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両親のお墓は新潟市にある。魂がお墓に宿っているとは思えなかったし、コロナもあったしで、母の納骨が最後のお墓参りだった。
去年の8月13日の夜、食器棚の扉を開けた瞬間に、父が愛用していた日本酒のグラスが落ちてきた。分厚いほうを下に落ちたので壊れなくてすんだのだけど、父があの世で「墓参りにも来んで!」と怒っていると思い、えらくビビった。
でも急には行けない。「冥福を祈ってね」と子どもたちにメールした。
ところが今年の6月、扉が閉まったまま父のグラスが落ちて、食器棚の中で粉々に砕けたのである。
他のグラスが落ちたことは一度もないので、これはヤバイ!どうしても行かなくちゃ!と急き立てられた。
息子たちの休みに合わせて、(普段は出かけない)休日を利用した。初日は村上の瀬波温泉に泊まることにした。海水浴を・・・と思ったけど、あいにくの雨だった。
チェックインまで時間があったので、市内をうろうろ走り回り、神社でお参りをしたあと、懐かしのお城山に登ることにした。
下の写真は全体が見えるように、村上市の公式ホームページから借用したもの。平地の真ん中、にょっきりと山があって、まるで牛が寝そべっているよう・・・ということから、正式名称は「臥牛山」である。 |
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雨なので、傘をさしてのミニ登山である。ここが入口で、奥にちらりと見えるゆるやかな段々がえんえんとつづいていく。 |
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高校時代にバスケをやっていた頃、体育館が使えない日にときどきここでトレーニングをしたのである。「うさぎ跳びで登ったりしたんだよ」と言ったら、娘に「昭和だね~」と感心された。(笑)
うっそうと茂る木々のオーラを全身浴びて、想像以上に気持ちがよかった。ずっと海派だったけど、山歩きもいいもんだね~
緩やかな段々を登ったあと、まだ行程の半分ぐらいだったと気がついた。そこからはところどころに石垣の残る山道がつづいていた。
そして山頂に到着。とっくの昔に城趾だけになっていたんだよ。 |
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村上城と思っていたけど、モニュメントには「舞鶴城趾」と書かれてあった。(このへんの歴史については何も知らない) |
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標高135メートルとのことで、散歩にちょうどいい高さだね。
山頂からは左に海が見え、晴れていれば粟島が見える。右には県境まで連なる山々が見え、山のこちら側には鮭と鮎で有名な三面川が流れている。
雨でけぶっていた割には、なかなか素晴らしい景観だった。 |
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2週間前の予約だったので、5人で1室。温泉で一泊したあと、翌日は晴れてくれた。みんなが「泳がない」と言うので、砂浜を歩いて、足だけ海に浸した。(海の気も頂戴した)
高速で新潟市に向かい、海岸線を走って青山墓地に到着した。両親が選んだのは海のそばの霊園だったのだ。
近くのお店で線香とろうそくを買い、花屋さんでお花を買った。 |
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みんなでお墓を磨いたおかげで、けっこうピカピカになった。ちょうど新暦のお盆の日だった。
「みんなで仲良く」が口癖だった父。子どもや孫やひ孫がそろって墓参りをしたことをさぞかし喜んでくれただろうと思う。
シーサイドラインから弥彦スカイラインに入りたかったんだけど、うろ覚えだったので、弥彦山の周囲をぐるりと一周することになった。広々とした新潟平野ににょっきりそびえる小高い山なのである。
臥牛山は山城になったけど、弥彦山には弥彦神社がある。神様がいると信じられてきたのだ。
神社でお参りをしたあとはロープウェイに乗った。標高634mで、東京スカイツリーと同じ高さなんだって。
山頂に着いた途端にいきなりの雨。日本海と佐渡島が見えるはずだったんだけど、雨でけぶってしまった。山の天気はホントに変わりやすいね~ |
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帰りはほとんど休憩なしで高速をひた走った。預けたティラが心配で、一刻も早く迎えに行きたかったのである。
両親はドライブが好きだった。私たちが行くと、いつも海岸線や山道など、景色のいいところを選んで走ってくれた。その思い出の道を走るのも追悼になるかな?と思った。
お墓参りをすませ、肩の荷が下りた感じでホッとしている。
家族そろっての遠出は久しぶりで、とても楽しかった。自然の気をたくさんもらって、おおいにリフレッシュした二連休だったんだよ~ |
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