goホーム
go診療カレンダー
go新着
go症例集
go症例マップ
goトピックの索引
goつぼの取り方
go金粒・銀粒ナビ
goFAQ *よくある質問
go私のブログ
goティラのブログ
go母のリハビリカルテ
goヴェルの思い出
go雑談集
goレシピ
goふろくの話
go本/参考文献
goリンク
goサイトマップ
リカちゃんと・・・
リョコちゃんストレッチ
リョコちゃんウォーク
mailto Ryoko Miz
goSchedule
goUpdates
goCases
goFAQ
goHello!
goTopics
goSitemap
360° Stretch
Ryochan Walk
goCalendario
go¡Hola!
goCasos
goNuevas
goMapa
 症例41・マラソン;坐骨結節~ハムの痛み
 <ももの付け根の違和感から始まった>
走れなくなったマラソンランナー
S君(当時20歳、大学2年生)は、2008年5月に来院しました。
2月ぐらいから、右足のつけ根に、つっぱりのような違和感を感じていたそうです。5月の始めに、それが痛みに変ってしまい、そこをかばって走っているうちに、もも裏とお尻の張りが取れなくなってしまったそうです。
無理して走ると、左足の前脛骨筋も張ってくるそうです。前屈もできなくなっていました。
最初の違和感から3ヶ月、激しい痛みに変ってから1ヶ月での来院でした。
S君はマラソンの選手です。スポーツ特待で大学に入学したのに、走れなくなったら大変です。医者にも診てもらい、学校でハリも打ってもらったのですが、どんどん悪くなっていったそうです。
粗ごりを取ってから
もともと筋肉が発達している、スポーツマンのS君です。
痛いところをかばって走り続けたために、右の臀部と、右足のすべての筋肉がパンパンに盛り上がっていました。背中や腰、左足もカチンカチンになっています。
経絡治療のほか、パルス治療、糸状灸などで、あちこちの筋肉の張りを取りました。病気の根っこを見つけるために、まず、粗ごりを取るのが私のやり方です。
ざっとの治療を終わってから、S君に立ち上がってもらい、具合の悪いところはどこなのか、あらためて確認しました。
そのあと、横向きになっってもらったり、うつ伏せになってもらったりして、いろんな角度から治療をしました。かなり前屈ができるようになり、軽くなら走れるようになりました。
動いた方がよく治るので、練習は続けるようにと、S君に言いました。
治療をしては、動いてみる
2回目の来院は、4日後でした。大分、良くなったそうですが、ダッシュすると、お尻、ももの付け根、もも裏にかけて、痛みがでるそうです。
大分、ポイントが絞れてきました。つっぱっている筋肉をめがけて、数本のハリを打ち、5分ぐらい置鍼をします。抜いた後は、手で筋肉をほぐします。時には、灸点紙をしいての透熱灸もプラスしました。
ダッシュしてみないと、どのぐらい良くなったのかが分かりません。100%の負荷をかけても痛まない、という状態にするには、徹底的な治療が必要です。
時々、外を一回り、走ってきてもらい、痛みの出た部位を、ひとつひとつ、つぶしていきました。そのたびに、痛い場所が移動するので、本当にやっかいでした。
悪くなりはじめてから3ヶ月たっていましたし、その間、ハードな練習を続けていたので、無理もありません。
3回目の来院は、5日後でした。まだ、「ダッシュはできず、8割の力で走ると、最初に違和感を感じた、ももの付け根(坐骨結節のあたり)に、痛みが出る」ということでした。
坐骨結節とは、骨盤を形成している骨のひとつ、坐骨にあります。椅子に坐ったときに、お尻の一番下にくる、骨のでっぱりです。
坐骨結節には、いろいろな筋肉がくっついています。足(大腿骨)に向かう筋肉としては、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋、大内転筋などがあります。臀部では、大殿筋、梨状筋などの筋肉がくっついています。
S君の痛みは、まだまだ逃げていきます。
「ももの裏側のスジがメインみたいです」と言われ、そこを治療すると、「やっぱり、ももの付け根が痛いです」となり、そこを治療すると、「今度は、お尻の奥が痛いです」というふうに、痛い場所が変っていくので、S君のほうが恐縮していました。
最初に傷めたところは?
病気の根っこがどこなのかは、「悪くなり始めたとき」と、「治る直前」に、はっきりしてきます。
「後から悪くなったところ」から、「先に治っていく」からです。
患者さん本人には「そこだ」と、体内感覚として分かるのですが、具体的に「どこ」なのかを指し示すのは難しいものです。
整形の専門医ではないので、本を見ながら2人であれこれ考えました。
たぶん、なにかのはずみで、坐骨結節にくっついている、どこかの筋肉を痛めたのでしょう。そこを守ろうとして、他の筋肉たちが過緊張して、次々に痛みだしたので、本人にも、何がどうなっているのか、分からなくなってしまったのです。よくある話です。
S君が完治したのは、最後の治療が終わってから数日後のことだったので、最初に痛めた筋肉が何だったのかは、私にはとうとう分からずじまいでした。
また走れるようになった
S君は、「半腱様筋の障害」を読んで、自分もそうなのでは?と思い、遠く神奈川県からやってきました。
遠方からの来院でしたので、通院回数が少なくてすむようにがんばりました。1回の治療に3時間以上はかけたと思います。
3回の治療のあと、S君は元通りに走れるようになりました。
痛みをこらえてのハードな練習が、「わかりにくさ」の一因ではあったのですが、そのおかげで、筋力をしっかり維持していたので、痛みが取れたあとの復帰は、スムーズでした。
今も、駅伝めざして、走っているそうです。
でん部、坐骨結節~太もも、足に関する症例
症例1 椎間板ヘルニア 症例34 バレエで膝を痛め、お尻から太ももに波及
症例8 骨盤から足への痛み 症例41 マラソンで坐骨結節~ハムを痛めた
症例13 坐骨神経痛・1改 症例43 ダンスで坐骨結節~ハムを痛めた
症例34 半腱様筋の痛み 症例56 足先が上げにくい(脛の神経麻痺)
------
Updated: 2009/12/13