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リョーコの手作りブログへようこそ!
2023/3/29(水) ぎっくり腰の震源地は左尾てい骨周辺だった
今月ぐらいから、女ダブではバックサイドに入れてもらっていた。片手バックの練習のためだけど、フォアの逆クロスの練習にもなるし、ボレーをする機会も増える。
両手バックの頻度が多くなるので、全力で強打をつづけた。左足が軸足なので、左腰を酷使することになる。

3週間前ぐらいから腰全体が固まりはじめた。「ここ」という「痛み」を発信してくれないので、自分では治療のポイントが絞れない。「なんとなく変」からはじまって、だんだん腰全体が痛むようになった。

先々週木曜日、『ヤバイかな』と思いつつも、ガンガン打ってくるおじさんとシングルスをして、ビュンビュン走ってボールを追いかけた。5ゲーム目あたりで、突然、腰が「ほつれ」た。
筋肉がバラバラに分かれてくれたほうが治療がしやすい。鍼を打ったあと楽になって、やった~!と思ったんだけど、パソコンに向かって作業をしたら、また腰の痛みがはじまった。

かすかだけど腰に横棒()が出現し、股関節の上方にも硬直()がはじまった。
これは中殿筋と腸腰筋のぎっくり腰の兆候である。
そこにはきっちり鍼を打った。しかも毎回ちゃんと治療している部位なのである。
メインの患部は別にあって、かばって起こった硬直らしい。

中殿筋と腸腰筋のぎっくり腰なら足が上げにくくなる。
でも今回は足は上げられる。立ったままなら歩けるし、料理も作れる。でも前傾姿勢が難しく、かがむことができない。そして坐位で悪化するタイプなのである。

そのあとも毎日が忙しくて、超ハードスケジュールがつづいた。
ファミリーパーティのための買い物、掃除、料理、そしてバッティングセンターが、壊れかかっていた腰への決定打になったらしい。
翌日水曜日の朝、目覚めたら腰が「壊れ」ていた。激しい痛みで身動きもままならないほどだったけど、なんとか治療をして仕事に出かけた。

やりながら治す主義なのでイベントと仕事をすべてこなした。
長時間中腰がつづくと、患部を支えるために腰全体がギプスのように固まってしまう。ギプスをほぐすと、患部の痛みが現れる。いたちごっこの治療をくり返したのだけど、朝起きたときには痛みが増悪していて、寝返りもままならなくなっているのだ。
メインの患部がどこか分からないので、一進一退だった。

金曜日の朝、お灸をしたらなんとか歩けるようになったので、ティラのお散歩に出かけた。
腰に巻いたカイロがすとんと落ちて、お尻の下方を温めることになった。なんと、腰の痛みがやわらいでいくのである!
尾てい骨周辺の筋肉が元凶と分かった。

尾てい骨、仙骨、恥骨、坐骨結節の周辺を中心に治療をしたら、痛む部位が限局されていった。

震源地
仙骨に波及
骨盤全体
脊柱の筋肉
Tゾーン
睡眠中の冷え

メインの患部は左の尾てい骨周辺()らしい。ここを震源地として、仙骨下方()の建物があちこち倒壊した。 殿筋の付着部なので、骨盤を支える筋肉たち()にも硬直が連鎖していった。
仙骨()には脊柱起立筋などの脊柱を支える筋肉たち()がびっしりと張りついている。前傾姿勢で付着部が引っぱられてしまうのだ。

去年の夏ぐらいから、下腹部()の冷えで目が覚める日があったので、その頃からこのあたりの不具合がはじまっていたらしい。
ストレッチの進化で筋肉バランスが変化したことが誘因だった。

私がストレッチをはじめたのは2009年の春。ちょっとずつ進化していって、途中から真向法を取り入れた。<→2016/5/6
リョコちゃんストレッチの中でも「#21両足そろえての前屈」が私の一番の難題だった。はじめた頃は後ろにそっくり返ってしまうほどで、床に足を投げ出して(寄りかからずに)坐っていられるようになるまで1年ぐらいかかった気がする。

はじめた頃
90度の維持がやっと
去年の1月(6年後)
お尻に「折れ目」ができた

はじめてから6年、去年の1月にお尻の端っこに「折れ目」ができた。本をバタンと閉じるときの「綴じ目」である。すぐに消えそうになるので、維持するのが大変だった。このストレッチに重点を置いてがんばった。

今年の1月
折れ目が定着
2月
だんだん角度が増す
3月
かなり足が近くなる

だんだん「折れ目」が定着し、曲げられる角度が増していって、最近では足まであと15センチぐらいになった。可動域が広がると足がますます速くなっていく。調子に乗ってビュンビュン走ったのである。
筋肉バランスが変化して、今まで使っていなかった筋肉を酷使することになった。そこに左腰への過負荷がかかったのである。

「折れ目」周辺の筋肉が
引っぱられて、
ほころびはじめた
①坐位で
②前傾姿勢で

ぎっくり腰の震源地と、痛みの出る動作の関連があきらかになった。

椅子や座椅子に坐るときは、上半身の体重がすべて尾てい骨周辺()に乗っかる。圧がかかって悪化する。
前傾姿勢のときは、脊柱を支える筋肉()が緊張して付着部()を引っぱる。患部()をかばって、骨盤全体が固まっていく。

震源地()が判明したのは快挙だけど、自分で治療するのは至難の技である。部位が遠いので、自分で鍼を打つのも大変である。お尻の下方はたっぷりの脂肪で覆われているので、カマヤミニの熱が届きにくい。
患者さんには透熱灸や灸頭鍼で治療するけど、自力では無理である。

それでも今週に入って、朝の激痛から解放され、痛みがマイルドになってきた。バイクで段差を越えるときの衝撃や、くしゃみによる衝撃もあまり気にならなくなってきた。
中腰をつづけたあとの「かばって起こる硬直」がなくなったときが「治る直前」のサインなんだけど、まだしばらくはつづきそうである。

筋肉も細くなっちゃったし、ストレッチも後退しちゃったけど、「完治」すると信じてがんばるしかないね。
とりあえずの中間報告だよ~~。
2023/3/24(金) 小林愛子の個展が銀座でやってるよ
昨日は銀座に出かけて、小林愛子さんの個展に行った。コロナのせいで個展は5年ぶりとのことで、新作のタペストリーがたくさんあった。
緻密な模様と大胆な表現力がコラボ。鮮やかな色合いでファンタジーにあふれてる。
銀座の「ギャラリーおかりや」で3月27日(月)まで開催中。詳細は→「織・小林愛子展 生きている森シリーズ」に載っているよ。

友人にLINEで送るために写真を撮ったので、ちょうどよくみなさんにも紹介できる。全体を写したほうが布の質感がでて、温かみを感じられるね。
素晴らしい作品でしょ~~
実は前日にぎっくり腰になった。2週間前から調子が悪く、腰が固まっていたんだけど、たぶん引き金はバッティングセンター。
WBCの準決勝の日、うちで母の七回忌の法事パーティをやった。腹減らしに出かけて、20球を2回。(前方に飛んだのは数球だったけど)

やっているときも、そのあとも大丈夫だったんだけど、翌朝に激しい腰痛で動くのもやっと・・・になった。
患者さんの治療はなんとかこなしている。今日になって、どこの筋肉を痛めたのかが判明したので、そこを目がけての治療をはじめた。

パソコンの前で腰かける姿勢で悪化するタイプなので、このつづきは次回にまわすね~
2023/3/12(日) 花粉症もテニスも「自信」が大切?
先々週の水曜日、ものすごい強風が吹き荒れ、花粉の量もすごかった。
3時ごろクラブに着いてミックスダブルスをやったのだけど、クション、クションとくしゃみを連発。鼻水もあふれるように流れてくる。
右のポケットにきれいなティッシュをつっこみ、鼻をかんだら左のポケットに移動。途中で何度もティッシュ交換にベンチに走り、1日で1箱のほとんどを使い果たす羽目になった。
そして、テニスのあとも花粉症の暴走は止まらなかった。

治療室に直行したけど、室内なのに症状はおさまるどころか、どんどんひどくなっていく。くしゃみと鼻水の連発でパソコン仕事どころじゃない。鼻や目の粘膜がヒリヒリ痛み、頭のてっぺんまで熱を持ったように膨張して、苦しくて苦して息も絶え絶えになった。
2005年の花粉症の初爆発を思い出して、『これがずっとつづいたら生きていけない・・・』という絶望感に襲われた。

1時間以上も花粉症と格闘したあと、左足をめくってみたら、2日前に貼ったはずの銀粒がなかった。右足の飛陽に銀粒を貼ったら、その直後にくしゃみと鼻水が止まったのである!
「飛陽」の効果、恐るべし、である。
翌日も強風とともに花粉が舞い飛んだけど、くしゃみも数回ですみ、ポケットの中のティッシュもほとんど使わずにすんだ。

そのままなんとか持ちこたえていたんだけど、今週の木曜日にダブルスの途中で、またくしゃみがはじまった。「みづさん、花粉症だったのね」とみなさんに同情されて、またパニックになりそうになった。
『治療をしてるのになんで?』という思いと、『効果がないと思われたら困る』という思いで、鍼灸師のプライドがパニックを呼ぶのである。

突然、昔の患者さんのことを思い出した。耳のツボを「痛い」ぐらいに刺激して耐えて、数年後に花粉症が治ってしまった人である。

「自分を信じる」って、けっこう難しい。患者さんに教えていることなのに、不安に駆られて自信を失い、自分が実行することを忘れていた。
耳の金粒をグイグイ押しているうちに、目と鼻がスッキリしはじめて、症状がほとんどおさまってしまったのである。

テニスのときにも「自信」のことが話題になった。

昨日は男性3人に混じってダブルスをやった。相手2人がかなりの強敵なので、「目標2ゲーム」とはじめたんだけど、6-2で勝ってしまった。
相手ペアは悔しがってリベンジ戦になったけど、また6-2で勝った。
ペアのおじさんが「みづちゃんがひとりで活躍した」とほめてくれた。

圧勝のきっかけは、私の序盤のボレーミスだった。
ネット際でボレー&ボレーになったとき、3球目にバッコン!力んで強打したせいで大きくアウトした。『またやっちゃった!』と落胆したんだけど、あれあれ、相手がえらく驚いて、そしてえらく感心しているのである。

ミスになっても「強打」が打てると評価される?と驚いて、そこから伸び伸びと、思い切りのいいプレーができた。
「動ける」だけが唯一の強味。躍動感を発揮できると、ときどき強い相手に勝ってしまうことがあるんだよ。

得意なショットでも、ちらりと不安がかすめると必ずミスをする。ボレーやスマッシュはまったく自信がないので、ミスの連発になる。
最近はダブルスでも「カエル」サーブを打つようにしているんだけど、不安との戦いなのである。不安がチラリとでもかすめると、サーブがグチャグチャになり、どんどん崩れていってしまう。

ペアのおじさんが「みづちゃんは、もうちょっと自分に自信を持ったほうがいいよ」と何度も言ってくれたんだけど・・・
テニスで不安を払拭できるようになる日が来るのかな?と、あまり自信が持てない私である。
2023/3/2(木) 症例60「外耳炎」を更新
今年2つ目の更新は、症例60「外耳炎」である。ずいぶん昔のことだけど、しつこい外耳炎に悩まされたことがある。耳鼻科に行って抗生物質を飲んだんだけど、すぐに再発してもっとひどいことになった。

薬は全身をまんべんなく巡る。耳の周辺の細く入り組んでいる血管の隅々まで到達しないのかもしれない?
そう思って、耳のまわりに鍼を打ってみた。耳がポカポカに温まって、とっても気持ちが良く、そのまま眠ってしまった。数時間後に、「ピチャッ!」という音とともに、外耳道に膿が吐き出されたのである。
グチャグチャする耳の「不快感」からやっと解放されたんだよ。

先週は胃腸炎を患った。吐き気はなくて下痢だけだった。
どうやらウィルス性だったらしい。初日には微熱も出たし、気力と体力が減衰した。お茶を飲んだだけで胃がビリリと痛み、足をつくだけで胃にズシンと衝撃が走った。
お腹にはカマヤミニでお灸をし、金粒をあちこちに貼った。胃炎には「内関+公孫」が効果がある。セットで銀粒を貼った。
<→金粒・銀粒ナビ、①「上腹部の病」に貼り方がのっているよ>

3日目には完全回復。たっぷりご飯を食べて普通にお仕事。ビールもワインもガンガン飲めた。元気な胃腸だと、ウィルスに憑りつかれても、治るとすぐにスッキリ元通りになるんだね~~

仕事とテニスを2日休んで、パターンの異なる暮らし方をしたら、なんだかすっかりリフレッシュできた。(笑)
テレビの前に寝そべって映画を見まくったので、いくつか紹介するね。

映画「奇跡のシンフォニー」は、生まれてすぐに養護施設で育てられた少年エヴァン(フレディ・ハイモア)が両親を探す物語。エヴァンには、あらゆるものが「音楽」に聞こえるという特異な才能があった。
一夜だけ愛し合った若い男女も離れ離れになったまま、エヴァンの存在を知らずにいる。
11歳で養護施設を抜け出したエヴァン。いろいろな人々が彼を音楽の世界に導いていき、そして両親もそこに引き寄せられていく。
すてきな音楽に満ち溢れたファンタジックな映画なのである。

「恋のゆくえ/ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」は1989年の映画。この頃のジェフ・ブリッジスが超クールでカッコイイのに驚いた。ミッシェル・ファイファーが美人でセクシーなことにも驚いたけど、なんと、素晴らしい歌唱力を持っていたのである。

兄のフランク(ボー・ブリッジス)と弟のジャック(ジェフ・ブリッジス)は兄弟でバンドを組み、何十年もホテルでピアノを弾いて生計を立てていた。(二人を本物の兄弟が演じている)
だんだん時代遅れになってきて、落ち目になったバンドを盛り返そうと、歌手のスージー(ミッシェル・ファイファー)を仲間に加えた。
自由奔放なスージーに触発され、ジャックは自分の人生を振り返ることになった。

実生活に重きを置くフランクは、家族を養うために一生懸命である。でもジャックはワンパターンの演奏に飽き飽きしていた。自分の心を押し殺していたために酒に溺れて自堕落に暮らしていたのだった。
恋愛感情が引き金になって、心の奥底に押し込めていた感情が一気に目覚め、人生を変えるほどのエネルギーを生み出す。。。
真剣な恋愛にはそういうパワーがあるんだよね。

ヒストリーチャンネルで「モーガン・フリーマンの華麗なる脱獄」の最初の2話を見た。警戒厳重な刑務所に収監されていた囚人たちが、どうやって脱獄したのかの詳細を語る実話である。
あんだけのすごい能力と根気があったら、まっとうな暮らしをすればひとかどの人物になれただろうに・・・などと思ってしまう。

その流れで「ショーシャンクの空」も見た。原作はスティーブンキングの「刑務所のリタヘイワース」で、どっちも大好きなのである。
妻と愛人を殺したという無実の罪で終身刑になったアンディ(ティム・ロビンス)はショーシャンク刑務所に収監された。監獄でひどい目に合うけれど、囚人同士の友情がホンワカ温かい。囚人よりも悪人の刑務官もいる。かわいそうな男の子もいたけど、基本的に勧善懲悪で、最後は脱獄してハッピーエンド。
登場人物が生き生きして、エピソード満載の必見の映画だよ~
2023/2/20(月) 症例59「蓄膿症(副鼻腔炎)」を更新
今年初めての新着の更新をした。
ホントは他のを書いていたんだけど、いつまでたっても完成しそうにないので、簡単なものからスタートしたんだよ~
症例59「蓄膿症(副鼻腔炎)」では、鼻づまりを治すために、自分で足の「飛陽」に銀粒を貼っていたら、長年患った蓄膿症が治っていたという患者さんの話をのせてある。

先週クラブハウスでお喋りをしていたとき、ある人が「うちの旦那が年がら年中鼻をかんでいるのよ」という話になって、ついでに「ときどき膿の匂いがするのよね」と言った。
岸田首相の副鼻腔炎の手術がニュースで話題になったし、これは「すぐに更新しろ」という神様の思し召し・・・と思ったのである。

蓄膿症(副鼻腔炎)に登場したHさんは大工の棟梁で、鮎釣りが趣味で、よく働きよく遊ぶ人だった。おおらかで優しくて面倒見が良くて、私の話もよく聞いてくれたし、面白い話をいろいろきかせてもらった。
大好きな患者さんだったんだけど、10年ぐらい前に亡くなってしまった。

たぶんせっかちなんだと思う。脚立から飛び降りて捻挫をしたり、川の中で鮎を釣っているときに滑って転んだり。よく怪我をする人で、「何か起こったら、まず鍼灸」と、そのたびに直行してきてくれた。
「自分には鍼が合うんだよね~」とよく言っていたのだけど、実は深い鍼が嫌いで、ほとんどの場合は浅い鍼とお灸だけで治療をした。

腰痛持ちだったけど、ぎっくり腰を起こす直前に「腰のあたりがモヤモヤする」というタイミングで来院してくれるようになった。いったん「ギックリ」来てしまうと、仕事を休まなければならなくなるし、深い鍼も必要になる。
リピーターの患者さんはみなさん、「足がピリピリする」とか「足が上げにくくなった」とか、自分なりの前兆を見つけているんだよ。

2回目の捻挫のときは内出血もあって、腫れ方も半端じゃなかった。治療をすると腫れが引くんだけど、翌日にはまた戻ってしまう。それからレントゲンを撮って骨のヒビが見つかった、ということもあった。
ねんざ・2の「ヒビが入っていた人」で紹介した人である)

福島県に住むお父さんが膝が痛くなったと相談されたことがある。
お父さんは離れに住んでいて、母屋に行くためには坂を上り下りしなければならないのだけど、坂道を歩けなくなったそうなのだ。
簡単なひざ痛はお灸だけで治ることがある。一番効果があるのは透熱灸と言ったら、「姉さんに教えてやってもらう」と、一生懸命に練習してくれた。兄嫁さんもいい人で、お灸でお父さんは歩けるようになったとのことである。

うちのドラ息子が健康保険税などを滞納して、わんさか督促状が舞い込んできたことがあった。
その話を愚痴ったら、「チョンガーの男なんてそんなものだよ。所帯を持てばちゃんとなるんだよ」と慰めてくれた。

独身の大工さんたちも似たり寄ったりなのだそうだ。滞納があると市役所の職員が、飲み屋のツケならママが、みんなが親方のところへやって来る。立て替えて払ってから、分割して給料から差っ引く、なんてことは日常茶飯事だというのである。
彼の物言いがおおらかなので、ずいぶん気が楽になった。

うちの息子の嫁のおばあちゃんが102歳で亡くなって、お通夜に行ったあとのこと。家に帰ってから、急に心配になった。他の参列者にお酌などして愛想をふりまかなきゃいけなかったんだろうか?と気に病んで、眠れなくなった。
母がうるさい人だったので、自分の立ち居振る舞いに自信がなくて、何かあるたびに悩んでいた私である。

翌日に来たHさんにその話をしたら、「ちゃんと挨拶したんでしょ?」ときかれ、「そう」と答えた。
「だったらそれでいいんだよ。ちゃんと挨拶をして、あとは隅っこに静かにしていたんなら。へたにでしゃばるよりずっといい」と言ってくれた。
彼の言葉が転機になって、それからはあまり悩まなくなったんだよ。

そんなこんなの長いお付き合いで、他にもエピソード満載。。。
バブルがはじけたあと数年後に建設業界が大不況になって、気軽に治療にくる余裕がなくなった。人がいいので何回も騙された、こともある。
膀胱がんの手術をしたあと、腎臓に転移した。最後に腰痛で治療に来たとき、患部の硬直がどうしても取れずに、超心配になった。
「癌が腰に転移したんじゃないの?」と恐る恐るきいたら、「もう癌は治ったんだよ」と明るく答えたHさん。
でも結局は「転移」で、入院になって、その半年後に亡くなってしまった。

お葬式に向かう車の中で、ラジオからキャロル・キングの歌が流れてきた。 "It's Too Late"... "You've Got a Friend"...
涙がポロポロこぼれてきた。亡くなる前にお見舞いに行っておけばよかった・・・と心底後悔した。さんざん逡巡した挙句、行かずに終わってしまったのだった。

なんかいろんな思い出が蘇って来て、あらためて、I miss him である。
今年は仕事とテニスばかりに熱中するのは止めて、人付き合いをしようと心に誓っている。
大事な人たちが次々に亡くなったり、中には認知症を患ったりする人もいる。手遅れになる前に会っておかないと・・・と思うようになったのである。
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