チンクイ虫、ブヨ、スズメバチ、ノミ>
異種タンパクへのアレルギー反応
地球上には数えきれないほどの細菌やウィルスが存在しています。周囲の環境だけでなく、人間の体内にも皮膚の上にもいます。
皮膚は外敵から身を守る最前線です。ときには些細なきっかけから、病原体による感染症を起こすことがあります。
傷、おでき、ヒョウ疸、褥痩、しもやけ」に効果があること、ウィルス性の「いぼ」や、白癬菌などによる「水虫」、水疱瘡の第二段階である「帯状疱疹」などはすでに言及しましが、ここでは虫に刺されたときの治療法を紹介します。
蚊やダニやノミに刺されると、皮膚が赤くなって腫れて痒みが起こります。虫の唾液には抗凝結作用物質が含まれていて、血が固まらないようにまず唾液を注入します。皮膚に異種タンパクが注射されるとアレルギー反応がおこり、それが「痒み」と「腫れ」の原因になるのです。
糸状灸をすると「熱」でアレルギー反応が抑えられます。直後に熱いシャワーを浴びるのも効果的です。石けんはアンモニア水と同じアルカリ性なので、相乗効果もありそうです。
 *関連ページ: 細菌やウィルスによる皮膚の感染症
症例5 いぼ ウィルス性のいぼはお灸でポロリ
症例16 水虫 お灸の熱で細菌が死ぬ
症例32 傷、おでき、ヒョウ疸、褥痩、しもやけ 退治と感染予防
症例36 帯状疱疹 鍼で血行促進、お灸でコロニーを撲滅
症例58 虫刺され 蚊、ダニ、ブヨ、チンクイ虫、スズメバチ、ノミ他
症例60 外耳炎 耳まわりの鍼で血行を促進
症例63 とびひ お灸の痒み止め効果と細菌退治
刺され慣れた蚊には免疫ができる?
子どもの頃に何度か小児ストロフルスにかかりました。全身包帯ぐるぐる巻きで抱っこで運ばれたこと、「おばあちゃんの家に行くとなる」という親の言葉を覚えています。アレルギー体質の子どもだと異種タンパクに過剰反応して、掻きむしって全身に広がってしまうそうです。地元の蚊には刺され慣れて免疫ができますが、遠方に暮らす蚊に慣れるのは大変です。
グアテマラの湖でボートに乗ったときに足首のあたりを蚊に刺されました。お灸をしてもなかなか治らず、ダニに刺されたみたいに赤い丘疹が1週間ぐらいつづき、しばらくかさぶたが残りました。皮膚のシミが完全に消えたのは1年ぐらいたってからでした。
そこで学んだのは「外国で蚊に刺されるのはヤバイ」ということです。
バリ島へ持って行った本は「蚊はなぜ人の血が好きか」(アンドリュー・スビールマン、マイケル・ド・アントニオ共著、東京ソニーマガジンズ)で、蚊の生態を読みながら恐れおののきました。海岸で蚊に刺されたことはないので、部屋の中で持参した蚊取り線香を焚きました。
日本の蚊には子どもの頃から刺されているので免疫があります。慣れた蚊だとアレルギー反応はすぐに消えてしまいます。糸状灸の効果は分かっているのですが、面倒なので私はキンカンを愛用しています。
子どもの免疫力は発展途上国です。過剰な防衛をしないほうが、いろんな病原体への抵抗力を身につけられる・・・と思います。
怖いのは蚊が媒介する感染症
蚊は世界中のどこにでもいて、その種類と生息数は天文学的な数です。
風邪3の最後に「人間を滅ぼせるのは人間だけ?」と書いたのですが、人間を殺す生物の第二位が「人間」で、第一位は「蚊」なのだそうです。
蚊に刺されておこるアレルギー反応はさほど問題にはなりません。困るのは「蚊」を宿主とする病原体を持っていたときで、蚊が媒介する感染症が恐ろしいのです。日本脳炎、マラリア、デング熱、ジカ熱、ウェストナイル熱、黄熱などがわかっていますが、幸いなことに近年の日本ではほとんど発症がありません。
「マラリアVS人間」(ロバート・S・デソウィッツ著、晶文社)には、マラリアを媒介するハマダラカを撲滅するための格闘の歴史が語られています。蚊の体内に潜む「原虫」が、蚊を介して人体に侵入してマラリアに罹患するのです。
熱帯にしかいないはずのマラリアがヨーロッパに持ち込まれたのは梅毒の治療のためだったそうです。梅毒の病原体「スピロヘータ」は、やがて脳に入り込んで脳梅毒を起こします。マラリアの発作でおこる高熱でスピロヘータを殺すという苦肉の策の治療法でした。
新型コロナで体験したように今や地球は狭い。飛行機や船に蚊が紛れ込んで、とんでもない遠方に運ばれる可能性があります。なるべく蚊に刺されないようにはしていますが、運を天にまかせています。
ダニに刺されたら糸状灸
ダニに刺されたときはアレルギー反応が長引き、赤い丘疹が残って数日間は痒みに悩まされます。てっぺんに糸状灸を1壮すえるだけで痒みが消え、丘疹も小さく縮んでいきます。しばらくするとまた痒くなることがありますが、そしたらまた糸状灸で追い討ちをかけます。長くとも2・3回でOKです。
私は自然の生態系を大切にしているので、うちでは殺虫剤は一切使いません。蚊に刺されたときだけ除虫菊の蚊取り線香を焚きます。
「クモは家の守り神」と昔から言われているので、クモは殺しません。ゴキブリの卵や害虫を捕獲して食べてくれるそうです。
ゴキブリはめったに見かけませんが、外から飛んでくることがあります。見つけたらハエたたきを使います。つぶさないように用心して、軽くたたいてまず気絶させ、数回に分けて殺すのです。
ムカデが出たこともありますが、便利なのは「凍らすジェット」です。無害ですし、スプレーをかけると虫が一瞬で冷凍されます。
ダニは目に見えないのでお手上げです。梅雨時にダニに食われることがあるのですが、犬の背中に「フロントラインプラス」を垂らすと出なくなります。家中のダニが犬に集合してくれるらしいのです。年に1回の年中行事ですが、犬の身体に悪いかどうかは考えないようにしています。
プランクトン(チンクイ虫)にも糸状灸
新潟県や山形県の海では一度も経験がなかったのですが、はじめて伊豆半島で泳いだあと、身体中に赤いプツプツができました。小さな水泡になって、痒くて痒くてたまりませんでした。皮膚科に行ったら「海に行かれました?」と聞かれ、プランクトンに刺されたのが原因とのことでした。水泡にステロイド軟こうをプチプチ塗布したら、あっという間に治ってしまいました。
海水内に漂っているプランクトンは水着の中に入りこむので、通称名が「チンクイ虫」なのだそうです。アレルギー反応なので、一緒に泳いでも起こらない人もいて、悩まされるのはいつも同じ人だそうです。
2回目からはプツプツの上に糸状灸をするようにしました。痒みはいったん薄らぐのですが、またぶり返すので、数日はお灸が必要です。ステロイドほど即効性はありませんが、副作用がないので安心です。
(プランクトンに刺されたときの話はブログにあります→2007/7/31
ブヨに刺されたときは深い鍼が有効
多摩川の隣のコートでテニスをしていたとき、ブヨに刺されてしまいました。(詳細はブログに→2020/12/8
12月というのに季節外れの暖かい日でした。河川敷で大規模な草刈りが行われていたので、草むらに潜んでいた虫たちが空中に舞い上がり、そこら中にいろんな虫がブンブン飛び回っていました。
半ズボンだったので脛とふくらはぎを刺されまくり、足にチクッと痛みがくるたびにバチッと手で叩きつぶしました。ヘチャッという感触もあったし、コロッと丸い感触もありました。翌日にシングルスの試合を控えていたので、手にくっつく黒っぽい虫の死骸や流れる血をものともせずに、夢中で練習をつづけました。
夜中に痒みで目が覚めてびっくり。とりあえず糸状灸をやったら、痒みはいったんおさまりました。試合は朝早いのでそのまま眠ってしまいました。
試合のあと、夕方になって下腿が腫れているのに気がつきました。温泉で遠心性のあん摩をしたら少し腫れが引いたのですが、家に帰ってからまた腫れが大きくなっていました。
足全体が膨れていたので、手当たり次第にブスブス鍼を打ちまくりました。いったんは腫れが引くのですが、翌朝長靴に足が入りにくくなって、また腫れていることに気がつくのでした。
夜な夜な鍼を打ちましたが、腫れが完全に引いたのは1週間後でした。
ブヨのアレルギー反応は深くて広い
その日に来た患者さんが野球少年のお孫さんがブヨに刺されたときの話をしてくれました。とんでもなく腫れただけでなく、熱もあったそうです。病院に連れて行ったのだけど、ずいぶん長くかかったそうです。
刺された傷口だけでなく、足全体に腫れと痒みが起こり、おまけに発熱という全身症状まで出てしまったとのこと。ブヨの毒素は強烈なので、アレルギー反応が広範囲に及んでしまうんですね。
実はこの間またテニスコートでブヨに刺されました。12月にしては季節外れの暖かさでした。脛にチクッと痛みが来たのでバシッと叩き潰しました。手の平には自分の血と黒っぽい虫の死骸くっついていて、「冬なのにまだ蚊がいるんだよ~」と言ったら、「半ズボンだから刺されたのよ」と軽くいなされました。
蚊じゃなくてブヨだとわかったのは夜になってからでした。小さな赤い丘疹ではなく、筋肉まで広範囲にぷっくり腫れていたからです。すぐに鍼を打ったら、翌日にはすっきりと治っていました。
糸状灸だと表面の痒みにしか効果がありません。体内に入り込んだ毒素を押し流すためには深い鍼が効果的というのを実感しました。
スズメバチに刺さたら、すぐに血を抜く
スズメバチに刺されたこともあるんです。(詳細はブログに→2018/4/15
家の中で洗濯物を外しているときに左足の甲にとてつもない激痛がして、下を見たら茶色いスズメバチが足に食らいついていたのです。慌てて払いのけ、濡れタオルを山とかぶせて逃げられないようにしました。
毒蛇に噛まれたときに血を吸いだすシーンを思い出して、とりあえず瀉血の道具を取りに行きました。

プツプツプツと数か所の皮膚を傷つけたら、まあるい血があふれてきます。指で押して血を絞り出して、また針を刺しました。血液を検査するための道具なので、小さい傷しかつけられません。
血を抜いても抜いても、あとからあとから腫れていき、やってもやっても血があふれ出すのです。スズメバチの毒素は強烈でした。
30分ぐらいしたら腫れる勢いがおさまりはじめました。心配なので1時間ほど血抜きをつづけ、ついでに中指と薬指の井穴からも瀉血しました。
足の甲の腫れはすっかり引いて、普通に歩けるので、そのまま仕事に出かけました。
刺された部位
血抜きの痕
井穴
皮膚の傷跡は温泉で快癒
その日ちょうど5年前にスズメバチに刺された患者さんがやって来ました。山登りの途中でつり橋を渡っているときに、前を歩いている人が指を刺され「キャー!」と叫んでいたので、助けに駆け寄った彼女の手首にガブリと噛みついたのだそうです。山奥なので車で下ってから救急車で運ばれたそうです。数日後の来院時に残っていたしこりの治療をしたのでした。
彼女に黄色スズメバチの女王蜂だろうと言われました。春先に単独行動をして巣を作るのだそうです。お腹に一杯卵を抱えているので身体が重く、飛ぶことができずにヨタヨタと歩いていました。卵から孵化した蜂たちで巣を大きくして、7月~9月ぐらいが活動のピークになるのだそうです。
スズメバチに刺されても1回目は大丈夫。2回目に刺されるときには抗原抗体反応でアナフィラキシーショックを起こして死に至る危険があります。彼女は一瞬で大量の血を抜くことのできる注射器を持っているとのことでした。私は軽度ですんだので抗体はできていないだろうと想像しています。
後遺症は血抜きをした皮膚の点々でした。血を抜いたおかげで毒素が体内に入ることは防げましたが、毒に触れた皮膚が傷になってしまったのです。
小さなかさぶたになって痒くてたまらないので糸状灸をし、しこりが残ると困るので透熱灸もやってみました。裸足だとなんともありません。でも靴を履いて歩くときに傷口がこすれて痛みが出るので、テニスはお休みしました。
たまたま温泉旅行のタイミングでした。温泉のお湯が傷口を優しく治療してくれている感触がありました。3回ぐらいがんばって温泉につかったら翌日にはすっかり治って、靴を履いて歩けるようになったんですよ。
(この詳細もブログに→2018/4/22
ここから先は独立ページを作成しました。→症例63「とびひ(+あせも)」>

今年の春、ティラのトリミング中に生まれてはじめてノミを見ました。お腹の毛を抱っこで刈っていたときに、黒っぽい小さな虫が2匹、サササ~ッと毛の密林の中に滑るように逃げていったのです。(ティラのブログ→2022/5/29
ティラが足で耳を掻くときは「そろそろシャワー」のサインと決めてはいたのですが、先延ばししていたのです。耳どころか、立ち止まって坐り込んでは、足であちこち掻いていたのはノミのせいだったのです。
シャワーをすれば逃げるだろうと思ったのですが、逃げついでに私の足をあちこち刺していきました。
ティラの背中に「フロントラインプラス」を垂らしたのですが、ダニのときほど効果がなく、いつまでたっても刺されつづけた・・・と思いました。ある患者さんに「ノミのジャンプ力はせいぜい足首から上ぐらい。場所からしても完全にノミですよ」と言われたのですが、すでにノミは駆除されていたのです。

ノミを見かけてから1か月後のことでした。
サンダルをはいて散歩に出かけたのですが、紐に当たる皮膚が痛くて歩けません。
サンダルの紐がかかる部位に小さな赤い発疹、水泡とかさぶたがびっしりとできていました。
ノミに食われた部位を掻きまくったせいで皮膚に傷がつき、「とびひ」という感染症になっていたことにやっと気がついたのです。
水泡の「とびひ」は「水疱瘡」とそっくり
人間の皮膚にはいろいろな細菌が常在しています。皮膚に傷ができるとそこに巣をつくって繁殖をはじめます。「とびひ」の原因になるのは黄色ブドウ球菌と溶血性連鎖球菌(溶連菌)で、水泡をつくるのはブドウ球菌だそうです。
「とびひ」になると保育園を休まなければなりません。小さな子どもに多いのは掻きむしってしまうせいでしょう。
娘が2歳ぐらいの夏、「とびひ」になって新潟に帰省しました。保育園で流行っていたのです。「皮膚病は海で泳ぐと治る」と昔から言われているので、毎日海に連れていきました。
2週間ぐらいたって、微熱があることに気がつきました。もしかしたらいつの間にか「とびひ」が「水疱瘡」になり替わっていたのではないだろうかと思いました。保育園では水疱瘡も流行っていたのです。
「水疱瘡のときは風に当ててはいけない」と昔から言われていて、大事にしないと後遺症を起こしてしまうそうです。対処法はまったく逆なので、真夏の盛りにかわいそうに娘は家でお留守番になりました。
通っていた皮膚科の医師も驚いていました。「とびひ」と「水疱瘡」は誰にも見分けがつかないほどそっくりなのです。
はじめは赤いプツプツで、それが水泡に変化し、最後はかさぶたになります。それらが皮膚の上に混在するのが特徴です。(帯状疱疹も同じです)
でも水疱瘡は時が来れば治りますが、「とびひ」はそうもいきません。水泡ができるタイプはとても治りにくいのです。
水泡との戦い
掻くと皮膚に傷がつきます。菌にとっては傷は栄養源です。指先にくっついた菌が他の場所に運ばれて、そこでまた新たな巣をつくります。
痒くても「絶対に掻かない」のが信条の私ですが、ノミがいると思い込んでいたので、またか!と、ときどき足を上げて掻いていました。
ホームページのリニューアルと仕事で忙しくて、自分の足を見ることさえしていませんでした。裸足でパソコンに何時間も夢中になっていたので、足が冷えていたのも悪化の要因と思います。
毎日1時間以上もサンダルでティラのお散歩をしていたので、紐でこすれた皮膚に傷がつき、そのライン上に菌が大団地を作ってしまいました。スニーカーを履くことにして、紐をゆるめてゆるゆるの靴下をはいて歩いたのですが、ちょっとした刺激にも耐えられない皮膚になっていました。すでに菌の勢いが攻勢を増していたので、お灸はまるでゲリラ戦でした。
細菌は生き物なのでお灸の熱で死んでくれます。ターゲットの一番は水泡で、大きさに合わせてもぐさをのせました。中に棲む菌が流れ出さないように、水泡が破けないように用心しました。大きい水泡ほど頑丈で、中には1週間ぐらい持ちこたえたものもありました。
小さな赤いプツには小さな糸状灸です。一見滑らかでも痒みを感じるところが出発点なので、皮膚を軽く触ってみて寸止めで糸状灸をしました。かさぶたは末期症状ですが、用心に数日は追い打ちをかけました。
ステロイドが水泡を巨大なビルにした
夜な夜なお灸をしたのですが、お散歩はやめられません。移築されては撃退するという「いたちごっこ」になりました。
ある晩ステロイドを試してみようと思いつきました。左足だけにステロイド軟こうを塗ってみたら、目覚ましい効果がありました。痒みが消えたどころか、曇り空から一気に晴天になったように、足全体に爽やかな風が吹いているようでした。
右足にはいつもの糸状灸です。ステロイドを塗りたくなる自分をぐっとこらえて眠りにつきました。1時間後、左足の痒みで目が覚めました。今まで味わったことがないほどの猛烈な痒みに襲われたのです。右足にはまったく痒みがありません。お灸の痒み止め効果は半日以上つづくのです。
この先どうなるかを見たかったので、お灸をしたい気持ちをぐっとこらえて、キンカンを塗ってしのぎました。
翌朝自分の足を見比べて仰天しました。右足は小さな水泡が点々としていたのに比べて、左足の水泡は直径1センチぐらいの大きさに膨れ上がっていたのです。細菌やウィルスの作る巣は、大きいほど陥落が難しくなります。小さな家だと簡単に壊せるのですが、ビルとなると破壊するのは大変です。
でっかい水泡にはでっかいもぐさをのせました。1回では熱が透らず、何回もくり返す羽目になりました。(熱さを感じて痒みが消えるのが透熱のサインです)
いぼと同じく、水泡は菌が作った家なので、焼き尽くしても菌の家が壊れるだけで、皮膚にお灸の痕は残りません。残るシミは「ここは不健康」という目印です。
(薬は怖い!肩に抗ヒスタミン軟膏を塗ってみたことがあります。そのときのリバウンドの話はブログに書いてあります→2008/12/14
皮膚のシミが消えるまで数ヶ月
「とびひ」が消えるまで1ヶ月ぐらいかかりました。再発が怖いのでとりあえずサンダルは来年までお預けにしました。
治ったあと皮膚にシミが残りました。いつか消えることは分かっているので、定例の鍼灸治療以外、とくにシミ目がけての治療はしませんでした。3か月たった現在、足のシミはほとんど消え、よ~く見ると数か所にうっすらという状態です。
1994年に来院したMさん(当時23歳、女性)の主訴は皮膚でした。むくみやすいこと、血行が悪いことなど他にも症状があったのですが、「肌をきれいにしてほしい」というのが一番の望みでした。
数年前にアルバイト先の喫茶店でネズミのノミが大量発生して、太ももから足首までそこら中を刺されたそうです。親同士も友達、娘同士も友達という古い知り合いです。「刺されあとのシミは鍼灸で治るよ」と言ったのですが、「こんな汚い足、誰にも見られたくない」と恥ずかしがっていたのでした。
全身治療の他に、シミの上には簡単な浅い鍼と糸状灸をやりました。だんだんシミが薄くなっていき、4か月後(13回)にはすっかりきれいになりました。
足を出さないように縮こまって暮らした数年間を振り返って、「こんなことならあのとき治療してもらえばよかった・・・」と悔やんでいました。
皮膚は内部を映す鏡です。こりのせいで背中や腰の皮膚が薄汚くなってしまった患者さんがときどきいますが、若ければ数ヶ月(若くなければ年単位)で皮膚のシミがきれいに消えます。それは深部まで治ったというサインでもあります。
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Updated: 2022/12/24