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 症例62・足底の痛み
 <マラソンランナーの足底痛>
「足をつくと痛い」とき・・・
うちの患者さんではないのですが、「足底筋膜炎」と診断された人の話を聞いて、このページを書きました。筋肉の病は鍼灸治療で治ります。痛む患部だけでなく、足底や足指につながる筋肉の硬直をほぐして治療をします。
「足をつくと痛い」とき、ガングリオンが原因のこともあります。「踵をつくと痛い」ときの治療法はすでに紹介してあります。全部まとめて書き直すのは大変なので、簡単に紹介してリンクを貼りました。
→「足をつくと痛い」に関係するページ
症例7:モートン病 足底痛+痺れ、ぼってりして赤味がある
症例51:かかとの痛み 踵をつくと痛い原因が下腿の硬直 or 骨棘のとき
症例55:ガングリオン 足をつくと痛い原因が風船(関節包に液体)のとき
*症例62:足底の痛み マラソンランナーの足底痛
足底痛で走れなくなったマラソンランナー
1995年11月に来院したT君(当時19歳、男性)は大学1年生のマラソンランナーでした。2週間前の駅伝で無理して走ったあと、痛みで左足裏()がつけなくなったそうです。マラソンは硬いアスファルトの上を走るので、足底を痛めて走れなくなるランナーが少なくないのだそうです。

T君は 中学生のときに左の坐骨神経痛になって以来、左足をかばって走っていて、ずっと調子が悪かったそうです。
左でん部()~ハムストリングス()~ふくらはぎ()まで、後面の筋肉全体が右に比べて筋力が低下していました。
代わりに、前面の筋肉()を酷使したらしいのです。パンパンに硬直して痛みがありました。

マラソンはでん部()とハムストリングス()の筋肉で走ります。サラブレッドと同じく、他の筋肉は必要ない、というぐらいにここだけ発達するのです。
主要な筋肉を痛めて走れなくなったマラソンランナーを何人も治療しました。
 足の痛み(2週間前から)
左でん部~ハムストリングス~ふくらはぎは筋力低下
 前面の筋肉を酷使
◎ RIでの炎症部位=「陥谷」

<→症例41「マラソンで坐骨結節~ハムストリングスを痛めた」で、最初の患者さんを紹介してあります>

大学の提携病院でRI検査を受けて、足に炎症()があるのを発見されたそうです。
RIはRadio Isotope(放射性同位元素)の略で、放射性物質を用いる「核医学検査」のことだそうです。

医師には「手術をしないと治らない」と言われましたが、「手術をしたら走れなくなる」とも言われたそうです。
中学生からマラソンをはじめ、高校も大学もマラソンで入学しました。走れなくなったら、スポーツ特待生である自分の将来はないと、T君は必死でした。
足底にビッシリ鍼を打ってパルスをかけた
お正月の箱根駅伝まで1カ月半しかないので、全身にハードな治療をしました。他の部位は省略して、足底の治療だけ紹介します。

足の裏の硬直部位に片っ端から鍼()を打ちました。
足裏の皮膚には知覚神経が密集しているので、切皮するときにかなりの痛みです。
すごい本数の鍼を打ってパルスをかけたのですが、T君は治りたい一心で、歯を食いしばって耐えました。

中指と薬指の間にあったゴロリと硬い塊()には、パルスのあとで灸頭鍼もやりました。カルテには「骨のでっぱり」と記載されています。
まだ駆け出しだったので、手探りで治療をしたのですが、「ガングリオン」だったのかもしれません。
初回のパルス
骨のような塊

RI検査で発見された炎症()は、前面の脛の筋肉を酷使したことと、裏側にある塊()に引っぱられたことが原因と思います。

井穴から邪気を抜き、反対側治療で小腸経に銀粒を貼りました。
歩行を助けるため、脛から示指へのテーピングをして、初回は終了しました。

2回目は2日後で、足底の硬直がかなり限局されていて、鍼とパルスは数本ですみました。

3回目は1カ月後で、「陥谷」への灸頭鍼を追加しました。
参考→脛の筋肉
前脛骨筋
長母指伸筋
長指伸筋
テーピングは
これらを網羅

そのまますっかり治って、3週間後の箱根駅伝を走ることができました。
その後はたまの来院になりましたが、毎年駅伝で走ることができ、マラソンで就職先も決まったそうです。
ふくらはぎの硬直をほぐすことが基本
私は毎回必ずふくらはぎの治療を行います。
ふくらはぎの筋肉は7つです。みんなで協力して、「踵を上げる」「爪先立ちになる」「身体を支える」「地面を蹴る」「床を踏みしめる」などの運動をしています。

全体 下腿三頭筋 後脛骨筋 長母指
屈筋
長指
屈筋
足底筋 膝窩筋
腓腹筋 ヒラメ筋

腓腹筋()と ヒラメ筋()は共にアキレス腱を形成して、踵骨にくっいています。その下にある後脛骨筋()は踵骨の内側にもぐり込んで、足底の骨のあちこちにくっついています。

足底痛と直接的に関係するのは、さらに下、深いところで骨にくっついている筋肉です。

長母指屈筋()は腓骨からはじまって、内果の後を通って、母指の裏の付け根にくっつき、母指を屈曲する働きをしています。
長指屈筋()は脛骨からはじまって、内果の後を通って、2指~5指までの4本の指の裏の付け根にくっつき、外側の四指を屈曲する働きをしています。

どちらも指を曲げる筋肉ですが、「この屈曲動作をつづけると足関節底屈の補助をする」という働きもしています。
長母指
屈筋
長指
屈筋

ふくらはぎの7つの筋肉は共同運動をしているので、1本でも硬直すると、他の筋肉たちに硬直が連鎖していきます。長引くと、筋肉と筋肉が癒着したり、骨に癒着して張りついてしまうこともあります。
踵や足底の痛みがあるときは、ふくらはぎの治療が必須です。全体を覆っている主要な筋肉である腓腹筋()をほぐし、さらに下にある筋肉をすべてほぐしてから、踵や足底に残った痛みを狙い撃ちします。
 →ふくらはぎに関するページ
症例52:ふくらはぎ(腓腹筋とヒラメ筋) ふくらはぎの重要性
症例53:ふくらはぎ(神経麻痺による萎縮) 神経性委縮の治療
症例54:ふくらはぎ(後脛骨筋) テニスの試合でつる筋肉?
症例57:ふくらはぎ(地面をつかまえる筋肉) 足指につながる筋肉
「踵をつくと痛い」とき
「踵をつくと痛い」ときには、踵にカマヤミニをします。
それでも、「朝起きて、歩きはじめるときに、かかとをつくと痛い」という患者さんがいたのですが、踵のまわりにぐるりと糸状灸をしたら治ってくれました。
踵にカマヤミニ
踵周りにお灸

「踵の痛み」が主訴で来院した剣道少年がいました。竹刀を振り上げて「やあ~!」と踵で踏み出すときに痛むのだそうです。彼は小学生の頃からときどきふくらはぎの痛みで来院しました。
「ふくらはぎの硬直」と「踵の痛み」は連動して起こるのです。

下腿の筋肉の硬直をほぐしても治らない患者さんがいました。歩いているうちに、「グサリ!と突き刺さる」ような感じで、激しい痛みで踵がつけなくなるとのことでした。

治療をしているうちにだんだん痛む範囲が狭まっていき、ついに1点になりました。
どうやら踵骨に骨棘ができたらしいと推測しました。患部の血流を良くすると、骨の刺が吸収されます。
「刺」を目がけて鍼を打ち、しばらく置鍼したあとで透熱灸をしました。自分でも毎日お灸をしてくれ、20回目にやっと治ってくれました。
踵骨に骨棘

→症例51「かかとの痛み」で、これらの患者さんの症例を紹介してあります。
ガングリオンが原因の足底痛もある
昔のカルテを見て、Tさんの足底にあった骨のような塊()はガングリオンだったかもしれないと思いました。足の裏にできると、痛みで足がつけなくなることがあるからです。

ガングリオン()は手や足の関節を包んでいる関節包の一部が伸びて、内部に水が溜まったものだそうです。
出来立てはサラリとした液体で、水風船のようにプニュッと弾力があります。だんだん濃縮されていってゼリー状になると弾力を失います。ついには「骨」のように硬くなるのかもしれません。
皮膚に変化がなく、関節の近くにあって、指で押しても移動しない塊は、ガングリオンの可能性があるのです。

実は最近、また自分の左足にガングリオン()があるのに気づきました。<私のブログ→2023/4/15
テニスで激しく動いたあとにできるのですが、これで4回目です。鍼とお灸で治療するのですが、自分でお灸をして治すこともできます。
モートン病」と診断された患者さんの足にガングリオンを発見して治療したこともあります。

→症例55「ガングリオン」で、これらの詳細と治療法を紹介してあります。
参考:足先の運動とストレッチ
年齢を重ねるにつれて、人は足首から先の存在を忘れがちになります。脳年齢と足の指の器用さには相関関係があるとも言われています。無意識だと忘れてしまう部位なので、意識して使うように心がけましょう。
歩くときには、「正しく」歩きましょう。踏み出す足は踵からついて、爪先立ちになり、膝を伸ばしたまま地面を蹴ります。歩幅を大きくすれば、股関節のストレッチもできます。
FAQ24:「正しい」歩き方とは?リョコちゃんウォーク を参照してください>

足先のストレッチを紹介します。つりそうになる筋肉を見つけたら、カマヤミニでお灸をしましょう。
<*FAQ22:「リョコちゃんストレッチ」からの抜粋です>

- #7: 踵でぐりぐりストレッチ -

踵や足先を使って、足の5指、足背、足裏のストレッチ。
足指の間に踵をねじ込んで「ぐりぐり」やって指を広げる。足先で、足背と足底も伸ばす。

- #26: 足指のストレッチと筋トレ -

足背を上げる
親指を上げる
四指を上げる

交互に
上げ⇔下げ

交互に
曲げる⇔伸ばす
次に、足指を広げたり、縮めたり、伸ばしたり、曲げたり・・・ 足首を曲げて脛を、伸ばしてふくらはぎを、同時にストレッチ

- #27: 足首とつながる筋肉のストレッチ -

寄せる⇔広げる
太ももの付け根~踵まで、ピシーッと伸ばして、いろんな筋肉をストレッチ
長腓骨筋(脛外側)、etc.

交互に
膝窩筋(膝裏)、etc.
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Updated: 2023/5/7